森に願いを (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社 (2018年4月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784408554105

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  • 街中に存在する不思議な森。
    引きこもり、不治の病、リストラ、落ちこぼれなど、人生につまづき、もがき苦しんでいる人たちが迷い込んでくるその森には、一人の青年がいた。
    能天気で間の抜けたテノールで話す森番の青年は、いったい何者なのだろう。

    苦しみの中にいても、ねじ曲がらなかったものもちゃんとある。
    弱者に寄り添うような温かさ。
    森の中に足を踏み入れると、生命力の強さのようなものを感じる。

    物語の終盤には、森番の青年の秘密が明かされ、感動がこみ上げてきます。
    森の中に入って瞑想したくなるような、癒しの物語です。

  • 優しい物語でした。

    植物が生長し、種を落とし、また森を作る。
    人も優しさや思いを受け継いでいく。
    そのために言葉は力になる。
    だけど、時に言葉で人を傷つけることもある。

    どんな言葉を選んで、どんな気持ちで接していくか。
    「幸福は幸福を生むが、不幸が誰かの幸福を生むことはない」というメアリの言葉が印象的でした。

  • 短編集で、各話で主人公が違っているが、醜い部分を持っていてかつ今を生きたいと思っていない主人公が、森に惹かれやってくる。森に通ううち、自分の考えを見つめ直し、再び生きようと歩き出す物語。
    主人公の悩みは、人間誰しも多かれ少なかれもっているものばかり。自分も森に通っている感覚で、自分の醜さを考えさせられた。

  • この森を散歩してみたいと思った。
    なんでもない日と悩んでどうしようもなくなった日と歩いてみて森の景色がどう見えるのか。
    そして森番の彼にも会いたい。挨拶をして、彼が教える森の話を聞き、その時間を味わいたい。
    たぶんサッと現れて、木々やバラの世話を手伝ってくれませんか?と言われそうです。

  • 焦り、苛立ち、疎外感、憎しみ、後悔…
    様々な痛みを抱えた人が森を訪れ、森番の青年と話して痛みをやわらげていく連作短編集。

    バラの世話を怠った少年に『あなたのせいです』ときっぱりと言ったところが印象的。役割への責任と、『あなたには存在する意味がある』と教えてくれる、凛とした言葉。

    森林浴がしたくなる1冊。

  • 街の中に残った一角の森。そしてそれを守る森番の青年。
    そこには救いを求めていろいろな人がやってくる。不思議な雰囲気漂う、けれどホラーではない現実がみえるエピソードが描かれている。気持ちの描写がとても上手だと感じた。

  • 再読。 記録。

    悩みや苦しみで皆、森に向かう。自然の厳しさを知っていて、人間関係で悩んだ番人はどんな人にも挨拶を交わす。最初は疎まれたり、無視をされたりするが気にしない。時に離れた場所で見守り、時には一緒に森の手入れをして会話をする。植物の話がメインだけど人間にもあてはまる内容もあって。

    すぐに前に進む必要はない。踏み出せるまで、ゆっくり、じっくり考える。最初の一歩が踏み出せるまで。
    深呼吸をして、口角を上げて、笑顔になれた姿を見せられたなら。

  • 傷つき疲れた心を癒す森と森番のひとこと。優しい雰囲気に包まれ、ここに居ていいんだと思える。森や自然に人を癒す力があるのは、自然のもつ儚さや健気さ、壮大さの中にある生命力に何かしら共感し、パワーをもらえるからかもしれない。ここに居ていいんだと思える安心感のある一冊。

  • 森にいきたくなる。

  • ほわほわしててよかった
    50代の男性の話は妙にリアルで辛かった

  • あぁ人には人それぞれの悩みがあるんだなと。

    木は大きくなる。
    年を重ねる分大きく成長する。
    木はいいなぁ。
    人は年を重ねると老いる。
    齢をとりたくないなぁ。

    はて、人も木も同じ。
    時間は等しい。
    人も年を重ねることで成長していると言えないだろうか?
    木も年を重ねることで老化していると言えないのだろうか?

    人も年を重ねることで成長している。
    今が一番若い日。

    そう、大きな木を見て人は過去を思う。
    でも、他人を見て人は比べたがる。
    常識は偏見のコレクション。言えて妙だと思う。



    わだかまり。他人には見えるが、自分では見えない。そんなことに気付かせてくれた本。

  • 本を読みながら森を歩いているような気分になりました。人間の弱い部分が描写され、そんな中でも前向きな気分になってまた新たな生活を送っていくことに、前向きな気持ちになれました。

  • 私にもこんな森と森番に会える奇跡が降ってこないだろうか…と。そんなお話でした。

  • 人と比べてしまい、自分のことが見失ってしまいそうになるときに読みたい一冊。
    全ての話が人間の醜くて、目を逸らしたくなる自分の姿と重なる。森番の青年の言葉は、救いの言葉ではなく、人を立ち上がりやすくする言葉選びがとても染みる。そして立ち上がるのは自分の意志だと気付かされる。
    “生きなさい、そうしなければ今度は友達があなたを殺すことになってしまいます”は残された者には厳しい言葉だが優しさも含まれていて、早く次のページを読みたいと思えて、すごく面白い作品だった。何か理由をつけて逃げたい、でも実際は囚われていて自分が抜け出そうと思えないと逃げられない、その状況が今の自分と重なり胸が痛くなりながら読む手が止まらなかった。

  • 地下鉄が走る街にある森、その背後には山々。土地や木々の息吹がそこにある。椅子にかけ木々を眺めている時間が少しずつ心を癒してくれるのだろう。森番の青年の言葉も手助けしてくれる。明日はもう少し元気になるよ きっと

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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