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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784409140673
作品紹介・あらすじ
授乳はいつから母の仕事になったのか?
乳母、この忘れられた存在から見えてくる驚きの社会文化史
自らの子どもに母乳を飲ませること、現代では自明となったこの行いが定着するまでの歴史はそう単純ではない。本書ではヴィクトリア朝イギリスを舞台に、いまでは忘れられた「乳母」という存在を切り口に、さまざまな社会的、文化的事象を分析。女王から労働者階級、現実社会から文学作品まで、そして乳母の復活ともいえる現代の母乳ビジネスまでをも視野に入れた考察は、数々の母性神話、育児神話を見直すきっかけとなるだろう。日本近世近代の育児論を分析した補論も収録する、注目の研究成果。
「授乳という行為の目的はただひとつ、赤ん坊に栄養を与え成長させることである。それは現在では、産みの母が行うのが当然で自然であると多くの人が考えている。しかし、この明白な目的と担当者をもつようにみえる行為は、社会や文化による介入を受け、現実には予想通り実行されるものではなくなるようだ。本書では、「乳母」という授乳を職業とした存在を切り口に、授乳をめぐる絡み合った事情に分け入って多角的に検討し、授乳の文化性を明らかにしたい。」(本書より)
感想・レビュー・書評
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19世紀イギリスでの乳母について解説した本。他の時代・地域については、ほとんど言及は無い。狭い範囲を深堀りするタイプの本。
この時代だと、基本的に授乳は自ら行ったほうがいいと考えられている。乳は血液から作られているため、乳母を雇うということは下賤な血を我が子に与えると同義であると考えられていたからだ。しかし現実はそう単純ではない。体質や病で自ら与えたくても与えられない人や、体型が崩れることを嫌って与えない人がいる。しかし、粉ミルクが無い時代、赤子を育てるには乳を与えるのが最善だ。なので乳母の需要はまだあったわけである。
この乳母という職で一番問題となるのが、乳母の実子の扱いだ。乳の出る乳母には当然赤子がいる。しかし乳母の乳を雇い主の子に与えるならば、乳母の子はどうなるのか。乳を奪われた子は当然死ぬ。この時代の乳母は住み込みが基本であり、子供を連れてくることはまずできない。なので乳を与えられず栄養不足となった乳母の子は死ぬのだ。乳母というシステムは、臓器売買に近いのかもしれない。それも生きている人から取り出すような。 -
東2法経図・6F開架:385.2A/N31u//K
著者プロフィール
中田元子の作品
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