商い同心 千客万来事件帖 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
3.73
  • (2)
  • (9)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 54
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552750

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・珍しいモチーフ。北町奉行諸色調掛同心澤本神人(さわもと・じんにん)の活躍を描く。諸色とはここでは物価の意味ということで物品の価格が適正か調べる同心ということらしい。今で言う公正取引委員会みたいなもんかと。
    ・神人は姪(亡くなった妹の娘)の(初登場時)七歳だがしっかりものの多代と二人暮らし。神人の使う小者で計算が得意で意外に頼りになるがいつも腹を空かせている庄太と飯炊きのおふくと途中から子犬のくまあたりがレギュラー。
    ・神人の座右の銘は「なるようにしかならない」。諦念ではなく、楽観。だがなすすべもなく見ているのというのではなくなすべきことはするタイプ。
    ・ちょっとしか出ないキャラクタも生き生きとしっかり個性的に描かれてるのが楽しい。
    ・ミステリとしてはあっさりしている。人情話として読むべきかと。
    ・ほとんど無理も欠点もない作品で安心して落ち着いて読める絶品。
    ・ドラマにするなら年齢は合わないが阿部寛さんかな。顔が濃くて二枚目ってことで。

  • 諸色調掛同心、初めて知った。
    市中の品物の値を監視し、また幕府の許可していない出版物が出ていないか調べ、どちらも悪質な場合は奉行所にて訓諭するというお役目。
    主人公の澤本神人の「世の中、なるようにしかならねえ。けどな、それは手をこまねいて何もするなということじゃねえんだ」と言うことばが好きだ。

  • 主人公が諸色調掛という事で、一話一話違う職業の人達にスポットが当たっていて楽しい。
    短い話の中で事件も綺麗に解決されてすっきりするし、個々のキャラも全体的な流れの中できちんと描かれていて良かったです。
    とにかく読みやすい一冊。

著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梶よう子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×