フロイト著作集 (1)

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  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (543ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409310014

感想・レビュー・書評

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  • 分量は多いが、論理的で読み応えがある。内容それ自体は、現代の見地からいって古いなどといわれることもあり、実際に精神医学の講義でも歴史的背景としてしか扱われていない精神分析であるが、精神分析が生まれた経緯や神経症の臨床像、論理的根拠をフロイトはこの著作において丁寧に説明し、しばしば想定される批判にみずから回答を加え、あくまで分かりやすく読み手に精神分析を伝えようとしてくれている。長きにわたり貫かれている論理を追うだけでも鍛錬になる。

  •  「『性善説』の信仰は、人間が現実には互いに傷つけ合っているにすぎないのに、それによって生活を美
    化し安易にできようかと期待するあの誤った錯覚の一つである。」(P.470)

    「自己破壊の傾向を防ぐためには他の物や他の人を破壊しないと気が済まなくなる」(P.472)

    「いわゆる唯物史観は、この因子を過小評価する点でたしかに誤ちを犯しているのです。唯物史観は人間
    の『イデオロギー』は可動的な経済的諸関係の所産ないしは上部構造にほかならないと言って、この因子
    を排除してしまいます。それは真理ではありますが、しかし恐らく真理の全体ではありますまい。人類は
    決して現在にばかり生きてはいないのです。超自我のイデオロギーの中には過去が、種族および民族の
    伝統が生き続けているのです。この伝統は現在の影響や新しい変化にはただ緩漫にしか譲歩しないのであり、
    伝統が超自我を通じて働き続けて行くかぎり、それは人間生活において経済関係に左右されない強力な
    役割を演じるのです。」(P.441 〜 2)

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著者プロフィール

Sigmund Freud 一八五六―一九三九年。オーストリアの精神科医、精神分析の創始者。モラビア地方の小都市フライベルク(現・チェコのプシーボル)にユダヤ商人の長男として生まれる。幼いときにウィーンに移住、一八七四年ウィーン大学に入り、八一年医学の学位をとる。開業医としてヒステリー患者の治療を模索するなかで、従来の催眠術と決別する精神分析療法を確立。二十世紀思想に決定的ともいえる影響を与えた。

「2019年 『精神分析学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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