クスノキの番人 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
3.75
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本棚登録 : 3986
感想 : 121
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408558035

作品紹介・あらすじ

不当解雇の腹いせに罪を犯し、逮捕された玲斗。そこへ弁護士が現れ、命令に従うなら釈放すると提案があった。その命令とは……。

感想・レビュー・書評

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  • クスノキの番人。

    なぜクスノキに祈るのか。
    クスノキは何を成すのか。
    クスノキの番人は何をするにか。
    何故クスノキの番人に選ばれたのか。

    人は成長して、そして老いていく。
    その事実があるからこそ、
    今をしっかりと生きる。託す誰かを見つける。

    そうやって続いていくんだな。

  • ☆4

    東野圭吾さんの作品を読むのは久しぶりでした。
    500ページ近くある作品だったので、読了までに少し時間がかかるかなぁ…と思っていたのですが、読み始めると続きが気になってページを捲る手が止まらず、あっという間に読了してしまっておりました!

    少しずつ明らかになっていくクスノキの秘密に惹かれ、そして主人公・玲斗の「クスノキの番人」としての成長が頼もしく、とても心温まる素敵なお話でした。
    来年続編が刊行されるとのことなので、楽しみに待っていたいと思います❁⃘*.゚

  • 読みやすく、長さを感じなかった。

    ファンタジー…でも、人として大切な何か。を改めて感じる事が出来た気がする。原点に戻るというか、人生こうでなきゃ生きてる意味って?みたいな感じ。

    棚ぼた感は否めないが、幼少期があんなでひねくれないで育つのか?とか、東野圭吾はこういう会話の運びをするんだなとか…といった感想。

    日々生活する中の、ちょっとした気分転換的な一冊だった。
    気分も新たに、ひねくれないで育って行きたいと思います。ありがとうございました。

  • 2020年3月実業之日本社刊。書き下ろし。長編。2023年4月実業之日本社文庫化。クスノキのもつ能力は面白いアイデアだが、展開が冗長で安易だった。クスノキの秘密がここまで守られるものかと少し疑問にも思う。

  • 読み終えた直後の読後感。すべてがクリアになり、読み始めのモヤモヤ感、このまま淡々とストーリーが進んでいってしまうのか?という疑念??それが中盤から徐々に盛り上がりをみせ、終章にかけて主人公の人物像まで変わってしまい、最後に全てが、作品全体がクリアになり感動する。

    どこかで同じような読後感を味わった気がして思いを巡らせて見たのだけれど、確かアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を読み終えた時にも同じような読後感に浸ったような気がする。

    クスノキのパワーの謎が解き明かされていくストーリー展開。普通なら「願いが叶う」といった力を想像しがち。私もそうだった。しかしその想像が間違っていることに気が付かされていく。そしてクスノキのパワーは、人の「念」を伝えるという力だということが徐々にわかってくる。「言葉」ではなくて「念」。どうして「祈願」ではなく「祈念」なのか。「念を預ける」、「念を受取る」その不思議なパワー。

    東野さんは、その不思議なパワーのことを着実に伝えるために、全体のストーリーをまとめ上げられたのだと感心した。

    登場人物達の過去や進行形のストーリーも、「最後に人間は老化して、亡くなってしまう」事が大前提にあって、それぞれの人の思いを「念」を通じて肉親や関係者に伝えていく。

    読む人によって評価は様々だと思います。私は面白かった。文庫本の帯に、来年続編が出ると書かれていました。この作品全体が「序章」なのでしょう。

    果たして、この後のストーリーをどのように紡いでいくのか?なかなか想像できません。東野さんの続編に期待しています。

  • 「ナミヤ…」の流れを汲む癒し系、と言ってもファンタジー要素は程々。要はクスノキの不思議な力を借りた親族の絆の物語。未熟な青年の玲斗と厳格な伯母・千舟の関係性がキモで、東野さん本領発揮のラスト10ページ。殺人事件は起きなくてもグイグイ引き込まれる、心温まるミステリーでした。

    • Kazzさん
      私も大変kikko999さんに似た感想を持ちました。
      私も大変kikko999さんに似た感想を持ちました。
      2023/05/18
  • 玲斗がクスノキに関わる人たちとのやりとりを経て成長していく姿がいとおしく思えました。千舟さんとのエピソードでは箸の持ち方と一張羅のことが印象に残りました。なんてステキなおばあちゃんなんでしょう。

    千舟さんの毅然とした態度から今までの生き方がうかがえるし、そう簡単に素直になれないよなぁって…。あと玲斗の変わりっぷりは、そんなに人は短期間で変わるだろうかと思いつつ。『血』だとか元々の才能?といわれれば説明がつくのか。他に読んだ人たちはどう思われたでしょう。

    少し音楽に携わっている身としては、きっと取材等で見聞きしただけだと思うのに東野圭吾さんの表現力はすごいと唸ってしまいました。あのピアニストの方の例の作業(言葉にすると思いきりネタバレになる)は自分もやったことがあるけど、もどかしいし依頼者の思い描くとおりに完全に作り上げるってなかなかできないから。その過程をきちんと文章にされていたから興味深かった。恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」や中山七里さんの「さよならドビュッシー」を読んだときと似たような感覚になりました。

    来春に続編が出るとのこと、ぜひまた手にしたいし楽しみに待っています。

  • 星3.5ですが、続編に期待して星4

    東野圭吾作品というだけで、
    期待値が高くなってしまう。

    けっしてつまらなかったという訳ではなく
    期待が高過ぎただけ。

    人にお勧めするかと問われると
    少し長いので、
    普段本を読まない人には厳しいかな。

  • 事件を起こし、その後条件付きで釈放された主人公。

    彼に与えられた使命はクスノ木の管理だった。
    クスノ木に秘められた謎、その不思議な力を求めて来る人達の思いに感動しました。

    推理物ではないですが読みやすく、どこか心が温まる話。

  • はじめての東野圭吾作品でした。
    このお話はサスペンスではなく、人とのつながりを描いた作品で、主人公の叔母である千舟さんの言葉一つ一つがとても印象的な作品です。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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