終わらない歌 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 207
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552620

作品紹介・あらすじ

声楽を志して音大に進学した御木元玲は、自分の歌に価値を見いだせず、もがいている。ミュージカル女優をめざす原千夏は、なかなかオーディションに受からない。惑い悩む二十歳のふたりは、突然訪れた「若手公演」の舞台でどんな歌声を響かせるのか。名作『よろこびの歌』の三年後を描き、宮下ワールド屈指の熱量を放つ青春群像劇、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 気に入った本は老後にまた読むつもりで保存版として購入するものの、数年以内に再読する性分ではないため、『よろこびの歌』の続編といわれても、記憶は薄ぼんやりどころか遠い彼方。ま、「女子高でいろいろもめて大団円」ぐらいに覚えていれば大丈夫なお話です。

    女子高の校内合唱コンクールの様子が描かれた『よろこびの歌』。本作は、主人公の玲をはじめとする当時の同級生たちの3年後という設定(出版されたのもきっちり3年後)。音大に進学した玲を皮切りに、さまざまな進路を選択した5人それぞれの物語。ミュージカル女優だったり、トレーナーだったり、葛藤しながら目指す夢。当事者目線の物語が占めるなか、短大卒業後に東京を離れて就職することを決意した同級生あやの章は、当事者ではなく、彼女の就職先の先輩の目線。そしてこの章がとてもいい。

    「いっしょけんめい」という言葉。由来からして「一所懸命」が正しいということは知識として持っていましたが、なんとなく字面や語呂がいいような気がして「一生懸命」を使っていました。この章を読むと、「一つ所を懸命に」という気持ちを大切にしたいと思えます。お侍さんじゃないけれど(笑)。

    合唱曲『COSMOS』が聴きたくなります。

  • シリーズ第2弾。前作は、とある高校の生徒達がそれぞれ将来への悩みなどを抱えつつも、合唱を通して青春をかけぬける爽やかな音楽学園小説。
    今作は、彼女たちが高校を卒業し、それぞれ、音楽大学に進学したり、舞台女優目指して奮起したり、見知らぬ土地へ就職したり…とネクストステップを歩み始める。
    主人公のクールな玲も好きだし、女優を目指す転身爛漫だけど言葉が暖かい千夏、スポーツトレーナーを志す早希も、みんな好きだな。章によって主人公が変わるので、みんなに思い入れを感じてしまう。最後の章は、疾走感あって良かったな!千夏が強引に玲を舞台に誘って、練習を重ねながらステージで輝く。夢って良いね!青春って良いね!
    ミステリーばかり続いたので、こういう爽やかな作品ももっと読んでいきたいな、と思った。

  • よろこびの歌の続編。ちょっと大人になったヒロインたちの今を描く。ラストの章では胸の高鳴りを抑えきれないほどの熱い展開があり、興奮冷めやらないうちに一気に幕が閉じる。ブラボー!

  • よろこびの歌の三年後。
    御木元玲は音楽学校に入っているが、クラスで1番ではなく、色々と迷いながら進んでいる。歌が上手くなるために、必死でやろうとするが、何をしたら歌が上手くなるのかがわからず、色々と挑戦してみる。そこに千夏や3年前の同級生が絡んで、より悩みを浮き上がらせている。読んでいて気持ちよくなる作品。

  • ーーー
    声楽を志して音大に進学した御木元玲は、自分の歌に価値を見いだせず、もがいている。ミュージカル女優をめざす原千夏は、なかなかオーディションに受からない。惑い悩む二十歳のふたりは、突然訪れた「若手公演」の舞台でどんな歌声を響かせるのか。
    名作『よろこびの歌』の三年後を描き、宮下ワールド屈指の熱量を放つ青春群像劇、待望の文庫化!

  • 前編となる「よろこびの歌」未読で、本書を読んだ。
    本書だけでも良かったけど、前編本から読んだ方が登場人物の人物像、経験、その背景がより分かって、もっと面白いと思う・・・ので、前編本読んでから再読するかも・・。

    20代の青春真っただ中の女子達の、真剣だからこそ悩み、そして成長していく物語。そして、彼女達自身だけでなく、彼女達の発する空気に触発されて変化へのスイッチを押される先輩たち。

    20代前半って、未来への不安や希望でいっぱいだった。そして、希望の方が大きかった。
    ある程度経験を重ねると、未来が未知でないような感覚がでてくる・・良きにしろ悪きにしろ・・。
    だけど、未来ってやっぱり未知で、不安と希望が力になるからこそ開けるものなんだと感じた。
    挫折や成功、希望や絶望・・の繰り返しが人生。挫折したときに希望を忘れずにいれるか、絶望したときにどうやってそこから抜け出せるのか・・・。彼女達から、そして20代の頃の自身から、教えてもらったような思い出させてもらったようなん気がする。

    青春時代がとっくに昔・・という方にもおすすめの一冊。

  • 前作「よろこびの歌」から三年後が舞台。みんな二十歳になり、それぞれの場所で頑張っていた。夢にあと少しで届きそうな人、目の前にして悩んでいる人、悩みごとは変わったかもしれないけれど、あの頃と同じく、ぐるぐる、ぐるぐる。立ち止まったりしても、三年前に未来の私に歌った歌に、今も励まされて、支えられているのかな。御木本怜と原千夏が今も良い関係を築けているのが嬉しかった。

  • 前作の方が良かった

  • それぞれがそれぞれの時間を経て、変わっていくものと変わらないものを丁寧に描写している。続編だからかもしれないけれど、宮下奈都さんのいつもの文章に、さらに凄みを増したような言葉の波々。

    【いちぶん】
    二十五年前の歌だというのに今も胸を打つ。時を経てなお残るものは、夢か、希望か、恋か、友か。それとも、歌か。(中略)夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない。夢も希望も、挫折や絶望のすぐそばにある。もしかしたら、欲しがらないほうがいいのではないか、希望など初めからないほうがよかったのではないかと疑いながら、それでも希望を持たないわけにはいかない。夢に向かわずにはいられない。

  • 歌うこと、聴くこと、演じること、全部をひっくるめて「歌っていいよね」と素直に思える作品。

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