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- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784409510575
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北宋期、十字軍の迫害を逃れて中国へ流れ着き、帝都・開封に土着したユダヤ人集団があった。
皇帝のお墨付きで開封に共同体を作った彼らユダヤ人たちの、その後の歴史をたどっています。
漢族社会の中でユダヤ教を信仰し続け、その一方で儒教も学んで科挙に合格し、官僚となった者もすくなくなかったようですが、それ故に中国への同化と民族のアイデンティティーの維持の板挟みに苦しみます。
イエズス会宣教師との出会いによって欧州でもその存在が知れ渡りますが、その頃には同化による共同体の滅亡の危機に。
そして現代における彼らユダヤ人の末裔たちが選択したイスラエルへの留学や移住の実態も述べられていますが、移民が味わう葛藤がよく表されています。
著者はドイツ文学とユダヤ人の歴史の研究家で、インド・ユダヤ人についての著作もあります。
しかし本来は中国史の専門家ではなく、本人も認める通り漢文の素養が無いので、中国史好きにはちょっと物足りないですね(;^_^A
中国ユダヤ人たちの伝承では、「漢王朝の時代に中国へ来た」とありますが、それを虚構と断じ、記録に現れる北宋代に来たのだろうと推測しただけで終わっています。
中国史に造詣の深い人なら、おそらくそこで言う「漢王朝」は前漢・後漢(前206〜後220年)ではなく、北宋(960年〜)直前の五代十国時代の「後漢」(947〜950年)だと推測するところですけどねw
ニン、トン♪
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