幻想運河 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 216
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408553481

作品紹介・あらすじ

遠き運河の彼方から静かな謎が流れ来る。切断された死体と、溶解するアリバイ-。幻と現実が交錯する傑作ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪とアムステルダムで起こったバラバラ事件。登場人物たちの動機。

    作中に飛び出す薔薇薔薇とバラバラ。不吉な言葉として最後まで頭の中に残ってしまう。言葉以上に薔薇の赤と人の血を連想してしまう。

    誰が異常で誰が正常なのか、異常なのはドラッグの影響なのか。救われない部分も多いけど、めでたしで終わらない小説もたまには良いかな。

  • 初めての有栖作品だったけど、何が何だか…

    村上春樹の話に出できそうな、意識高めの鼻持ちならない奴らがやたら出でくるなと。

    んで、何で事件が起きたのか、犯人は誰だったのか、恭介の小説なんだったんだ、なんで美鈴自殺したのか。

    詩人が自殺したのも意味わかんないし、納得いく部分がまるでなかった。

    導入が長すぎたし、面白くなってきたと思ったらもやっと終わる。

    やはり自分は白黒はっきりする話が好きなのです。

    懲りずに有栖さん読んでみます。

  • これは本当にタイトルのとおり『幻想』
    ドラッグのせいもあるのだろうけど、ふわふわと現実と幻想を行ったり来たりするミステリー。

    アムステルダムで運河にバラバラに投棄された遺体。
    ドラッグをやる日本人たち。

    ただもう申し訳ないけど、好みではなかった…。
    単純に私の趣味の話なので…。
    やっぱりきちっとWhoとWhyが提示されてるのが好きなのだなぁと実感した作品でもありました。

    おそらくWhoとHowはざっくりこうなのではないか?と提示。
    Whyはお兄ちゃんが未来予知的なものができたからそれで何かを視てしまったのでは?という妹からの提示。
    ああのでは?こうなのでは?というところで終わらせるのが確かにこのミステリーのきれいな形でそれが最後のエピソードに繋がるのだろうけど、本当に私の好みでなかった。のです。

    バラバラに関する部分は、魍魎の匣に通じるところがあってワクワクしたー!

    それにしても有栖川有栖先生、こんなのも書くんですね。
    幅広いや!



    @手持ち本

  • 少し難しい。
    再読したい。

  • ばらばら。最初と最後、まんなかをつなぐキーワードは、ばらばら。
    終始一貫して救いのない話。読みやすいけどさわかな読了ではない。

  • いつもの有栖川作品とは趣の異なる作品でした。でも、いつもどこかふわふわしているような作風が不思議な感じ。

  • 大阪とアムステルダムの運河を舞台に進む、タイトル通り幻想的な話。
    有栖川先生の中でももう初期のほうの話になっていて、なかなか手を出せていなかったので、再文庫化で書店にどどんと展開されているのが有難かった。
    主人公がふらふらしているのが若干いらっとするものの(笑)、異国感・運河・ドラッグ・恋・バラバラ殺人…と、読んでいるあいだ、本当に運河をふわふわ進んでいるような浮遊感を味わった。
    逆に、舞台が大阪になったときの身近な感覚とのギャップ。話としては決して好きなタイプでは無いけど、独特の感覚だった。

  • 幻想的な雰囲気はしっかり伝わってくるけど、やっぱり本格を期待しちゃう。事件の真相はまだしも、バラバラの理由までもがボヤけてしまうと厳しいものがある。

  • ハッキリとしない結末だけど、ドラッグが登場する作品でもあり、意図的にぼんやりとさせた作品かもしれない。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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