公共空間の政治理論

  • 人文書院 (2007年8月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784409040898

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  • 本書では「公共空間」を「誰かと会って、何かを相談したり、議論したり、決めたりするためだけでなく、ただ意味もなく雑談したりするためには、気軽に出会うことのできる空間がなくてはならない」(p.2)と定義し「本書で考えてみたいのは、共通世界としての公共空間が何かということであり、また同時に、そうであるならどうしたらよいのか、ということ」(p.4)だという。
     公共空間は「公権力の空間と、拘束下へ組み入れられた私的空間との狭間に生じた無人の空間、いわば埒外の空間」(p.118)であり、「語り、書き、あるいは歌い、歩き、バリケードを構築するというようにさまざまな表現行為と対話が自然発生的に沸き起こり、意思表示する場」(p.118)だという。この「体制の隙間に生じた綻びの地点」は、代議制民主主義とも官僚主義を土台とする既存の体制内に組み入れられた共同性とも異なる共同性が立ち現れる地点だという(p.118)。
     しかし公共空間は、資本主義的市場の拡張によって商品化されていく(p.73)。さらに均質化された空間は、恐怖から異物を排除し、ゲート・コミュニティのようなあらたな境界を生み出す(p.185-)。これ対し著者は、「均質化の隙間」を隙間のままにしておくことの重要性、政治的活動を説いている(p.207)。それが具体的にどのような活動なのかは正直理解が及ばず、判然としなかった。あるいは「今はとにかく、均質空間の出現を前にして、危機を大声で叫ぶとか、逆にシニカルな傍観者になるのではなく、耐え難いものの現われとしての行為と、それが隙間に創出するやりとりの空間を、どれだけささいで脆弱なものであっても支えていこうとすることが必要」「来るべき公共空間の創出の試みは、これらのささいな空間の根底にある共有のものをみいだそうとするところから始まる」(p.234)ともいう。しかし「支える」「みいだす」とは、具体的にどういう「政治的活動」なのか。理解力が足りず、よくわからなかった。抽象的議論をしている本書に具体的なことを聞くのは筋違い、なんだろうけど。

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著者プロフィール

【訳者】篠原 雅武(しのはら・まさたけ)
1975年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定准教授。著書に『公共空間の政治理論』(人文書院、2007年)、『空間のために』(以文社、2011年)、『全‐生活論』(以文社、2012年)、『生きられたニュータウン』(青土社、2015年)、『複数性のエコロジー』(以文社、2016年)、『人新世の哲学』(人文書院、2018年)『「人間以後」の哲学』(講談社選書メチエ、2020年)。訳書に『いくつもの声』(ガヤトリ・C・スピヴァク著、共訳、人文書院、2014年)、『社会の新たな哲学』(マヌエル・デランダ著、人文書院、2015年)、『自然なきエコロジー』(ティモシー・モートン著、以文社、2018年)、『ヒューマンカインド』(ティモシー・モートン著、岩波書店、2022年)など。

「2024年 『一つの惑星、多数の世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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