ぱりぱり (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
4.00
  • (2)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 49
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408553627

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 詩人の姉と、普通の妹。
    若くして、才能を見出された姉、菫と彼女に関わる人たちの連作短篇集。

    菫の、おだやかで、でもどこか違う風景をじっと見つめているような危うさを、上手く描いているなぁと感心した。
    二作目では魅力がなくなったと言われたこと。
    でも、妹にとっては同じ姉の言葉であること。
    ただ、それでも妹が何者かになれるわけではないということ。

    見出される側にも、見出されなかった側にも、それぞれ重石が乗る中で、二人のラストシーンが、可愛くて良かった。

  • 最初はこんな子近くにいたらめんどくさいなぁと思ってたけど、読み終わったらなんとなく良い気分だった。どこが面白かったのか説明しづらいけど。解説で言う、中身忘れちゃうけどなんとなく影響を受ける本かな。

  • てぃーぬオススメ本
    なんともほわほわした詩人の女の子と彼女に関わる人たちの短編集。
    どの話もほっこりする。
    読後感の良いお話でした。
    やはり冒頭の姉妹の関係が一番好きかな。

  • 17/09/21 (64)
    ふと『うさぎパン』を思い出して、あのやさしいあたたかい感覚の本が読みたいなあと思ってこれを。表紙が不思議でほのぼの可愛い。表題の『ぱりぱり』がすごく良い。ほかはまあまあふつう。

    ・「しかも今日じゃないし。来週だよ」
    「わかってるよ。もうすぐだね、って言ったでしょ」
    姉は弁解し、
    「でも、今日みたいな日だったんだよ」
    と続けた。
    「よく晴れてて、暑くて、だけど空が青くて気持ちよかった。今朝、急に思い出したの。ずうっと昔のことなのに、はっきり覚えてる」
    だって、すごくうれしかったから。
    姉が目を細めてしめくくった。クッキーの焼きあがりを知らせる電子音が、キッチンに響き渡った。(P41 ぱりぱり)

  • 17歳の若さで詩人としてデビューした中埜菫。その妹・編集者・隣人・国語教師・同級生・母親、それぞれの視点から成る連作短編集。菫自身の語りはないのだけれど、話の中で進む月日で彼女の現在も知ることができる。
    読んでいる最中は苦しいのだけれど、どの話も最後には心が温かくなる。
    扉イラスト 鹿児島睦

  • 表題作の「ぱりぱり」のラストが秀逸でした。

    中埜菫(なかのすみれ)というひとりの詩人。
    私たちから見れば、変わった女性。
    この人に翻弄される周囲の人たちの
    それぞれの視点で描かれる連作短編集。

    すみれが「いたせいで」苦悩し
    すみれが「いたおかげで」自分自身の
    気づきを得る。

    すみれを触媒として、自分の生き方を
    一歩前へと進めてゆく人々は、それぞれに素敵。

    でもひとつだけ不満なこと。

    すみれは何を思い、何を感じているのか。
    難しいのだとは思うが、私はすみれの目に
    映るものの美しさを、すみれの視点から見たかった。

    要するに、すみれの詩をもっと読みたかった。

    すみれというフィルターを通過していく人たちの
    その生き方の変化は、時に清々しくて心地よい。

    でもそれでは、人としてのすみれがいない。
    すみれが一番その姿を見せてくれるはずの言の葉、
    彼女が書きためた詩の数々を散りばめてほしかった。

  • 久しぶりの瀧羽作品。とてもハートフル。あたたかかったです。
    どのおはなしもまんべんなくすき。やさしい。解説があの大矢さんで、これまたやさしい。色んな関係。矢印。ときどき読み返したいな。
    2017.07.19

全7件中 1 - 7件を表示

プロフィール

1981年兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。他の著書に『ぱりぱり』『松ノ内家の居候』『左京区桃栗坂上ル』『乗りかかった船』『ありえないほどうるさいオルゴール店』など。

「2018年 『失恋天国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ぱりぱり (実業之日本社文庫)のその他の作品

ぱりぱり 単行本 ぱりぱり 瀧羽麻子

瀧羽麻子の作品

ツイートする