佐藤優 選 ― 自分を動かす名言

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  • 青春出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413039994

作品紹介・あらすじ

人生の要所では、“言葉”が進むべき道を照らしてくれる──。古今東西の名言を切り口に、「男と女」「仕事の決断」「教育」「読書」「老い」などの人生のさまざまなテーマについて、自身の経験から再定義する。一生心に残る、珠玉の言葉が見つかる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優 選 ― 自分を動かす名言
    佐藤優氏による著作。
    2016年5月1日第1刷。

    佐藤優氏による人生における色々なテーマに
    関して過去の偉人達の名言を紹介すると共に
    佐藤氏の解説2頁という構成で作られている。
    気に入った所から読み進めていけば良い。

    印象に残った部分を紹介していくと・・・

    困難な情勢になってはじめて誰が敵か、
    誰が味方顔をしていたか、そして誰が本当の
    味方だったか、わかるものだ。
    (小林多喜二 1903~1933)

    社会人になれば、スクールカーストからは
    開放されるが、職場にも陰湿ないじめがある。

    私は、初対面の人に会ったとき、
    「この人と付き合うと面倒な人間関係に巻き込まれそうだ」
    ということを直観的に感じる。
    そういうときには、相手に近寄るスキを与えない。

    誰でも心の中にもっとも深く根ざしている願望は、
    自分の本当の価値を認めてもらいたいということです。
    他人の価値を認めなさい。
    そうすればあなたの価値も認めてもらえます。
    (ジョセフ・マーフィー)

    人間は一人で生まれ一人で死んでいく。
    同時に、人間は群れをつくる社会的動物だ。
    社会にはいろいろな掟があるし、国家には法律、
    会社や学校には規則という面倒なものがある。
    生きていく上では、個人と社会の間で適宜バランスを
    とることが不可欠だ。

    最高のものを求める人は、つねに我が道を行く。
    人間は最高のものを決して共存しない。
    幸福になろうとする人はまず孤独であれ。
    (ハーマーリング)

    真実を探している者を信じよ。
    真実を見つけた者は疑え。
    (アンドレ・ジッド 1869~1951)

    政治家は、まず「どの官僚や学者が信頼できるか」を
    慎重に吟味する。そして、いったん「こいつは信頼できる」と考えると、その後はそういう官僚や学者の言うことを疑わなくなる。
    信頼は無償で他者に何かを与えることによって構築されるものなので、狡猾な官僚は最初の数カ月間、政治家に誠実に奉仕し、信頼関係が確立した後に情報操作を始めて、自ら所属する官庁に有利な状況をつくり出していこうとする。
    政治家は官僚や学者を、国民はワイドショーのコメンテイターや新聞に出てくる有識者を一度信頼すると、その後、多少裏切られるような事態が生じても信頼し続ける。信頼が裏切られたことを認めると
    「こんな人を信じてしまった自分が情けない」と
    惨めな思いをするからだ。
    安倍政権の経済政策は富裕層の所得を増やしているが、
    圧倒的多数の国民の生活は向上していない。
    外交政策は場当たり的で、日本の国際的地位は日に日に低下している。
    国民もそのことに薄々気づいてはいるが、認めると惨めになるのでとりあえず安倍政権を消極的に支持している。
    しかし、安倍政権の失政がある閾値を超えて国民の信頼を失うと、自民党は国民から忌避されるようになる。

    人間は本当に落ちるところまで落ちると、もはや、他人の不幸を喜ぶ以外の楽しみはなくなってしまう(ゲーテ)

    男は自分の知っているたった一人の女、つまり自分の妻をとおして、女の世界全体をいい加減に判断している。
    (パール・バック)

    結婚の形態は重要ではない。夫婦とは、関係を構築することである。
    寝食を同じくし、セックスをするだけでは夫婦とは言えない。
    お互いを愛し合い、相手の気持ちになって考えて行動することが夫婦にとって何より大切なのだと思う。

    離婚は極力経験しない方がいい。結婚が相互信頼に基づいてとんとん拍子に進んでいくのに対して、離婚は相互不信の原理に立つ。
    それに、一定期間一緒に暮らしてきたわけだから、相手の手口はだいたいわかる。お互いの言っていること、やっていることの裏を読みながら、陰険な神経戦が続く。
    離婚は、結婚の3倍くらいのエネルギーがかかると覚悟しておいた方がいい。

