ベンヤミンの歴史哲学 ミクロロギーと普遍史 (関西学院大学研究叢書)

  • 人文書院 (2023年3月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (356ページ) / ISBN・EAN: 9784409031209

作品紹介・あらすじ

〈個物の救済〉からすべての人間を言祝ぐ〈真の普遍史〉へ



「歴史」に翻弄された思想家ベンヤミンは、「歴史」をどう捉えていたのか――ドイツ精神史との対話、同時代人との対決のなかにベンヤミンの思考の軌跡をたどり、その未完の「歴史哲学」の核心に迫る。「些末なものへの畏敬心」を胸に〈真の普遍史〉を追求した思想家の姿を、新たな角度から描き上げた画期的論考。



「人類史は破局の連続であり、そのなかではたえず瓦礫と髑髏が生み出され、それらは物言わぬ口でこの世の歴史の儚さを告げているが、しかしまさにこの破局のなかで生み出されたものこそが、破局の連続の断ち切られた世界を、「メシア的な世界」を、「普遍史」を想像するための縁となる」(本書より)



◎目次



序論

一 「神は細部に潜む」――ベンヤミンのミクロロギー

二 「文学は歴史の感覚器官となる」――批評家ベンヤミンの歴史哲学

三 ベンヤミンの「歴史哲学」とは何か

四 マルクス主義のラビ、文化学とミクロストリアの先駆者としてのベンヤミン

五 ミクロロギーと普遍史――章構成



第一章 形態(ゲシュタルト)と歴史――ベンヤミンのグンドルフ批判

一 ゲシュタルトとは何か

二 グンドルフのゲシュタルト理論

三 ベンヤミンのグンドルフ批判――『ゲーテの親和力』

四 ゲシュタルトと歴史――ゲーテの「形態学」をめぐって

五 グンドルフ批判から歴史の「方舟」の建造へ



第二章 文献学と歴史――グリムからベンヤミンへ

一 パリンプセストの解読

二 ドイツ文献学と「些末なものへの畏敬心」

三 古ドイツの森の測量術――グリム兄弟とA・W・シュレーゲル

四 ドイツ文献学の境界画定――ヤーコプ・グリムとシェーラー

五 境界領域への眼差し――ベンヤミンとグリム兄弟

六 灰の文献学



第三章 寓意(アレゴリー)と歴史――ベンヤミンにおける「救済史」の理念

一 自然史と救済史――『ドイツ哀悼劇の根源』における二つの理念

二 アレゴリーと象徴――一八〇〇年頃の美学言説

三 髑髏と神像――ベンヤミンのアレゴリー論

四 受難史から救済史へ――復活のアレゴリー

五 救済史から普遍史へ――「歴史の天使」の眼差し



第四章 原型と歴史――ベンヤミンのクラーゲス読解

一 原型論とミクロロギー

二 遠さとイメージ――ベンヤミンのイメージ論(1)

三 イメージの現実性――クラーゲスのイメージ論

四 写像の読解――ベンヤミンのイメージ論(2)

五 原型と歴史

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著者プロフィール

【著者】宇和川雄(うわがわ・ゆう)
1985年愛媛県松山市出身。京都大学文学研究科博士後期課程を出た後、『ミクロロギーと普遍史――ベンヤミンの歴史哲学』で京都大学博士号(文学)を取得。現在、関西学院大学准教授。専門はヴァルター・ベンヤミンと近現代ドイツ語圏の文学・思想。主要論文に、「文献学と歴史――グリムからベンヤミンへ」(日本独文学会『ドイツ文学』146号、2013年)、「聖槍としての貨幣――ジンメルの貨幣論における「非人格性」の概念について」(日本独文学会研究叢書128号、2017年)、共訳書に、ジュビレ・クレーマー『メディア・使者・伝達作用――メディア性の「形而上学」の試み』(晃洋書房、2014年)、シュテファン・ツヴァイク『聖伝』(幻戯書房、2020年)がある。

「2023年 『ベンヤミンの歴史哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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