日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか

  • 人文書院 (2011年9月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784409240922

作品紹介・あらすじ

急速に厳罰化する日本の著作権法、その変容の経緯と関わる人びとの思惑を丁寧に追い、現状に介入する痛快作。

みんなの感想まとめ

著作権の厳格化とその背景に迫る本書は、法律の変遷や関係者の思惑を詳細に描写しています。特に、各委員会でのやりとりや、著作権の改正動向についての考察が印象的で、著作権についての理解を深める手助けとなりま...

感想・レビュー・書評

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  • 津田大介さんの著作で触れられていたので読んでみました。
    著作権が使いにくい形になっていく点を各委員会でのやりとりを踏まえているものです。あと海外での海賊版の研究も読み応えがありました。この本を読んでいると先進国以外で映画や音楽、ソフトウェアで正規版を購入するのが意外と難しいことがわかりました。
    著作権って何だろう・・・という方にはちょっときついかもしれませんが、なんで無許可でアップされている動画をダウンロードすることが急に刑事罰が付加されることになったの?といった著作権の改正動向に関心を持つ方にはお勧めですね。

  • ふむ

  • 研究室にも蔵書有り。

  • 山田の著作権についてもっとも自分の意見を書いてあるものである。審議会についてほとんど他の書籍では書かれていない委員の発言を多く記載してあるところに特長がある。さらに法律についても詳細に記載している。残念なことは2011年と今から10年以上も前の本であるために、その後の変化でもっと厳しくなった著作権についての説明が欲しい。
     情報倫理についての必読書であろう。

  • 本当に今さらながら拝読したが、これはやばい、たぎる。特に第4章、ダウンロード違法化にまつわる小委員会のやり取りのドラマチックさ。海堂尊の小説を思い出した。魅き込まれる筆致、しかしフィクションである海堂本のほうが心に迫るのはこれがフィクションでないが故のいわゆる「正常性バイアス」なのだろう(興味を持ってこの分野をウォッチしている私にとってすら、だ)。いや、この文章力の高さであればむしろフィクションとして書かれたほうがより民心を掴めたのではないか?と思えるほどに。専門書と思って積ん読していた自分を責めたい。明らかにこれは「文芸」だ。そして、それは100%褒め言葉としての。

  • 本書で語られる、ダウンロード違法化の制定に至る過程は確かに絶望的だ。違法ダウンロードに断固とした対応をとりたいが、録音補償金の徴収額をどうしても減らしたくない権利者団体。補償金の支払いを肩代わりさせられたくないメーカー。具体的な数字もないのに自説のみに固執する学者。そして何の後ろ盾もない消費者。委員会では各代表が自身の権利と消費者に背負わせる義務を声高に主張するばかりで、どこにも何の科学もなく、最後は期限になって慌てて帳尻だけを合わせるという、合議制の醜悪さが詰まった惨状には目を覆うばかりだ。
    だが、だからといって、こんな怨嗟に満ちた乱暴なタイトルにしていいというわけではない。タイトルのみを見て本書を手に取る人が期待するような海外各国の統計データどころか、条例の比較すら存在せず、ただ日本の現状を憂うばかり。『海賊版は、市場創造力によって長期的には権利者に利益をもたらすことも否定しきれない』という一文に表れている通り、論拠とする科学が失われたまま自身の利となる論を支持するようでは、ダウンロード違法化を後押しした委員会の判断を批判する資格はない。
    社会科学はまだまだ発展途上にあり、政治がこれに追い付くにはしばらく時間がかかりそうなのはしょうがないとしても、せめて反論する側に立つ際は、客観的に判断可能な科学がある論が構築されることを望む。

  • 著者:山田奨治(情報学)
     BLOG http://yamadashoji.blog84.fc2.com/

    ※TPPに関係する続編も。
    『日本の著作権はなぜもっと厳しくなるのか』(人文書院 2016.04.19)
    https://booklog.jp/item/1/4409241087

    【簡易目次】
    第1章 パクリはミカエルの天秤を傾けるか?
    第2章 それは権利の侵害です!?
    第3章 法律を変えるひとびと
    第4章 ダウンロード違法化はどのようにして決まったのか
    第5章 海外の海賊版ソフトを考える
    第6章 著作権秩序はどう構築されるべきか

  • 他の類書とは異なる裏話的内容に非常に興味が持てる。
    以前から漠然と感じている、現在の著作権法の延長ではなく、何か根本的な解決が必要なのではないかという考えを更に強めた。
    現実には難しいのだろうとは思うが。

