- Amazon.co.jp ・本 (634ページ)
- / ISBN・EAN: 9784409030493
作品紹介・あらすじ
魔術道士レヴィの最高傑作にして近代オカルティズムの金字塔、初版稀覯本に拠る待望の完全訳。本書は『高等魔術の教理と祭儀』の読篇、レヴィの「魔術三部作」の頂点。ボードレール、リラダン、マラルメ、イェイツ、ジャリ等の同時代の象徴派詩人はもとより、ブルトンを始めとするシュルレアリスト、ジョイス、ミラー等の今世紀の重要な作家たちにも絶大な影響を与えつづける黒い聖典。その魔術理念や神秘主義のみならず、人物や歴史的逸話を活き活きと想像力豊かに綴る文才も魅力で、若き日のランボーがシャルルヴィルの図書館で本書を耽読し、詩想の源泉としたことはよく知られている。わが国でも、日夏耿之介、生田耕作、渋沢龍彦等の熱讃者をもち、大正期から翻訳が待たれていた「大作業」である。
感想・レビュー・書評
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近代西洋儀式魔術のシンボル的存在であり、後世の魔術師で影響を
受けていない者はいないとまで言われるエリファス・レヴィ。
彼の魔術三部作のひとつがこの魔術の歴史である。
学生の頃、私は西洋魔術にはまり、国書刊行会が出す魔術関連本を
漁るように買っていた。その頃に買った三部作のひとつ、「高等
魔術の教理と祭儀」は今でも押し入れでひっそりと眠っている。
もう何年も魔術からは遠ざかっていたのだが、先日読んだアメコミ
のスーパーヒーロー史「スーパーゴッズ」にアレイスター・
クロウリーや彼の唱えた混沌魔術が登場していたのに驚き(著者
グラント・モリソンは魔術師だったのだ!)、久しぶりに魔術関連
情報をネットで拾っていたら、この魔術の歴史が訳出されている
事実に出会い、これは読まざるを得ないだろう、と思った次第。
内容はまぁ古さもあいまって「ただ懐かしい」という感じ。訳と
訳注の作業量には感服の至りだが、何か新しい発見があったという
わけではなかったかな。
三部作の残り一つ「大いなる神秘の鍵」も訳出されているので
いずれ読んでみたいな、とは思っているのだが、なにせ大著なので
ちょっと逡巡してしまうところだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
魔術の起源に始まり文明や社会改革などの関わりを記述、ランボーやボードレールに影響を及ぼす。