偽金 フェイクマネー (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552637

作品紹介・あらすじ

会社の思惑で依願退職を余儀なくされた男は、オンラインゲームの電子マネーに目をつけ、一攫千金を狙う。キャスターを目指すフリーの女子アナは、企業ポイントを取材、特ダネを探す。"偽金フェイクマネー"を追いかけるふたりの陰で、現代ヤクザが暗躍。巨額マネーをめぐる、拉致・脅迫から国際紛争まで事件は広がり、怒涛の結末へ-。渾身の極上エンタメ小説!

感想・レビュー・書評

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  • 2015年の当時で、これだけのことが起こり
    作品にしていたというのは、すごいなぁ。
    その先見性に、驚く。
    ビットコインが、注目されtのは、
    2017年のことだった。
    確かに、仮想通貨はマネーロンダリングに最適だった。
    銀行をつかわないという発想がポイントだが、
    仮想通貨は、現実に着地した時には、税金としてカウントされる。

    日本では、購入することで、様々なポイントがつく。
    このポイントは、一定集まることと、そのカードしか使えない。
    ポイントが、共通化して、お金に換金できれば
    実に無駄がなくていいのだが、と思っていた。
    現状のポイントは、実に面倒である。
    その上、カードやスタンプカードが増えるばかりだ。
    それをうまく、仮想通貨に関連させて、
    説明をしていく手法は、実に巧妙である。
    ネットゲームで、ポイントも換金できれば、
    ゲームにハマる人も増えるだろう。

    椎名は、銀行から、できすぎたゆえに、
    合併の際に、出向を命じられ、やめる。
    七海ファイナンス サラ金の会社に入り、
    会長の王様に気に入れられ、活躍するが、
    会社を乗っ取られることで、首になる。
    あまり運も良くないよだ。

    椎名は、新潟地震で、里帰りしていた
    身ごもった嫁と娘を失った。
    その時、娘は ドラえもんの歌を歌っていた。
    椎名は、気がつかないけど、
    自然とドラえもんの口笛を吹いている。

    ゲームのクリエーター 城所。
    将棋センターの香子。
    それをチーム化して、「お金の越境」をさせる。
    そのお金は、税金もかからなくなる。
    タックスヘブンの国を使用しないところが、いいと思う。

    五味という正体不明の男が、椎名につきまとうことに。
    サラ金の王様は、気をつけろと いう。

    レーザー兵器は、ちょっと 無理があるね。
    お金を ポイントに帰る時、銀行を使えば、
    やはり、脱税に なってくるのでしょうね。
    中国の資金規制は、かなり厳しく、銀聯を使うというのも
    制限されているので、フィクションの中で、
    いくつかの 瑕疵があるが、それは見逃すことができるでしょうね。

  • 面白くて一気に読んだのだけど、地震で妻子が亡くなっている話とレーザー兵器の話がないほうがリアルで面白かった気がする。

  • 仮想通貨がテーマだが、その他の要素を盛り込み過ぎ...という印象。正直、お腹いっぱい、というより深読みし過ぎて疲れた感じ。伏線を気にし過ぎた...。
    ただ、話の流れはスムーズでテンポよく読める。丹念な調査による構成もお見事。

  • テーマが面白い、ただ展開が広がり過ぎかな。

  • お金に関する若干生々しい話です。私にとっては少し難しい話でしたが、ゆっくり読んでいけば分かりました。他の方も書いていらっしゃいますが、この話は「現実にない形のお金」が世間で広く知られる前に書かれたものなんですよね。先見の明のある著者だと思いました。

  • 後半が面白くて一気に読んでしまった。
    細かい事を気にしなければ楽しめる内容。

  • ガードのポイントを海外へ流出させ、足のつかない方法で換金するシステムをめぐる物語。作者の作品には震災を絡めるものが少なくないが、本作においては不要だったのでは。仮想通貨が悪用される可能性をもっとクローズアップした方が良かった。

  • 会社の思惑で依願退職を余儀なくされた男は、オンラインゲームの電子マネーに目をつけ、一攫千金を狙う。キャスターを目指すフリーの女子アナは、企業ポイントを取材、特ダネを探す。“偽金フェイクマネー”を追いかけるふたりの陰で、現代ヤクザが暗躍。巨額マネーをめぐる、拉致・脅迫から国際紛争まで事件は広がり、怒涛の結末へー。

  •  サラ金をリストラされた椎名は、怪しい金持ちたちの帳簿に記載できない資金でオンラインゲームの高額オプションを購入させる。その高額オプションはポイントカード会社のシステムを利用し、海外で現金化するというビジネスを立ち上げる。海外の持ち出しは日本円で100万円が上限、それ以上になると申請が必要らしい。

     はっきり分からないんですが、こんな七面倒なことをしなくても海外FX口座を持っていればどこの国でも現金を引き出せるのではないかと、この本を読んでいて? 何か規制とかあるのか調べていないので不明。

  • 2008年の単行本「偽装通貨」を現状に合わせて大幅改稿したそうで、7年前の時点で電子マネーの問題点に目を付けたというその眼力には恐れ入りました。マイナンバーですべての電子マネー&ポイントを集約するなんて話もじゅうぶんあり得るのかもしれませんね。

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著者プロフィール

1967年、新潟県生まれ。専門学校卒業後、時事通信社へ。経済部記者を務める。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。『震える牛』がベストセラーに。『血の轍』『ガラパゴス(上・下)』『不発弾』『トップリーグ』他、映像化作品多数。主な著書に『ファンクション7』『偽金 フェイクマネー』『復讐の血』『共震』『アンダークラス』『Exit イグジット』『レッドネック』『マンモスの抜け殻』『覇王の轍』がある。

「2023年 『心眼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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