法華経の智慧 二十一世紀の宗教を語る (第2巻)

  • 聖教新聞社 (1996年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (259ページ) / ISBN・EAN: 9784412008038

感想・レビュー・書評

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  • 池田大作先生の対談集ですね。
    『法華経の知慧』の第二巻です。
     釈迦は、深淵な生命の奥義を譬喩を用いて説きます。弟子たちの作仏の授記を説いてゆきます。

           目次

     譬喩品 譬喩ー「慈悲」と「知慧」の馥郁たる結晶
     信解品 信解ー「信仰」と「知慧」の
             ダイナミックな関係
    薬草喩品 個性を伸ばす「知慧即慈悲」を
     授記品 授記ー万人を「絶対的幸福の軌道」へ
    化城喩品 因縁ー永遠なる「師弟の絆」「人間の絆」
    五百弟子受記・授学無学人記品
     声聞たちの目覚めー何と素晴らしい「大願の人生」
    法師品 法師ー民衆の中に生きる「精神の指導者」

     法華経の真髄を、解りやすく様々な事例や先人の書物からの引用を駆使して、懇談的に紐解いていきます。
     それぞれの品の解説のみならず、生きる為の知慧、平和と幸福への希望と知慧を示唆に富んだ会話を、ユーモアを交えて懇談的に展開されています。
     
     一番苦しんでいる人の中に生まれてくるのです。
     一番苦しんでいる人の中に仏はいるんです。
     一番苦しんでいる人を、一番幸福にするために
              仏法はあるのです。

     単なる知識として、法華経を学ぶのではなく、絶対的幸福を実現するためにどうするかを、しっかりと学ぶために『法華経の知慧』を読み進めていきたいですね♪

  • 第二巻では、法華経二十八品のうち、譬喩品第三~法師品第十までの以下の八品について、語られている。
    ・譬喩品 第三
    ・信解品 第四
    ・薬草喩品 第五
    ・授記品 第六
    ・化城喩品 第七
    ・五百弟子受記品 第八
    ・授学無学人記品 第九
    ・法師品 第十

    「譬喩品(第三)」では、有名な「三車火宅の譬え」が登場する。長者が燃えさかる家で遊ぶ子供たちに、屋外で羊車、鹿車、牛車を与えると約束することで救い出し、その後大白牛車を与えるという話だが、これは「三界の苦しみにあえぐ衆生を、声聞(羊車)、縁覚(鹿車)、菩薩(牛車)という方便を説いて救い出し、最終的に一仏乗(大白牛車)の教えを与える」ということを仏が衆生に理解させるために説いた譬喩である。

    声聞・縁覚・菩薩の三乗を開いて、一仏乗(仏界)を顕わしているということから、「開三顕一」を表現するものであると言われる。

    このように、法華経には多くの譬喩が用いられており、中でも法華七譬と呼ばれる以下の譬喩は良く知られる。
    ・三車火宅の譬え(譬喩品)
    ・長者窮子の譬え(信解品)
    ・三草二木の譬え(薬草喩品)
    ・化城宝処の譬え(化城喩品)
    ・衣裏珠の譬え(五百弟子受記品)
    ・髻中明珠の譬え(安楽行品)
    ・良医病子の譬え(如来寿量品)

    このように寓話として読んでも、法華経はとても面白い読み物だが、そこに込められた釈尊の真意を知ることができたとき、これは生きた哲学となる。本書は、その釈尊の真意の正しい理解のための必読書であると言える。

    平安時代には、伝教大師が日本天台宗を創設したこともあり、その時代にも法華経は民衆の中に浸透していた。清少納言が「枕草子」で、紫式部が「源氏物語」で法華経を扱っている。かの光源氏は、天台三大部とその注釈書60巻を読了したほどの法華経通であったようだ。

    文学としても興味深い法華経であるが、生きた哲学としての理解を深める方向性で読み進めたい。

    第一巻の「方便品」で知恵第一の舎利弗は、釈尊の教えを領解したが、他の弟子はまだ領解に及ばない。そこで、譬喩品で「三車火宅の譬え」を説いて、迦葉をはじめとする四大声聞は初めて領解する。

    四大声聞は、歓喜するとともにそのことを「長者窮子の譬え」を語ることにより、自分たちが領解していることを釈尊に伝える。

    釈尊は、弟子たちの領解した内容を承認するとともに、さらに補うために「三草二木の譬え」を語る。このことを天台は「述成」という。

    譬喩で教え、譬喩で応え、さらに譬喩で補足する。ただ通り一遍の伝達ではない。

    こうして仏の教えを正しく領解した四大声聞には、舎利弗になされたと同様に、授記(将来成仏するという保証)が為される。

    ここまでで領解できなかった、富楼那も五百人の比丘とともに、五百弟子受記品で授記が為される。

    さらに次の段階で、阿難、羅ゴ羅と二千人の弟子たちへも授学無学人記品で授記が為される。

    法師品においては、「一念随喜」の条件をクリアするのみで、衆生に授記が為される。

    そして、提婆達多品では悪人・提婆達多に、勧持品では女性への授記が為される。それまでの教えでは不可能とされていた悪人成仏、女人成仏が、法華経において可能となり、「一切衆生皆成仏道」がここに完結するのである。

    釈尊の説く経々の中で、法華経のみが「万人成仏」を可能とする教えであるという点が非常に重要だ。

    そして、釈尊在世当時には、釈尊の説法→弟子の領解→釈尊の承認と補足→授記(=成仏の保証)という流れがあったが、釈尊滅後の末法の今では、衆生はどのように成仏できるのかという疑問が生じる。

    その答えとして、「末法の法華経である日蓮大聖人の南無妙法蓮華経を唱え、弘めることが、末法における授記である」と述べられている。さらには、日蓮大聖人の法華経が下種仏法であることから、下種=授記となることを学んだ。

    天台は、「授記」とは「言葉を用いて弁えること」と定義しており、それは「自覚させ、確信させる」ことであると述べられている。

    そうすると、授記とは何か成仏のお墨付きをもらうというようなものではなく、弟子自ら成仏を自覚し、確信することというように捉えられる。

    成仏についても、「絶えず仏界を強めていく、無上道の軌道に入ること」「生命の軌道、絶対的幸福のレールに入ること」と述べられていたことと併せて理解すると、唱題と弘教(下種)の菩薩道を自ら行い続けることが、無上道の軌道に入ること、即ち成仏への道となる。

    第2巻で、まだ全体の10品/28品を学んだところだ。師弟の語らいは深く、そこから正しく仏法の真意を学びたいと求道心を燃やして、集中して読んでみるが、大海のようでもある。法華経を学ぶ旅は、最高峰の哲学を学ぶ旅であり楽しいし、充実を感じる。他の本を読めなくなってしまうのが、難点ではある(苦笑)。

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著者プロフィール

池田大作(いけだ・だいさく) 1928年、東京都生まれ。創価学会名誉会長/創価学会インタナショナル(SGI)会長。創価大学、アメリカ創価大学、創価学園、民主音楽協会、東京富士美術館、東洋哲学研究所、戸田記念国際平和研究所、池田国際対話センターなどを創立。『人間革命』(全12巻)、『新・人間革命』(全30巻)など著書多数。世界の識者と対話を重ね、『二十一世紀への対話』(A.J.トインビー)、『二十世紀の精神の教訓』(M.S.ゴルバチョフ)、『地球平和への探究』(J.ロートブラット)など多くの対談集を刊行。

「2023年 『完本 若き日の読書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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