    それでは、どうすれば離婚しないでよい相手を見つけることができるか。
    気が合ったら、まず3ヶ月とか6ヶ月とか期間を決めて同棲することだ。一緒に生活していると、恋人時代には気づかなかった相手の癖や性格、趣味がわかる。その上で、「この人と一緒にやっていくことができる」と思ったら結婚すればいい。

    結婚したあとで「実はこの人と一緒になった方がよかったのでは」と
    思うような人が現れても、「結婚は先着順だ」と考えて、現在の生活を崩すようなことをしてはならない。

    浮気は、はじめは恋人感覚で楽しいと思うかもしれないが、それは幻想だ。
    しばらくすると必ず浮気は重荷になる。さらに、浮気はいつかばれる。
    特に職場での不倫が露見すると、人事異動の対象になる可能性が高い。
    あるいは職場での浮気が泥沼になると、セクハラやパワハラで訴えられ、職を失う可能性もある。

    夫が浮気していると思った妻の80%は、結局、それが事実だと知らされます(ウィリアム・カッツ)

    動物はほんとうに気持ちのいい友達である。
    彼らはいかなる質問もしないし、いかなる批評もしない。
    (ジョージ・エリオット)

    誰の友にもなろうとする人間は、誰の友達でもない
    (ヴィルヘルム・ペッファー 1845~1920)

    最近は、Facebookで1000人以上の「友達」を持っている人も少なくない。
    しかし本当の友人は、直接会うことができるリアルな関係がなければできないと私は信じている。
    だから、学生時代の友人との関係が一生続くことが多いのだ。

    ロシア人やイスラエル人の世界では、友人という言葉の意味は重い。
    「私には友人が100人います」というような人は信用されない。
    友人の基準が甘すぎるからだ。
    友人とは、自分に不利益がもたらされても、状況によっては命の危険を覚えるようなことがあっても、自分を守ってくれる人のことだ。
    これが10人を超えることはない。

    25歳を過ぎた成人の性格を変えるのは、猫にダンスを教えるより難しい。
    (ことわざ)

    人に魚を与えれば、一日で食べてしまうが、
    人に釣りを教えれば一生食べていける。(老子)

    労働には大きく分けて2種類あることを覚えておいた方がいい。
    一つは、誰でも代替することができるコモディティ(商品)としての労働だ。
    (中略)コモディティから抜け出す努力をしなくてはならない。
    もっとも、普通の人が余人を持って代え難い特殊技能を身につけることは至難の業だ。
    それより、現在の職場で与えられた仕事をきちんとこなし、
    「あの人に任せておけば大丈夫」という信頼を周囲から確保することが重要だ。

    普通の職場では、勤続年数とともに少しずつ難しい仕事を任せられていく。
    組織には、そのようにして人間を鍛える力がある。
    特定の分野で10年間、一生懸命仕事をすれば、他の人と比較して秀でた、
    あなたの能力を十分にいかさる仕事が必ず見つかる。
    そして、その分野で第1人者となることが、あなたが組織で気持ちよく生きるための条件となる。

    仕事が楽しみなら人生は楽園だ。
    仕事が義務ならば人生は地獄だ。(マクシム・ゴーリキー)

    会社があなたを1ヶ月30万円で雇っているとするならば、あなたは
    40万円から50万円の利益を会社にもたらさなければならない。
    株式会社の目的は営利の追求だ。
    それに役立たない社員に価値は無いのである。
    裏返して言うと、会社に価値をもたらす優れた労働力をあなたが提供することができるならば、会社はあなたを大切にする。