  • 021.2||Ya

  • 第四章は圧巻。第五章では海賊版に一つの意義を認める意見。日本では今後再び使用者数が多くなるのではないかという危惧もわいてきたが。

  • ダウンロード違法化は話題になったが、この法律がいかに成立したのかを私的録音録画小委員会の議事録から解きほぐした第4章が面白い。私的録音録画補償金制度の抜本的な見直しが、利害関係者の対立によって潰されていくなかで、ダウンロード違法化が落としどころになっていく経緯が語られる。

    以下、著者が示す論点である。
    ・日本の著作権はどんどん厳しくなっている。
    ・著作権法の改正にかかわっているのは、ごくかぎられたひとたちである。
    ・厳しい著作権をむやみに外国に広げることは、文化の伝播を阻害する。
    ・法改正に向けての議論は、閉ざされていく傾向にある。
    ・市民は法改正の議論に関心を持ち、発言するべきである。

  • 著作権、法律、違法ダウンロードについてと説明されている。著者自身の実体験も含まれており、非常におもしろい1冊。海賊版に関してや、著作権関連の問題の変遷などもわかりやすい。

  • 2号掲載【配置場所】工大一般図書【請求記号】021.2||Y【資料ID】91112816

  • (推薦者コメント)
    普段生活していて気づくことはないだろうが、実は日本の著作権はとても厳しい。日本の著作権のおかしさに物申す一冊。今年は違法ダウンロード刑罰化とDVDリッピングの違法化も決定し、ますます厳しくなっていくことは間違いない日本の著作権を、詳しく知ることができる。

  • 日本の著作権業界を支配する法則「被害の過大な見積もり」「強い保護だけ横並び」「権利を主張しないと損をするかもという疑心暗鬼」…日本では形のないものの価値をあまり認めないというような話もあったけれども、形のないものに対するバランスのよい権利主張もうまくできないのではないかと感じました。

    ダウンロード違法化の議事録を読み解くくだりはとても面白い。この議事録って今でも見られるのでしょうか。

  • ぼくがいま働いているところにも関係が(それはもう)あるだろうし、ぼくが好きなあれやこれやについても深く根をおろしている問題でもあるだろうし、ただ、そういうことはつねづね思うに思ってそれでおしまい、だったのだけれど、せっかくこういう本が出ているのならば、まずは手に取ってみるべきで、そうして良い印象だったから買えば良いのだけれど、なかなか他にも誘惑は多く、で、調べてみたら図書館にあったので「借りて」読んだ。そうやって読んで、とても得るものがあったと思い、この本を書いたひとに感謝の気持ちのようななにかしらを送りたいのだが、どうやら今のところテレパシーでしか伝えれないようなのだ(そしてそれはまだ科学的に実証されていないとか)。そういうことについてもこのひとにはいろいろと教えてもらいたい気持ちになる、と考える。

  • ★★★とはしたものの、近年の日本の著作権を知るために大変参考になる本。文化審議会著作権分科会の議事録の解説もあり、権利者側の利益がなし崩し的に認められてきたさまを垣間見ることができる。これがたいへんに興味深い。また、海賊版が果たしてきたプラスの役割にも触れられている。

  • 自分たちの知らない所で次々に法改正がなされている著作権の実態を知ることができた。特に興味深かったのは第3章と4章。数少ない利用者側代表・津田さんの奮闘ぶりを様々な議論のやり取りから知ることができた。

  • 著作権の改正の実施され方からいろいろと勉強になる本。

    映画館で必ず見かける「映画泥棒」の成立についても書かれていてなるほど!という感じ。

    ダウンロード違法化の成立については一番ページ数をさいているが、淡々と議事録を追いかけており、特別筆者の意見を前面に出してはいない。ただ、著作権の改定の流れの中でどのように決まってしまったかが記録されている。

    どこかで「買ったCDを家と車で聴きたいなら2枚買え」と言った人がいたとかいないとか聞いた覚えがあるけれども、そんな人が会議にはいるんだなぁ、と漠然と感想をもった。

  • 「文化の発展に寄与することを目的とする」はずの著作権が、市民の知らないところで決定され、必要以上に強化され、利用者に不自由を生み出していることを問題視する本書。著者の視点が利用者側に偏っているものの、権利者側の意向に沿いながらパッチワーク的に改正されてきた現行の著作権法の問題点がよく書かれている。

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著者プロフィール

1963年、大阪市生まれ。国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授。専門は情報学と文化交流史。筑波大学大学院(修士課程医科学研究科)修了。京都大学博士(工学)。(株)日本アイ・ビー・エム、筑波技術短期大学助手などを経て現職。著書:『禅という名の日本丸』(弘文堂、2005)、『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(人文書院、2011)、『東京ブギウギと鈴木大拙』(人文書院、2015)、『著作権は文化を発展させるのかーー人権と文化コモンズ』(人文書院、2021)ほか多数。

「2024年 『新版 〈海賊版〉の思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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