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Amazon.co.jp ・本 (380ページ) / ISBN・EAN: 9784409241462
作品紹介・あらすじ
女性たちにとって人種差別運動とは何か? アメリカにおけるレイシストの実態と、それを研究することの困難とは。米国右翼運動研究第一人者の初邦訳。
本書の著者ブリーは、1920年代のKKKと現代の人種差別主義運動、とくにそこに参加する女性についての調査で知られる、アメリカ右翼運動研究の第一人者である。しかし、その研究には独特の困難が伴っている。調査対象の見つけ難さ、信頼関係構築の是非、現場にみなぎる緊張と暴力による脅し……。運動の実態に迫ると同時に、調査における数々の問題に揺れる姿を率直に論じる、貴重な研究ドキュメント。
◎目次
序章 人種差別運動を研究するということ――方法とレッスン
第一部 恐怖・スティグマ・人種差別主義者を研究することの帰結
第一章 敵を研究する
第二章 極右研究を再開した理由
第三章 白熱する調査――人種差別活動家のフィールドワークにおける感情的力学
第二部 人種差別運動を研究する方法
第四章 白人が白人に向き合う――白人至上主義女性へのインタビュー調査
第五章 凡庸な暴力
第三部 理論のレンズとテンプレート
第六章 憎悪の位置づけ
第七章 合衆国の極右とジェンダー
第八章 白人至上主義と加害者研究――方法・解釈・倫理
第四部 白人至上主義への参入と退出
第九章 一九二〇年代のクー・クラックス・クラン運動と女性たち
第一〇章 人 種差別主義者になる――現代のクー・クラックス・クランとネオナチの女性たち
第一一章 極右活動が個人に与える影響
第五部 今後の研究にむけて
第一二章 女性と組織化された人種差別テロリズム――合衆国の事例から
第一三章 極右政党および極右運動の女性たち――オランダと合衆国の比較
第一四章 空 間と秘密の二重性――一九二〇年代合衆国のクー・クラックス・クランにおける友愛主義の事例研究
初出一覧
訳者解題
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著者は1920年代のKKKから今日のスキンヘッズまで、アメリカの極右レイシスト運動に参加する女性たちを調査してきた研究者。そんな長いキャリアをもつベテランであっても、恐怖をともなうレイシストとの交渉には疲弊しきってしまい、いったんは研究の継続を断念したことさえあるという。自分自身はまったく共感できない差別主義者であり、FBIの捜査対象にさえなっているような危険な集団のフィールド調査をどう行うのか、その悩みや困難が率直に吐露されていて、若手研究者には特に役立つだろうし、専門外の者にとっても興味深く読むことができる。
もともとは若き革新的フェミニストの歴史家として、埋もれた労働運動の歴史を掘り起こそうと意欲に燃えていた著者が、女性のレイシスト運動の研究を始めたきっかけとは、昔の女性参政権運動のチラシを見ていたところ、それがKKK女性部発行のものだと気づいてショックを受けたからだという。
20年の研究を経たのちに著者は、女性たちは「なぜ」レイシズム運動に参加するのかという一般化可能な説明は困難であることを認め、「いかに」レイシズム運動に参加するのか、であれば語ることができるという。多くの人びとは個人的なつながりから運動にひきこまれ、レイシズム的見方を学習し、その結果としてさらに一般社会からの孤立を深めていくのだ。著者は、研究者である自分を不可視の存在としてしまわず、自身のもつ枠組みや感情、主観の限界にきわめて意識的で反省的だ。そこに本書のもつ大きな価値のひとつがある。
極右運動の女性たちは、たいてい、メンバーの男性の恋人として補助的役割を果たしているのだろうくらいに想像されている。だがKKKの女性たちは、自らリンチに参加しないまでも、カトリックやユダヤ人に関する悪い噂を流すおしゃべり部隊として、燃える十字架の行進の見物人になったり、日曜日の楽しいイベントを組織したりして、KKKの成功と持続に大きな役割を果たしていたのだった。
他方、ヨーロッパでは、アメリカにおける小さな非合法グループでしか活動の場が得られない女性たちが、極右政党で議員として公的に活動することもできている。こうした社会構造の変化が、レイシズムの枠組みを通したフェミニズムをどのように発展させていくことになるのか。興味深いとばかりは言っていられない恐ろしい問題でもある。 -
東2法経図・6F開架:316.8A/B56r//K
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