テレビ番組海外展開60年史 文化交流とコンテンツビジネスの狭間で

  • 人文書院 (2017年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (426ページ) / ISBN・EAN: 9784409230572

作品紹介・あらすじ

1960年代初頭、草創期にあった日本のテレビ放送業界から番組が細々と輸出され始めた。それから60年、アニメのみならず、多くのドラマ、バラエティ、ドキュメンタリーが海を渡って行ったが、そこでは期待、挑戦、挫折が繰り返されて来た。日本のテレビ番組の海外展開が辿った波瀾の道のりを、膨大な資料探索、関係者への調査によって初めて体系的に解き明かす、メディア史における第一級の資料にして画期的労作。



【本書に登場するテレビ番組】


風小僧、私は貝になりたい、シャボン玉ホリデー、老人と鷹、隠密剣士、鉄腕アトム、源氏物語、水戸黄門、8時だョ!全員集合、サインはV、仮面ライダー、水滸伝、アルプスの少女ハイジ、Gメン’75、グレンダイザー、赤い疑惑、一休さん、君は明日を掴めるか、ボルテスV、西遊記、燃えろアタック、シルクロード、わくわく動物ランド、おしん、風雲たけし城、東京ラブストーリー、アジアバグース!、TVチャンピオン、パワーレンジャー、料理の鉄人、ポケモン、二千年の恋、Hero、半沢直樹、その他多数

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/784549

  • 日本のテレビ番組の海外展開の歴史。コンテンツの内容だけでなく、政治状況、ビジネス的採算、権利処理、文化の違い等の様々な要素がコンテンツ流通に影響している。
    ・60年代、海外で日本のテレビ番組の存在感は薄かった。その中で早くから販売されていた分野はドキュメンタリー。文化の違い自体を題材にしているため受け入れられやすかった。この時期は番組交換など文化事業としての側面が強かった。
    ・70年代にはテレビ映画とアニメの販売。アニメは舞台や登場人物に日本的要素が少なく、外国で受け入れられやすかった。またテレビ映画は、権利処理が劇場用映画と同じ扱いなため、放送用ドラマより海外に売りやすかった。BBCで放映されたテレビ映画が「水滸伝」「西遊記」、ヨーロッパに受けたアニメが「家なき子」「ハイジ」等、日本以外の原作によるものである点も注目。
    ・80年代には日本のドラマ等が海外で売れ始め、海外番組販売は10億円に達する。「おしん」は内容だけでなく、国際交流基金の援助により発展途上国に対して無償で提供されたことによりブームとなった。イランでも人気があったというのが面白い。ただし国や地域により日本番組の受容には温度差。中国との共同制作も行われる。
    ・初期から日本の番組への需要が高かった層としてハワイの日系人がいる。1967年日本語テレビ局KIKU-TV開設。80年代にはこれに代わりケーブルテレビが日本の番組を放映する。これらへの番組提供は一般の海外販売と異なり、文化交流あるいは日系人への福利厚生という位置づけで、権利者にもこの認識が共有されていたことにより権利処理において特例が認められていた。
    ・80年代まで文化発信の側面が強かった海外番販は、90年代になるとビジネスの対象として総合商社等が参入するようになる。1990年にMICO(国際メディアコーポレーション)設立→赤字で20年程度で撤退。1997年に住友商事の肝煎りで日本番組専門衛星放送JET設立→1999年事業大幅縮小。
    ・90年代にはアイドルドラマ(トレンディードラマ)がアジアで広く視聴される。香港の衛星放送サービス・スターTVへの販売を機に、日本の放送事業者と権利者団体との間で海外への販売に関する権利使用料の協定が設けられた。また一部のバラエティ番組も、番組自体のほかフォーマット販売という方法が売られた。人気の一方で海賊版の跋扈にも苦しむ。
    ・00年代、韓国ドラマの台頭。無料配布による積極的な売り込み、幅広い年齢層に共感されうる内容、なにより権利処理の使い勝手の良さ等で韓国ドラマに優位性があり、日本は競争力を失っていく。
    ・10年代、政府によるコンテンツ展開支援が盛んになる。2013年にはHello!JAPANという日本専門のテレビチャンネルがシンガポールで開設。しかしコンテンツが集まらず2年で消えた。

  • 東2法経図・開架 699.21A/O11t//K

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784409230572

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著者プロフィール

【著者】大場 吾郎(おおば・ごろう)
佛教大学社会学部教授(映像メディア産業論、コンテンツビジネス論)。慶應義塾大学文学部(社会学専攻)卒業後、日本テレビ放送網株式会社入社。2001年退社後、ミシガン州立大学で修士課程、フロリダ大学で博士課程を修了。京都学園大学人間文化学部専任講師,佛教大学社会学部准教授を経て現職。ニューヨーク大学スターン経営大学院客員研究員(2013~14年)、放送サービス高度化推進協会番組審議会委員などを務める。単著に、『グローバル・テレビネットワークとアジア市場』(文眞堂、2008年)、『アメリカ巨大メディアの戦略』(ミネルヴァ書房、2009年)、『韓国で日本のテレビ番組はどう見られているのか』(人文書院、2012年)、『テレビ番組海外展開60年史』(人文書院,2017年)。共著に、『図説日本のメディア』(NHK出版、2012年)、『コンテンツビジネスの経営戦略』(中央経済社、2017年)、『放送コンテンツの海外展開』(中央経済社、2021年)など。

「2024年 『戦後期渡米芸能人のメディア史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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