砂漠 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 9801
感想 : 472
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408553825

感想・レビュー・書評

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  • 昨日、我が愛する作家、伊坂幸太郎氏の「砂漠」を読み終えた。
    十数年前に読んだ本の再読だ。
    新鮮さは相変わらずで、面白おかしい登場人物たちの会話を楽しんだ。
    主人公と取り巻きたちは大学生で、その連中のキャラクターの設定と会話の質が読む者を飽きさせないのだ。
    自分の若い頃とオーバラップしながら、軽快に読み進む時間は楽しかった。

  • 西嶋かっちょいい。
    鳥井が玉木宏にしか思えない。笑

    軽く読みやすくテンポがいい!

    「その気になれば砂漠に雪を降らす事だって余裕で出来る」

    7.5 / 10点満点中

    • sora soraさん
      ワタシも鳥井は、玉木宏に脳内変換されました!!
      ワタシも鳥井は、玉木宏に脳内変換されました!!
      2022/07/13
  • 個性豊かな登場人物の春夏秋冬と青春を描く物語。
    学生時代に読んでいたら、良くも悪くも私の人生も変わっていたのかもしれません。でも、今こうして生きていること、来るかわからない明日もきっと来ることに感謝したいと思いました。とくにキラキラした生活ではないけれど、くだらない当たり前の毎日の素晴らしさとありがたさを感じました。

  • すごく大きな事件が起こる、とかではないけれど何気ない日常の些細な事件を題材に、うまくまとまっていた。
    こんな大学生活が送れたら幸せだったなと思う。

  • 社会人としての生活にも慣れてきて、学生時代を思い出しては懐かしむことが多くなったこの頃、「まさしくぴったりなテーマ」な今作に出会いました。

    楽しく眩しい日々を送る彼らの物語を羨みながら、ふと「(自分の学生生活ももしかしたら人から見ればこれくらい輝いていたのかもしれない)」と思いました。昔の友人に連絡を取りたくなってしまいました…。

    そんな自分の過去にもう一度光を当ててくれた『砂漠』、きっと私にとって何度も読み返したり思い出したりする作品だと思います。
    素敵な物語に出会えて感謝です。

  • 数年ぶりに再読。表紙違いを購入。
    同じ本を何度も読むのはそんなに好きじゃないけれど、また読めるように本棚においておきたいと思った。
    子どもが彼らくらいの年齢になったのできっと違う気持ちで読めている。この本はまだなかったけれど、自分が大学生の時にも読みたかったな。
    西嶋みたいな人にはなかなか出逢えないし、自分が西嶋になるのも難しいけれど、半歩でも踏み出すようになりたい。

  • 再読。もう何回読んだか分からない。

    大学生のお話。東西南北。
    続きの話読みたいー
    西嶋良いこと言い過ぎる

  • 「俺たちがその気になればね、砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」
    大学の新入生飲み会に遅れてきた西嶋はマイクを手に持ち、自己紹介を始める。雀荘で平和を願い、ピンフであがろうとするが周りのオヤジが邪魔してくること、アメリカがまた中東を攻めていることを語る。そして最後にそう断言するのだ。

    この言葉には痺れた。初めて砂漠を読んだのは高校2年生の頃だった。大学に行けば西嶋のような男に出会えると心を躍らせていた。大学生になっても何度も読んだ。社会人になっても。
    砂漠は伊坂幸太郎の最高傑作であり、私のバイブルである。

    西嶋は目の前で泣いている人がいれば救えばいいと言う。目の前で泣いている人を救えない人間に、もっと大きなことを変えられるはずがない、世界を救えるはずがないと。そう言うだけの人間はいくらでもいるが、実践し行動に移すことが出来ている人間はどれほどいるのだろうか。西嶋は実際に行動し、努力する熱い男だ。1人を救えばその他の全員を救わなければ矛盾する、だから偽善であるとも言える。しかし、西嶋は矛盾するからなんだって言うんだと。矛盾していいんだ。矛盾したらダメだなんて法律はない。自身がその時救いたいと思うから救うんだと。それが人間なんだと。
    「人間であるということは、自分には関係がないと思われるような不幸な出来事に忸怩たることだ」

    東堂に告白され、振った西嶋はそのことを後悔し、4年生のクリスマスイブに東堂のバイト先に乗り込み、彼女を手に入れる。
    「笑ってる東堂の隣にいるのは、俺じゃないと嫌だって思ったんですよ」
    彼女に言いたいセリフ第一位である。カッコよすぎ

    卒業式で学長はサン=テグジュペリの言葉を引用する。
    「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」
    学生時代はオアシスで、社会は砂漠であると。
    人間同士の繋がりがこれ程までに重要であったとは。人間は社会的動物であり、他人との繋がりがなければ生きていけないのだから。

    西嶋、北村、鳥井、東堂、南は小説冒頭から見違えるように成長していく。北村は理性的であり冷血漢と評される人間であったが、熱さ、人間らしさを手に入れた。鳥井は左腕を失ったが懸命に努力し、キックボクシングを習い、スーパー専業主夫を目指す。東堂は西嶋を追いかける。ミスコンに出てキャバクラで働き、たくさんの男と付き合う。そして最後に西嶋と付き合う。南は無口な女の子だったが、自分の考えを述べることができるようになり、想いを寄せていた鳥井とも付き合う。
    西嶋は世界を平和にするためにピンフで上がろうとしていたが、清老頭で上がる。東堂への想いを行動に移し、彼女を手に入れる。

    各章の題名が「春夏秋冬春」となっており、1年間の物語なのかと感じられるが、物語が進んでいくにつれて時系列が大学生活4年間全てを描いているものだとわかる演出も憎い。
    また、北村が「なんてことはまるでない」と述べた前半の出来事は後々全て現実になっているが、後半に「なんてことはまるでない」と述べた出来事は現実になっていない。
    つまり、物語のラストシーンで「卒業した後、何だかんだ音信不通になり、結局僕たちはばらばらになる。なんてことはまるでない、はずだ。」と述べたことは、5人が今後の人生の中で何かしらの繋がりを持ち、人生を歩んでゆくことを示唆している。
    まさに彼らは、「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」と言うことを知っている。
    彼らは今後も砂漠に雪を降らせるのだと、そう信じて疑わない。

  • すごく面白かった!学生時代を思い出した。笑いあり怒涛の展開あり、これは何の分類なのかわからない。とにかく面白かった!何度か読み直すと思う。

  • 何冊目かの伊坂幸太郎。

    西嶋が好き。
    電車とかで読んでると、たまにププってなって困る。押しつけすぎないメッセージ性が好き。
    でも、大学時代に出会っていても友達にはなれないタイプだ。歳をとって、こういう人って貴重だなぁと思えるようになった。

    「やりきれない話」が本当にやりきれなかった。

    でも、歴史が変わったって、目の前の1匹しか救えなくたって、それでも良いから、目の前の人(犬)を救うんですよ!

    ってたしかに歴史か変わったからなんだ?って初めて思った。なんで歴史が変わっちゃいけないのか?
    生まれてこなくなっちゃうからとか?

    北村のたまにある、「なんてことは、まるでない」もなんかツボだなぁ。

    鳥井はエラい。
    強くてカッコいい。

    東藤も南ちゃんも、よく考えたら北村以外、キャラの濃すぎるメンバーだな。

    気負わずゆっくりなのに、楽しめる珍しい本だった。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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