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- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784409240953
感想・レビュー・書評
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タイトルのとおり、『闇金ウシジマくん』を社会学的観点から研究してみるという面白い趣向の本である。
『磯野家の謎』を筆頭としたかつての「謎本」の系譜につらなるものとも言えるが、もっと本格的だ。なにしろ著者自身が社会学者(関西学院大学社会学部教授)だし、片手間のやっつけ仕事という感はなく、けっこう本気で書いている。「謎本」にありがちだったおちゃらけは一切なしで、ごく真面目な研究書でもある。
「謎本」ブーム以降に登場したマンガ研究本には粗製濫造のひどいものも多かったが、本書はていねいな作りで好感が持てる。原作へのリスペクトもしっかり伝わってくるし。
『闇金ウシジマくん』は現代社会の病理と闇を、綿密な取材もふまえて多角的に描いた作品であるわけで、考えてみれば社会学を学ぶ素材にふさわしい。その意味で、本書は「コロンブスの卵」的な好企画だと思う。
社会学入門として十分有益だし、随所で関連書籍が紹介されるので社会学ブックガイドとしても使える。また、『闇金ウシジマくん』という作品の魅力をより深く理解できる本でもある。
ただ、作品のセリフやシーンの引用が山のように出てくるので、『ウシジマくん』をずっと読んでいる人でないと、本書の内容は半分くらいしか理解できないだろう。なので、作品を読んだうえで手を伸ばすべき本だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示