自伝小説 まだらの鳥 自伝小説

  • 人文書院 (1997年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (210ページ) / ISBN・EAN: 9784409140475

感想・レビュー・書評

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  • ちょうど『赤毛のハンラハンと葦間の風』を読んでいる時に古書店で発見。ビビッときた。
    カバーを飾るケルトの組紐文様が神秘的で素敵。

    「自伝小説」とのこと。生前に発表されたことはなく、著者はある時この仕事を「放棄」したらしい。ということは未完成と言ってよさそう。それでも(何をもって完とするかによるけど)読んでみると大枠はできているように思うし、ところどころのディテールにハッとさせられるものを感じることも。
    遊び仲間や漁師が語る隣人たちの夢と、それが実在しない現実世界を背景に、マイケルが父やキリスト教に覚える反発がやるせなく哀しい。マーガレットの拒絶の言葉に、その反発の負の側面がまざまざと示されているあたり、著者自身の諦観が濃くもある。導き手のマクレーガンは再会後にさっそく胡乱さを増していくし、主義主張の違いはすでに芽を出しているし、執筆にあたってはなかなか忸怩たるものがあったのでは……。『魔法: その歴史と正体』に出ていた悪徳錬金術師の言い分を思い出してしまう。資金が必要なのはまあわかるのだけど釈然としない。ちなみに作中の描写だけ見ると、マイケルが自分で稼いでいないらしい点もなかなか胡乱。実際は執筆活動の傍らだったんだろうか。
    マイケルがマクレーガンと袂を分かち、東方へ旅立つところで幕。思想や芸術の面で東方に接近していくということかな。もしかしたら『鷹の井戸』の源流がここなのかも。

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