有限性の後で: 偶然性の必然性についての試論

  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409030905

作品紹介・あらすじ

この世界は、まったくの偶然で、別様の世界に変化しうる。

人文学を揺るがす思弁的実在論、その最重要作、待望の邦訳。

序文:アラン・バディウ

「カンタン・メイヤスーの最初の一冊にして代表作である本書は、さほど長いものではないが、濃密に書かれた書物だ。アラン・バディウが序文で述べるように、これは一種の「証明」の試みに他ならない。何を証明するのか。ひとことで言えば、事物それ自体を思考する可能性があるということの証明である。カントの用語を使うならば、本書は、私たちを「物自体」へ向けて改めて旅立たせるものである、と紹介することもできるだろう。」(訳者解説より)

感想・レビュー・書評

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  • 人間は、思考の外側に存在するものを認識できるのか。

    物の存在は主観的に認識することはできるが物自体を客観的に認識することはできないとするカント哲学の出現以来、上記の問いに対する答えは限りなく「否」でした。すなわち物自体を志向することはできるが実際に思考することはできない。

    本書の著者メイヤスーは、この近代哲学における「常識」を超越しようとします。すなわち、物自体を認識できると説きます。しかし、この結論に至るまでの哲学的な理路は、(少なくとも哲学に慣れ親しんでいない限り)かなり複雑です。

    哲学にそれほど詳しくない私には、序章と終章がとても刺激的かつ啓発的でした。前者では、カント哲学に代表される主観に基づく相関主義が批判され、終章では人間の出現以前、あるいは消滅以降の世界を想定することで、これまでの人間中心主義では捉えきれない哲学を展開します。

    訳者による解説によれば、本書は反論の余地も十分にあり、実際に反論も少なくないようです。しかし、それはそれだけ新たな思考を促すに値することが本書では述べられているということの証左でもあります。オンラインなどによってつながる時代において、何かしらのネットワークの外側を志向して思考しようする本書は、書かれている内容だけでなく、書こうとする姿勢のカッコよさが際立っています。個人的には、マルクス・ガブリエルなどによる新書よりずっとずっと楽しめました。

  • T.N

  • 言いたいことはわかる。ただそれがこれほどの労力を費やしてやるべきことかどうか。ある意味ではごく当然のことを言っていないか。

  • (編集中)

  • 簡単に読むことができた。

    科学があるのは、世界が安定しているからだと思う。今、世界が通常であるかどうかを調べたければ、科学がうまく機能しているかを見ればいいと思った。

    世界の誕生があるかどうかも一つの疑問ではある。世界がどこにおいて誕生したかがわからないからだ。でも、不思議なのは世界が安定して持続しているところだ。

    もしかしたら、世界がめちゃくちゃに動いている可能性もある。それでも、私たちが気づかないだけなのかもしれない。

    私たちというのが本当に切り離して考えることができるのならば、物自体というものを、もっと深く掘り下げることができるのだが、事実はそうなっていない。

    いずれにせよ、良書であったと思う。

  • あとがきによってわかるような本である。ところどころ訳でわからないところがある・贈物という訳語がフランス語からの訳であろうが、内容とあっているかどうかがわからない。

  • アーバンアート論A[Urban Art A]

  • 難しいことはわからないけれど面白い。
    存在についての議論が面白い。存在については、それが存在しているという事実性を記述することしかできない。だからその裏に存在物を存在させる絶対的存在が存在するかどうかなんてわからない。逆に、存在しないということも言えない。この議論がなんだか、オカルトをめぐる議論みたいで面白かった。
    科学的にオカルトを完全否定できない以上は、それが嘘だとも言い切れない。だから科学がそれを安易に否定した時点で、科学が宗教になってしまう。
    現代がいかに科学という宗教に洗脳されているかがクールに理解できる一冊。

  • ここ数日繰り返し読んでいた本。印象としては、ロマン主義のSF的な再来。フランス現代思想と言われてイメージされる文学的な文体、美文家というわけではない。明快な論理構成と想定反論に対する応答で進む。とはいえ、しょっちゅう筆が滑っているな、とおもった。特に現代哲学の宗教化や、ハイパーカオスの語り、最終章などが。内容にとしては、相関性の絶対化=主観主義的形而上学、けれども相関性の事実性の絶対化はそうでない、という議論があまり納得いかない。主観的観念論者と相関主義者のやり取りを想定して導かれる、彼らの背後にある偶然性の必然性、という話もあまり納得いかない。ただ、結論はともあれ分析/図式化としてはとても明快で刺激的だし、勉強になった。

  • 試し読みで一章だけ見てみたが、ちょっと的を外している感じがある。

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著者プロフィール

カンタン・メイヤスー(Quentin Maillassoux) 1967年生まれ。パリ第一大学准教授。著作に、Le Nombre et la sirène: Un déchiffrage du Coup de dés de Mallarmé(2011)、Métaphysique et fiction des mondes hors-science(2013)など。

「2016年 『有限性の後で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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