    仕事ができるようになるためには、いくつかの鉄則がある。
    まず、自分の能力を客観的に見極めることだ。
    自己の能力を過大評価しても過小評価してもいけない。
    過大評価の場合、必ず失敗するので問題は自ずと顕在化する。
    厄介なのは過小評価の方だ。
    優等生型の人は自己の能力を過小評価する傾向がある。
    しかし、いつも易しい問題だけ解いて100点をとっても学力が向上しないのと同じように、易しい仕事を失敗することなくやり遂げても仕事の技法は向上しない。
    人間の能力は取り組む仕事の量と質で変化していくため、自分の実力から2割増しくらいの負荷をかけて仕事をするのがいい。
    難しく、複雑な仕事については、それをいくつかに分割することが重要だ。
    分割したあとで、まずいちばん難しい部分に取り組んでみよう。
    そして、なぜ難しいかについて、理由をノートに書き出してみる。
    外国語能力が足りない、数学的知識が不十分である。
    高度な専門的知識が必要になるなど、原因がわかれば、その解決法も見えてくる。通訳や専門家の助けを借りることで、問題を解決することが可能になる。気をつけなければならないのは、疑似命題だ。
    疑似命題とは、前提に難があるので、そもそも意味がない命題のことである。

    悪い話は単刀直入に言うのがよい(オスカー・ワイルド)

    ビジネスパーソンも同じだ。押し出しが強く、「俺が先だ」という調子で他人を蹴落とし、嘘までついて業績をあげようとする人を考えてみよう。とりあえず数字をあげるので上司はこういう部下を重宝するが、やりすぎるので人間的には決して尊敬されず、出世もしない。

    人間は自己中心的な存在だ。こちらの主観的には51%しか要求していないと思っていても、相手国は70%くらい要求されていると感じる。
    だから強硬な反撃をする。これに対して、こちらが51%譲るという姿勢で物事を考えることで、交渉者の自己中心的な世界観を脱構築することができる。

    大切な交渉は、知恵ある者より誠実な者にあたらせろ(勝海舟)

    人間の性悪な本質は、嫉妬という形でも表れる。
    他人の成功を素直に喜ぶことができない人が少なからずいる。
    私自身を含め、誰にも嫉妬心はある。
    そのことを冷静に認識することが重要だ。
    特に自分のライバル、自分が嫌いな人間の業績については過小評価しがちだ。
    嫉妬心のプリズムを通して物事を見るので歪んでしまうのだ。
    ライバルや嫌いな人の仕事には2割増しくらいで評価するようにすると、ちょうどバランスのとれた認識になる。

    もし自分が失敗をしたときは、それを素直に認めることだ。
    ただし、上司に「失敗しました」とすぐに報告することは避けた方がいい。
    失敗によって生じるダメージに対して何らかの対策を立ててから上司に報告すべきだ。
    ダメージコントロールができないような失敗をしたときは、報告と同時に進退伺いを提出する。それくらいの覚悟を持たないと危機を切り抜けることはできない。

    調子がいいときにいい噺(はなし)ができるのはプロもアマも一緒。
    調子が悪くてもお客様に次もまた来よう、と思わせて
    帰って頂くのがプロ。(立川志の輔)

    悪い知らせは、早く知らされなければならない(ビル・ゲイツ)

    組織はリーダーの力量以上には伸びない(野村克也 1935~)

    リーダーシップと強引さ、全く異なる概念だ。
    部下の気持ちをつかみ、引っ張っていくことができなくては
    リーダーにはなれない。重要なのは部下の意見をきちんと聞くことだが、「言いたい放題」にさせてはいけない。
    上司が尋ねた質問についてだけ、尋ねられた範囲で部下に意見を言わせるようにすることだ。
    上司に突っかかってくるような部下とは、理詰めで議論をする必要がある。
    その場では部下の主張が正しいと思っていても、上司は決して
    「俺が間違えていた」などと言ってはならない。
    「君の言うことについてはきちんと受け止めた。こちらでもよく考えてみる」と答えて、2、3日経ってから、部下の意見を踏まえた内容を自分の意見として指示すればよい。
    部下の意見はあくまで参考として聴取するだけで、その判断については自分で行うという態度を貫くことが重要なのだ。
    部下に事実上の判断を委ねているという印象が広まると、部下はそういう上司を軽く見るようになる。
    部下から軽く見られるよりは、恐れられている方がいい。

    組織に貢献してくれるのは「優秀な者」よりも
    「能力は並の上だが、忠実な者」のほうだ(織田信長)

    やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、
    ほめてやらねば人は動かじ。
    話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
    やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
    (山本五十六)

