至高性: 呪われた部分

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409030356

作品紹介・あらすじ

聖なるものの根源に触れつつ、への渇望を原始王権のから共産主義までを射程に入れて展開。『呪われた部分』結論部として構想されたバタイユの真骨頂。

感想・レビュー・書評

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  • 有用性、効率性、実用性といった言葉は馴染み深い。けれども、その対義語を問われれるとポジティブな概念がすぐに思い浮かばない。
    そのような世界で、有用性の対となるポジティブな概念、つまり有用性が奉仕するところのものについての概念について理論化したことは大変意義深い。

    その時間のためだけの時間。認識に対象化されることすらないようなもの。
    こうした至高性について論理的に語ることは一種の矛盾であり不可能だが、バタイユはなんとか試みようとする。
    だけど、単なる個人的な至高性について、それほど語りうることもないのも事実である。

    次いでバタイユは至高性の概念をさらに社会の分析に応用し、王権の維持と革命=反抗のダイナミズムについても至高性によって説明を試みる。そして分析は共産主義における至高性へ向かう。その射程の大きさは驚異的である。
    共産主義は、君主の至高性を否定したが、そこでは一人ひとりの人間の至高性が尊重されることはなく、余剰した価値は社会全体の効率性のために用いられ、結局、個々人は全体のための有用性に還元される。
    共産主義の批判的考察としては独自性が高く面白い。

  • ちょっとちがうんだよな....でもニーチェの解説はすごくいい。

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