思想としてのミュージアム: ものと空間のメディア論

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  • 人文書院
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409240991

作品紹介・あらすじ

博物館や美術館は、〈もの〉が展示されているだけの透明な空間ではない。それは社会に対してメッセージを発信し、同時に社会から読み解かれる、動的なメディアである。しかし、これまでミュージアムは主に展示する側の視点からしか語られてこなかった。本書では、メディア論の見地からその視点の転換を試みる。歴史的な検討を踏まえながら、ミュージアムをひとつの「思想」として考察する過程からみえてくるのは、日本と西洋におけるミュージアムの成りたちの宿命的な差異と、私たちのミュージアムに対する発想自体の貧困である。本書は“ミュージアムブーム”と“ミュージアム冬の時代”を同時に経験している現代日本にとって有益な示唆を与えるだろう。日本の新しいミュゼオロジーの展開を告げる画期作。

* * *

新しい時代の新しいミュージアムのあるべき姿と進む方向が本書によってようやく明示された。(青柳正規・文化庁長官)

ミュージアムはなぜメディアなのか。歴史と理論、実践を架橋する再定義で、運営論中心の陥穽から救う。これは、博物館・美術館の解体新書だ。(吉見俊哉・東京大学大学院教授)

感想・レビュー・書評

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  • 経営論からでなく認識論から見たミュージアム。西洋からの流れも汲んだ日本の博物館史の流れも掴むことができた。ポピュラー文化を取り扱う展覧会には行くけども、あまり声を大にして言いたくないという偏見を抱えていたので特に5章、エピローグで語られた内容は目からウロコだった。

  • メディア史、メディア論的な視点からのミュージアム、博物館研究。
    博物館研究として久々に面白いものを読んだ。国内文献では初めてかもしれない。
    分野の違いかもしれないが、文献の引用や先行文献の評価にはかなり違和感を持った。
    とはいえ、国内での博物館研究としては類例のないほど優れた研究であることは間違いがない。
    著者は京都精華大学に勤めていたことがあり、同大学のまんがミュージアムに関する著作もある。そこでの経験も生かされているのだろう。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784409240991

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:069//Mu59

  • 先生の口調が端々に出る作品だった。とっても面白かった。
    とくにのめり込んでしまったのは、博物館の全体像を丁寧に追ったところ。スペクタクルと、氷河期を中心にして整理されていた本は初めて読んだので、とても参考になった。
    そこからうまれてきた思想の受け継がれ方も丁寧に記述してあって、とても好感を受けた。そのあとの「美術館について」の議論をする人が少ないというのは確かにそうかもしれない。それについてばしばしと最後まで記述されている本は珍しいので、とても参考になる。
    私も来館者研究をしながら、「ミュージアムについて」書けるようにしたいなと思った。一言来館者研究についても記述してあることがとても参考になった。

  • 美術館自体が歴史であり芸術であると思う

  • 【新着図書ピックアップ!】 
    「ミュージアムとはメディアである」
    都心にいると特に感じるが、展覧会の告知が常に目に入ってくる。海外の有名な絵画が初来日、と大々的に宣伝するとその混雑ぶりは、まるでテレビで見る初詣の境内のようだ。
    何を展示しているか、というコンテンツには考察がなされても、展示をしている「ミュージアム」そのものへの関心は薄いと著者はいう。
    ミュージアムとはただの入れ物ではない。運営され、展示を企画し、何らかのメッセージを発信している。
    本書では、西洋近代まで遡り、近代化政策として日本に導入された明治の代を経て、現代におけるミュージアムについて考えて行く。
    学芸員を目指す学生はもちろん、展覧会に足を運ぶ方も読了後は「ミュージアム」の見方が変わるのではないだろうか。
    なぜ、この展示が企画されたのか、と考えるのも興味深い。

    [New book] A museum is not just a gallery full of showcases, but a media. It has messages to transmit. Through this book, you can see how museums were put in place in Japan and what roles they have in our time.

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著者プロフィール

東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学(博士、学際情報学)。京都精華大学人文学部専任講師を経て、現在、関西大学社会学部准教授。専門はメディア論、ミュージアム研究。共著書に、『マンガミュージアムへ行こう』(岩波ジュニア新書、2014年)、『ポピュラー文化ミュージアム 文化の収集・共有・消費』(ミネルヴァ書房、2012年)、『マンガとミュージアムが出会うとき』(臨川書店、2009年)がある。

「2014年 『思想としてのミュージアム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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