文化人類学 (ブックガイドシリーズ 基本の30冊)

  • 人文書院 (2011年10月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (222ページ) / ISBN・EAN: 9784409001073

みんなの感想まとめ

文化人類学の基本文献を体系的に紹介する本書は、各論稿を約7ページにまとめ、30冊分の重要な著作を収録しています。人類学の確立期から現代に至るまでの理論の進化や、関連する学史や学会の動向を把握できる内容...

感想・レビュー・書評

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  • 1 価値と人類 松村圭一郎 × 『広告』編集長 小野直紀|雑誌『広告』
    https://note.kohkoku.jp/n/na8e5608f922b?gs=638de1b3b152

    岡山大学文学部松村研究室
    https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~kmatsu/index.html

    文化人類学 - 株式会社 人文書院
    http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b93961.html

  • 文化人類学の全体的な状況がとりあえず知りたくて、「文化人類学15の理論」という編著を読んだのだが、1984年の本のせいか、何だかピンとこない。

    というわけで、2011年のこちらを読んでみた。

    こっちは、全体像がかなりわかりやすいし、とてもスリリングで、思わず、一気読みしてしまった。

    220ページくらいの本ではあるが、なんせ文化人類学の名著30冊分の要約と評価と批判なので、相当に濃い内容で、数冊の本を読んだくらいの満足感と心地よい疲労感。

    この本は、「はじめに」を数行読んだ時点で、強烈にアグリーしちゃったからね。

    「人類学は、西洋という場所、近代という時代、その支配的な社会のあり方に、繰り返し異議を申し立ててきた。「「いま」を覆っている考え方や社会制度に対し、非西洋の研究を通して、別の可能な世界の姿があることを提示してきた。いまも多くの人類学者には、この社会変革の夢が共有されている。その夢は「闘争」の歴史でもあった。人種差別や西洋中心主義、啓蒙主義や世俗主義、経済学的・社会生物学的な人間観、国民国家や近代性など、その時代と人々の生き様をひとつの色にそめあげようという支配的な潮流との「闘い」がつづけられてきた。」

    人類学と言えば、レヴィ・ストロースとギアツくらいしか読んでなくて、それぞれ、そこそこ「新しい」と思っていたのだが、レヴィ・ストロースの「野生の思考」は、30冊の本の8冊目。もう古典時代ですね。ギアツの「ヌガラ」は、16冊目で真ん中くらい。

    そういう古典の人類学より最近のものは、ポストモダーンな脱構築な議論とかを経由して、今や、未開社会ではなくて、現代の先進国だったりする。科学技術の研究などが文化人類学の対象になってんだね。

    なるほど、内容はさておき、人類学が今そこにいるということ自体が、もうすごいことだと思う。

    こうして、文化人類学の100数十年の歴史を代表的な本の要約を読むことで、レビューしたわけなのだが、議論がだんだん精緻に(と同時にミクロに)になっていく中で、同じような対立が常に繰り返されているように思えた。

    相対主義 ↔︎ 共通性の理論化
    地域性・個別性 ↔︎ 構造
    個人 ↔︎ 社会規範
    経済 ↔︎ 文化
    観察者の主観 ↔︎ 客観性
    などなど。

    ここで議論されているのは、きっと、今、世の中で起きていることを理解するのにとっても大切な視点を提供してくれると思う。というか、世の中で起きていることがフラクタルにここでも起きている、と思った。

  • 【目次】
    目次 [003-004]
    はじめに [005-007]

    第1部 人類学の確立 
    モーガン『古代社会』 010
    フレイザー『初版 金枝篇』 017
    マリノフスキー『西太平洋の遠洋航海者』 024
    モース『贈与論』 031
    ベネディクト『文化の型』 038
    ミード『サモアの思春期』 045

    第2部 人類学理論の深化 
    ファース『価値と組織化』 054
    レヴィ=ストロース『野生の思考』 061
    ダグラス『汚穢と禁忌』 069
    サーリンズ『石器時代の経済学』 076
    ベイトソン『精神の生態学』 082
    ブルデュ『実践感覚』 089
    ゴドリエ『観念と物質』 092

    第3部 民族誌の名作 
    エヴァンズ=プリチャード『アザンデ人の世界』 104
    リーチ『高地ビルマの政治体系』 111
    ルイス『貧困の文化』 118
    ターンブル『ブリンジ・ヌガク』 126
    ギアツ『ヌガラ』 133
    スミス,ウィスウェル『須恵村の女たち』 140

    第4部 批判と実験の時代 
    クラパンザーノ『精霊と結婚した男』 148
    フェルド『鳥になった少年』 155
    マーカス,フィッシャー『文化批判としての人類学』 162
    クリフォード,マーカス編『文化を書く』 169
    ロサルド『文化と真実』 175

    第5部 新世紀の人類学へ 
    ラトゥール『虚構の近代』 184
    レイヴ,ウェンガー『状況に埋め込まれた学習』 191
    ラビノー『PCRの誕生』 198
    アパデュライ『さまよえる近代』 205
    アサド『世俗の形成』 212
    グレーバー『価値の人類学理論に向けて』 219

  • 種類:主題文献案内
    所蔵:南山大学に所蔵あり。

    文化人類学の基本文献を、各7ページほどでまとめてある。

  • 学問には往々にして、それ以前と以後とを区別するような重要な論稿がある。文化人類学におけるそのような著作を1冊ずつ紹介し、計30冊分収録した本である。
    人類学の確立期から、理論が進化して対象とする範囲を拡げ、現代における問題をも扱うようになるという各ステージを章立てする。文献内容と共に、学史や学会の動向も大まかにつかめる。社会人類学に特徴的な研究書として民族誌も紹介に含められる。
    充実したコンテンツだが、全ての重要な研究を網羅してないことは勿論のこと、将来的には原書を読む必要性も改めて感じた。それは本書の内容で不十分ということでもなく、本書を読んで初めて本格的な興味が募ってきたことが理由ある。特に初学者で他分野を学ぶ自分にとって、概説書として、手軽な辞書にも使えて便利であった。自分の勉強する分野では時に人類学の成果を援用することもある。突然出会った論稿について簡単に本書で把握するような使い方でも良いと思う。以前人に着目した人類学の概説書を読んだが、それと併せて読むと便利かとも思う。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB0722845X

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著者プロフィール

1975 年、熊本市生まれ。岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。所有と分配、市場と国家の関係などについて研究。著書に『うしろめたさの人類学』『くらしのアナキズム』『小さき者たちの』(いずれもミシマ社)、『旋回する人類学』(講談社)、『これからの大学』(春秋社)など。

「2024年 『人類学者のレンズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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