胸さわぎの鴎外

著者 :
  • 人文書院
3.00
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409160954

作品紹介・あらすじ

古今東西の文学を縦横無尽に論じる、比較文学者西成彦による満を持しての鷗外論。戦時性暴力を静かに断罪する『鼠坂』、性欲処理に悩める男を描いた『舞姫』、民衆の語りを政治の語りに変えてみせた『山椒大夫』など、人間の身勝手さ、残酷さ、恥ずべき側面を、鷗外は見逃さない。魅力的な素材であったのだ。近代の申し子ともいうべき鷗外の冷徹なまなざしが明らかになる。その視線の下で恥じ入るべきは、レイプされた植民地の女や徴兵逃れの罪をおそれる移民の老婆ではなく、植民地帝国の男たち、そして恥を直視できない「腰砕け」のわれわれなのだ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 鼠坂を読もうと思った。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化博士課程中退。立命館大学先端総合学術研究科名誉教授。
専攻は比較文学。ポーランド文学、イディッシュ文学、日本植民地時代のマイノリティ文学、戦後の在日文学、日系移民の文学など、人々の「移動」に伴って生み出された文学を幅広く考察している。
主な業績に『声の文学―出来事から人間の言葉へ』(新曜社、二〇二一年)、『外地巡礼―「越境的」日本語文学論』(みすず書房、二〇一八年)、『バイリンガルな夢と憂鬱』(人文書院、二〇一四年)、『ターミナルライフ 終末期の風景』(作品社、二〇一一年)『世界文学のなかの『舞姫』』(みすず書房、二〇〇九)年、『エクストラテリトリアル 移動文学論Ⅱ』(作品社、二〇〇八年)などがある。

「2022年 『旅する日本語 方法としての外地巡礼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西成彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×