    資本主義社会で大金持ちになりたければ、大会社での競争に勝ち抜いて役員になり、年5000万円を超える役員報酬を得るか、起業して儲けるしかない。

    富者にならなくてもいいから、貧者になることだけは避けるというのが現実的な処方箋ではないだろうか。
    その場合に重要なのは、簡単には取り替えられない熟練労働者になることだ。
    技術と経験を身につけた熟練労働者ならば、名誉と尊厳を維持しながら、日本社会でそこそこの生活を楽しむことができる。

    本当に大切な自由は唯一つ「経済的な自由」がそうだ(モーム)

    早稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学などの私大文科系学部の初年度納付金は約150万円。
    その後、授業料で毎年約120万円もかかる。
    私が1979年に同志社大学神学部に入学したときは、授業料が年34万円、入学金が12万円だった。
    当時と比べた大学の授業料は4倍以上だが、この間に平均賃金は2倍にもなっていない。
    そのため、保護者からの仕送りも減少傾向だ。

    日本でもこのまま教育の新自由主義化が進むと、数年後に私立大学の授業料が年間300万円、国立大学が200万円程度になる可能性が十分にある。
    このような状況では、経済的理由から限られた人しか高等教育を受けることができなくなり、教育の右肩下がりが起きる。
    親の経済力によって、子供が受けられる教育水準に大きな差が生じるような社会は衰退していく。
    教育の右肩下がりに歯止めをかける国家戦略の構築が必要だ。

    「新しい貧困」とは、いかなるネットワークにも属さないことである。
    かつて貧しいとは所有しないことであったが、将来は
    「何かに属さない」ということになろう。(ジャック・アタリ)

    人間は、一匹の虫も作れないが、1ダース以上の神々を作った。
    (ミシェル・ド・モンテーニュ)

    好戦的な国民など存在しない。
    好戦的なリーダー達がいるだけだ。
    (ラルフ・パンチ 1904~1971)

    宣戦を布告するのは老人だが、戦死しなければならぬのは青年だ。
    (ハーバード・フーバー)

    ナショナリストは、味方の残虐行為となると非難しないだけではなく、耳にも入らないという、すばらしい才能を持っている。
    (ジョージ・オーウェル)

    私が職業作家になれたのも「黙する時、語る時」を間違えなかったからだと思う。

    出世病というのも、誰もが取り憑かれている思想だ。
    企業に入ってからも、出世だけを人生の価値観にしている人は、出世が難しくなった途端にやる気を無くしてしまう。
    やる気がないと、能力も衰える。

    人間の社会には様々な矛盾がある。人間の能力や適性には差があり、要領のいい人もいればそうでない人もいる。
    世の中の問題を一挙に解決することなどできるはずがない。
    かつての共産主義者やイスラム原理主義過激派は、革命によって、理想的な世の中ができると信じているが、それは幻想だ。
    現実をしっかり見据えて生きていくには、労働が社会の基本になるという思想を身につけることが重要だと思う。

    人生とは不思議なもので、ある段階までの地位や業績は努力によって獲得できるが、その上は運の要素が大きくなってくる。

    最初に人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる。
    (ジョン・ドライデン)

    読書の習慣がある人とそうでない人では、人生の充実度にだいぶ差がついてくる。
    それにはふたつ理由がある。
    第一は、読書は情報を得るのに最も安価で確実な技法だということだ。
    (中略)
    インターネットの情報は無料だが、信頼度が低い。
    そして信頼できるネット情報のほとんどは、書籍か学術論文がオリジナルだ。学術論文は素人には理解できない場合が多いので、現実的には書籍から情報を得るのが最も堅実な方法なのである。

    第二は、読書によって人生を代理経験することができることだ。他人の成功だけでなく、失敗から学ぶことも重要になる。
    本というものは、わずか数行でも役に立てば、
    それだけで十分値打ちのあるものだ。(津田左右吉)

    愛は家庭から始まります。まず、家庭から始めてください。
    やがて外へと愛の輪が広がっていくでしょう。
    (マザー・テレサ)

