ボランティアとファシズム: 自発性と社会貢献の近現代史

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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409520772

作品紹介・あらすじ

それは自発か、強制か?
 
日本のボランティアは、東京帝大の学生たちによる関東大震災後の救護活動およびセツルメントの開設に端を発する。だが、ヒトラー・ドイツに学んだ日本国家は彼らの社会貢献を制度化し、「勤労奉仕」に組み換える形で戦時体制に取り込んでゆく。20世紀史を鏡に、私たちの自発性と強制性の境を揺さぶる渾身の書。

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  • 毎日新聞掲載2019714
    日本経済新聞掲載201983
    朝日新聞掲載2019720

  • 【書誌情報】
    著者:池田浩士(1940-)
    価格 4,500円+税
    出版年月日:2019/05/30
    ISBN:9784409520772
    版型 4-6 400ページ
    http://www.jimbunshoin.co.jp/smp/book/b451495.html

    【目次】
    序章 いまなぜ「ボランティア」なのか?
    Ⅰ 日本の「ボランティア元年」――デモクラシーの底辺で
    1 この私を待つ人たちがいる!
    2 自発性と社会貢献の歴史を見つめなおすために

    Ⅱ 自発性から制度化へ――奪われたボランティア精神
    1 発展する国家を巨大自然災害が襲った
    2 震災救護活動のなかで――ある大学生たちの歩み
    3 「東京帝国大学セツルメント」の創生

    Ⅲ ヒトラー・ドイツの「労働奉仕」――日本が学んだボランティア政策
    1 ボランティア労働とナチズム
    2 労働奉仕と自発性――そもそもボランティアとは何か?
    3 自発性とファシズム――労働奉仕が歩んだ道

    Ⅳ ボランティア国家としての「第三帝国」――結束と排除の総活躍社会
    1 国民だれもがボランティアとなる
    2 「帝国労働奉仕」の日々――数字と証言
    3 ボランティアの日々、ホロコーストへの道

    Ⅴ 「勤労奉仕」と戦時体制――日本を支えた自発性
    1 大きな目標の達成に向けて――労働が青少年を組織する
    2 銃後のボランティアたち――期待される女性と家庭
    3 大陸の花嫁、特攻隊、愛路村――戦時下ボランティアの諸相

    終章 迷路のなかのボランティア
    1 世の中がボランティアを必要とする…
    2 ボランティアの歴史と現実

  • 東京五輪への言及はあるのかな?

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    それは自発か、強制か?
    日本のボランティアは、東京帝大の学生たちによる関東大震災後の救護活動およびセツルメントの開設に端を発する。だが、ヒトラー・ドイツに学んだ日本国家は彼らの社会貢献を制度化し、「勤労奉仕」に組み換える形で戦時体制に取り込んでゆく。20世紀史を鏡に、私たちの自発性と強制性の境を揺さぶる渾身の書。
    http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b451495.html

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著者プロフィール

【著者】池田 浩士(いけだ・ひろし)
1940年大津市生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了。
1968~2004年京都大学、2004~13年京都精華大学に在職。
専門分野はドイツ文学、現代文明論、ファシズム文化研究。
主著に『ファシズムと文学』(1978年、白水社)、『虚構のナチズム』(2004年、人文書院)、『子どもたちと話す 天皇ってなに?』(2010年、現代企画室)、『ヴァイマル憲法とヒトラー』(増補版=2022年、岩波現代文庫)、『抵抗者たち』(増補新版=2018年、共和国)、『ボランティアとファシズム』(2019年、人文書院)、『池田浩士コレクション』全10巻(2004~21年、インパクト出版会)。

「2024年 『福澤諭吉 幻の国・日本の創生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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