貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか

  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409240847

作品紹介・あらすじ

格差、貧困、福祉、労働…、いま日本において緊急かつ最重要の問題をめぐる、ベテランと新鋭、二人の経済学者による白熱の対話。徹底した議論の先に見える未来とは何か。

感想・レビュー・書評

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  • ベーシックインカム勉強してます。
    この1カ月半仕事で死にそうな感じやったんですがなんとか再開。
    まだベーシックインカムは研究段階で制度設計が曖昧です。
    卑近な例でいうと金持ちにも月○万円払うのかって感情的なところから年金をどうするのかという制度的なところまで。

    これからの社会保障をどうするか
    仕事を通じてどれだけ考えられるか。
    もう少し心身を削りながら頑張ります(笑)

  • 対話形式で書いてあるため、非常にサクッと読める。
    門外漢が読めば、非常に新しい(??)考え方が二人の異なる立場の研究者の視線から論じられていて、中々面白い。

    個人的には、国民年金の財源を完全に消費税化する、という話は目からうろこ、という感じであったし、消費税率を50%以上にして実施するベーシック・インカムという考え方も斬新そのものであった。
    ドイツのとある資本家に至っては、税体系を消費税にほぼ一本化し、法人税も無くしてしまえ、と言っている。結局あらゆる税金は最終的に消費者に転嫁されている。だから税金は消費税に一本化し、その消費税を財源にして生活保障についてはベーシック・インカムを導入し、最低賃金などはどんどんなくしていこう、というのだ。なんとも、なんとも、個人的には斬新であった。

  • ここのところ、ベーシック・インカムに関する本を読んでいることもあり、この本も、ベーシック・インカムの本かと思い、手に取ったところ、ベーシック・インカムについて述べているのは、4章のうち、最後の第4章だけで、あとは、社会保障の話でした。

    とりあえず、現代日本(といっても10年以上前の本ですけど)の抱える社会保障に関する問題を概観するにはよい本だと思います。
    が、日本の社会保障は、つぎはぎだらけなので(他の国も、北欧を除けば、似たり寄ったりのところが多いようですが)、問題解決に向けて手をつけるとなると、なかなか厄介そうです。

    とはいえ、ベーシック・インカムは、うまく導入すれば、社会保障の方向修正に有効な気がします。
    社会保障も経済もわかる政治家の出現と、その政治家による、日本の社会保障を大きな改善を期待したいと思います。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000602646

  • 社会保障改革か、ベーシック・インカムかで対立しているわけでなく、専門家同士の各論といった趣。

    ベーシックインカムについて、他の本で勉強しないと読んでも意味が無いかと思われる。

  • タイトルの問いに対する解答のヒントより、既存の制度の欠陥や特徴についての説明の方がためになった感じ 最初の方はアカデミックな話ばかりで読むのが大変かも

  • ベーシックインカムとは
    おとなも、こどもも、おねえさんも一定金額を国からもらえるよという制度だ
    ベーシック=基本的な インカム=収入
    つまり生きていく上で最低これだけあればどうにか生きてはいけるんじゃない?
    という金額をすべての国民に保障するということだ

    一方で社会保障とは、いいかえるとセーフティーネット
    セーフティ=安全 ネット=網
    つまり生きていく上で病気になったり、失業したり、といったものにつまずいた時に
    ちゃんと社会に復帰できるような安全な網を用意しておくということだ
    具体的には失業保険、健康保険などなど色々

    どちらも格差社会における貧困層をどうにか人並みの生活にできないか
    一度の失敗で貧困層まで転げ落ちることがないようにできないか
    そんな考えのもとに作られたシステムだ

    これからの日本はどこへ向かうのか
    格差社会をキーワードに考える一冊

  • 県立図書館。再読。

  •  「貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか」という長いタイトルの本は、橘木先生とベーシック・インカムで有名な山森さんの対談をまとめたものだ。格差問題と経済学、福祉と制度の経済思想、ベーシック・インカムというテーマを網羅している。橘木先生の率直な人柄と山森さんのつっこみのバランスがいい。とても読みやすく、面白い本になっている。(大竹文雄ブログ:2009/11/24)

  • シンポジウム「ベーシック・インカムは市場社会に人間の尊厳を取り戻せるか」(http://femixwe.blog10.fc2.com/blog-entry-139.html)の会場入口で、「山森亮さんのインタビュー掲載号です!本屋では手に入りにくい雑誌なのでこの機会に」とかなんとか言って売った『We』162号は、ありがたいことに持っていった25冊を完売!!

    持っていった『We』が全部売れるのは、私には初めてのことである。「荷物が軽くなった!ぜんぶ紙のお金になったー!」と私はウキウキと高揚して、隣の机で売っておられた人文書院の新刊(昨日発売で、本屋にもまだ並んでいないという)『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』を買った。山森さんと、橘木さんの対談集である。

    帰りに、駅のホームで電車をまつ間、ぴらっと読みはじめたら、これがおもしろい。目に大変悪いのはわかっていながら、帰りの電車でずっと読みつづけ、半分くらいまで読んでしまった。

    昨日は、ベルギーから一時帰国していた友だちと会い、一緒にご飯を食べて、夜中に帰り、それから布団の中でまた少し読み、今朝起きてから読み終えてしまった。

    ちょっと込み入って難しいところもあったけど、
    めっちゃおもしろかった。

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著者プロフィール

京都女子大学客員教授,京都大学名誉教授
1943年兵庫県生まれ。
小樽商科大学,大阪大学大学院を経て,ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授,同志社大学教授を歴任。元日本経済学会会長。
専門は経済学,特に労働経済学。フランス,アメリカ,イギリス,ドイツで研究職・教育職に従事するとともに,日本銀行,経済産業省などで客員研究員を経験。
和文,英文,仏文の著書・論文が多数ある。
〔主要近著〕
『日本の構造:50の統計データで読む国のかたち』(講談社,2021年)
『教育格差の経済学:何が子どもの将来を決めるのか』(NHK出版,2020年)
『“フランスかぶれ”ニッポン』(藤原書店,2019年)
『日本の経済学史』(法律文化社,2019年)
『21世紀日本の格差』(岩波書店,2016年)
『フランス産エリートはなぜ凄いのか』(中央公論新社,2015年)

「2021年 『フランス経済学史教養講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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