共産党の戦後八〇年 「大衆的前衛党」の矛盾を問う

  • 人文書院 (2025年5月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784409520956

作品紹介・あらすじ

党史はどう書き換えられたのか?



――スターリニズム研究の第一人者が「党史の書き換え」を切り口に戦後共産党の理論と運動の軌跡を辿り、革命観と組織観の変遷を考察する。



本書の構成は『日本共産党の○○年』の情勢、運動、理論の系統だった叙述とは当然にも異なるが、まずは「公式党史はどう書き換えられたか」を検討し、戦後共産党史の問題点を整理することから始めた(第一章)。従来気づかなかった、加除修正された史実もあるが、重要なのは、この党の革命観と組織観の変化を跡付け、綱領論争を見直し、「自主独立」と「民主集中制」の実態を問うたことである。自分の属した『現代の理論』グループについても反省を加えている(第二、三章)。第四章は、新左翼諸派も「反スターリニズム」を掲げながら、革命観と組織観を受け継ぎ、内ゲバと暴力的査問に走ったことに対する考察である。補章は、日本のソ連論とスターリン観を歴史的に(戦前も含めて)再構成し、自分の研究の足跡、本書執筆に至るライト・モチーフを示したものである。(「はじめに」より)



○目次

第一章 公式党史はどう書き換えられたか

第一節 徳田・野坂・袴田らの描き方 

第二節 「自主独立」への長い道 

第三節 宮本・不破「主流派」の思考様式 

第四節 不破による伝統修正と科学的社会主義 

第五節 二○二○年新綱領の教条と新味 

コラム① 上田の『戦後革命論争史』 



第二章 一九五〇年分裂と六全協

第一節 戦後民主化と平和革命論

第二節 コミンフォルム批判と党分裂 

第三節 朝鮮戦争と講和・安保条約 

コラム② 知られざる労働者党員 



第四節 党分裂下の大衆運動 

第五節 五一年綱領と六全協 

コラム③ 指導者の呼び名と綽名 



第三章 第七~八回党大会の綱領論争

第一節 フルシチョフ報告と内外の議論 

第二節 綱領論争と党内グループ 

第三節 「自由論争」から組織的締め付けへ 

コラム④ 上田・不破の再度の「自己批判」 



第四章 スターリン批判と日本の新旧左翼

第一節 トロツキー史観と溪内史学 

第二節 新左翼運動から無党派の時代へ 

第三節 「新日和見主義」と党内改革派 

コラム⑤ 島成郎さんの思い出 



補章 日本のソ連史研究と私

第一節 日本のソ連史研究概観 

第二節 私の研究 

第三節 社会主義について 

第四節 石堂清倫のグラムシ研究/佐藤経明の社会主義経済論 

コラム⑥ 「一・九会」のこと 



参考文献 …

みんなの感想まとめ

戦後の共産党史を深く掘り下げ、その変遷を探る本書は、党の公式歴史の書き換えや綱領論争を通じて、革命観と組織観の変化を明らかにします。著者は国際的な視点を交えながら、党の歴史を再考し、特に「人間の顔をし...

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:315.1A/To58k//K

  • 宮本路線確立までの道程を、国際的な観点も含めて検討する。
    私の国際共産主義運動への無知や、それに伴う綱領論争への不明瞭さが露呈しました。勉強しないと。

    こういう本の「おわりに」、著者の人柄が垣間見えて好きです。
    著者を支えたものは「キリスト教的人道主義」、「人間の顔をした社会主義」、「義を見てせざるは勇なきなり」。
    特に、「人間の顔をした社会主義」は、読んでいてもひしひしと感じた。RIP

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著者プロフィール

【著者】富田 武(とみた・たけし)
1945年福島県生まれ。
東京大学法学部卒業。
東京大学大学院社会学研究科博士課程満期退学。成蹊大学名誉教授。専門はソ連政治史、日ソ関係史、シベリア抑留。
著書に『スターリニズムの統治構造---1930年代ソ連の政策決定と国民統合』(岩波書店、1996年)、『戦間期の日ソ関係----1917-1937』(岩波書店、2010年)、『シベリア抑留者たちの戦後---冷戦下の世論と運動 1945-56年』(人文書院、2013年)、『シベリア抑留--スターリン独裁下、「収容所群島」の実像』(中公新書、2016年、アジア・太平洋賞特別賞)、『シベリア抑留者への鎮魂歌』(人文書院、2019年)ほか。

「2025年 『共産党の戦後八〇年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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