逃がし屋トナカイ (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 133
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408554211

感想・レビュー・書評

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  • 「まほろ駅前」の枠で、30分ドラマ化してほしい。

  • 正確に書くと星3.8。
    文章が軽くなく、内容としても面白かった。
    なかなか小説で逃がし屋の話がないので、それも新鮮味があって面白かったし、リアルさがあった。
    他の人も言っているように、まほろ駅前シリーズと似ている。
    だが、こっちの方がよりダークな面がある。

  • ハードボイルドとまでは行かないけど、バイオレンス感ある人情お仕事小説。
    「多田便利軒」と似ているというか、バディなとことか、やたら損を被るというか最後お人好しなとことか、結構深めな傷抱えているとことか。
    最初の依頼をした女傑が最後にこう出てくるのかーっと、残念な意味で意外性があるのが、話としては面白かった!
    圭介くんのトラウマも、予想通り過去の虐待で。
    というか、DVやモラハラ、子供の虐待や洗脳と、なかなかに重い題材持ってきてるんですよね。
    割とほのぼのする小説や、人情が前面に出てる話を書く作家さんだと思ってたので、ここまで痛い感じにするのが意外でした。
    弁護士の馬淵さんとか、明らかに正義の側にいる人が出てくることでギリギリ救われるけど、読む人によってはしんどいくらいに社会問題が噴出してる小説です。
    最後はハッピーエンドで終わってるので、続編があるなら読んでみたい。
    まぁ、どんどんバイオレンス感増しちゃうんでしょうけど。

  • 人情味豊かだけどちっともほのぼのじゃない、個人営業の零細運送業者が運ぶハードで悲惨な人生ドラマの数々と、その背後で蠢く闇のビジネス。

    敵役が神さんのトラウマをわざわざ解いてくれるの何でだろう?謎だ。

    「ツインテールの娘」が何だか切なくてツンと来る。

  • ポップな表紙絵とタイトルの割に、
    内容はおもくそハードボイルドだった(^ ^;

    少年時代の暗い過去を引きずる弱小運送屋の社長と、
    一緒に住み込みで働く「相棒」の若者、それに
    主人公の幼なじみである熱血弁護士の女性の三人が、
    自らの正義感に従って様々な苦労を背負い込んでいく、
    というのが大まかな流れ。

    様々な「ひどい目に遭ってる人」が出てきて、
    主人公たちはそれぞれの悩みに寄り添い、
    救いの手を差し伸べていく。

    連作短編集だが、全体で一つの大きなストーリーがある。
    現代社会の闇の部分、逆らえない巨悪に翻弄されつつ、
    窮鼠は猫に噛みつき、蟻の一穴をこじ開けていく。

    アメリカンコミックのヒーローとは違い、
    あくまで一般人の主人公たちは、暴力にはからきし弱い。
    「巨悪」との圧倒的な力の差にズタボロにされながら、
    それでも最後の最後まで諦めずに信念を貫く。

    それには、主人公の少年時代の暗い過去が絡んでいる。
    ちょっとオカルト要素と言って言えなくは無いが、
    鼻白むほどではなく、十分納得できる範囲内。

    一応はハッピーエンドを迎えるが、
    「巨悪」のアタマをつぶせた訳では無し、
    トナカイが「逃がした」人々の「その後」も気になるし、
    読後も長く余韻が残る感じの一冊。

    全く予備知識なしに手に取った一冊だが、
    大当たりでした(^ ^

  • 文庫のカバーの絵が変わってから欲しくなって買った本。

    ただの連作ものかと思ったら、案外一つの結末へと向かう話になっていた。

    一話目は「よかったね」って話なんだけど、最後まで読むと「よかったね」の重みみたいなのが変わっていて、面白かった。

    二人の掛け合いもいいかんじなので楽しく読ませてもらった。

  • 全然期待してなかったけど面白かった。まほろ駅に似てる。

  • 一話完結的なミステリーか~さくっと読めそうだなーと思っていた前半。
    読み進めて話が絡み合っていくうちに、ハードな結末へ。あっという間に読了。複雑な正義と悪のお。
    実写化するなら誰だろーとか思っていたけど、あのラストだとなかなかすごい感じになるな。

  • 記録

  • 重いというか、おぞましい。バイオレンスな話も苦手だし、ちょっとキツかった。
    もう少し軽いノリかと思っていたけど。名取さんだし。
    ラストは救いがあるのだけど、途中経過が。

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著者プロフィール

名取 佐和子(なとり・さわこ):兵庫県生まれ、明治大学卒業。ゲーム会社勤務の後に独立し、2010年『交番の夜』で小説家デビュー。著書に『ペンギン鉄道 なくしもの係』(第5回エキナカ書店大賞受賞)シリーズ、『金曜日の本屋さん』シリーズ、『シェアハウスかざみどり』『江の島ねこもり食堂』『逃がし屋トナカイ』『寄席わらしの晩ごはん』『七里ヶ浜の姉妹』『ひねもすなむなむ』『図書室のはこぶね』(京都府私立学校図書館協議会司書部会「中高生におすすめする司書のイチオシ本2022年度版」第6位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2022」第8位、うつのみや大賞2023第4位)ほか多数。

「2023年 『文庫旅館で待つ本は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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