    恋愛感情は必ず冷める。結婚を続けるには、熱い恋愛とは異なる、もっと落ち着いた愛情が必要だ。裏返して言うと、お互いに相手の気持ちになって考えることをすれば、幸せな家庭を築くことはそれほど難しくない。
    父親が子供たちのために出来る最も大事なことは、
    彼らの母親を愛することである。
    (セオドア・ヘスバーグ)

    世界を一つにまとめ上げているものは、私の苦い経験から言えることには、性交である。(ヘンリー・ミラー)

    へそから下の領分には、宗教も真実もない
    (ニコラス・シャンフォール)

    この世に客に来たと思えば、何の苦もなし、
    朝夕の食事はうまからずともほめて食うべし。
    元来客の身なれば、好き嫌いは申されまじ。(伊達政宗)

    信じるなよ、男でも、女でも、思想でも。
    ほんとうによくわかるまで。
    わかりが遅いってことは恥じゃない。
    後悔しないためのたった一つの方法だ。
    (五味川純平『戦争と人間』)

    50歳になると、誰でもその人のその人格にふさわしい顔になる。
    (ジョージ・オーウェル)

    死者に対する最高の手向けは、悲しみではなく感謝だ。
    (ワイルダー)

    宴会と同じように、人生からも飲みすぎもせず、
    のどが渇きもしないうちに立去ることが一番よい。
    (アリストテレス)

    墓地を買うなど断じて無用たるべきこと。
    勿論、葬式、告別式など一切不要のこと。
    英子や楊子、並びに真に私を知ってくれる友人たちの
    記憶の中に生を得れば、それで満足。(尾崎秀実)

  • 「宗教の本質は絶対依存の感情である」フリードリヒ・シュライルマッハー

  • 運、知識、旅、人生などのテーマごとに、著者が選択した先人の名言が、関連する著者の経験談に紐づけて、それぞれ10個程度ずつリストアップされている。
    名言はネットで調べれば出てくるので、わざわざ買う必要はないのかもしれないが、調べてまとめる労力を考えると、購入するだけの価値はあると考えられる。
    今回は人生の転機で悩んでいたこともあり、先人の知恵を借りたくて購入。
    今の自分に教えとなる名言を数個見つけることができた。
    気づきや示唆を得たい人におすすめ。

  • 4月26日読了

  • 考え方としてテーマごとにコンパクトに2ページ分でまとまっており、比較的短時間で読める。著者の著作としてはとっつきやすい方である。

    所々ユーモアもあり、固くないので寝転がって読むのにちょうどよい。

    また、いくつか刻んでおきたいフレーズもあり、短時間でもきっと良い洞察が得られるかと思う。

    --------------------

    ・ある真実を教えることよりも、いつも真実を見出すにはどうしなければならないかを教えることが問題なのだ。

    ・迷うときには真実を話せ。

    ・自分の力ではどうにもならないことは心配するな。

    ・腹いっぱいメシを詰め込むのは、人間として一つの幸福である。

    ・やった後で後悔する方が、やらないことで後悔するよりもずっとました。

  • 勉強になりました

    借りた本ですが

    持っておきたい本なので買います

  • 正直、名言のセレクトが自分にとってはピンとこないものが多かったかな。

    でも著者の文章は骨太でなかなか読み応えがありました。

  • 「人は死の間際になってはじめて、本気で生きてこなかったことに気づく」等々、古今東西の名言が掲載されているのだが、中身は名言に関連する著者の体験談と安倍政権批判。半分以上は読んだ事ある話だったので、新鮮さはない。
    自民党が憲法解釈時、意見を同じくする学者を「専門家」と呼び、意見の異なる学者を「素人」と呼んで区別していた事は知らなかった。ここまでバカだったとは・・・。

  • ・様々な著者が、インターネット等のメディアからは断片的な情報しか収取できないが、読書をすることで体系的な知識を身につけることができると言っているのに、このような名言集はまさに断片的な情報の寄せ集めなので意味がないことに気づいた。
    ・名言集のような本を出版している著者は、金儲けの手段と考えていると思われるので、今後はそのような著者の本は信頼しない方が良いかもしれない。
    ・実際、断片的な情報なので、心に響くようなことも少ない。
    ・優等生型の人は自己能力を過小評価する傾向がある。その場合、いつもやさしい仕事を失敗なくやり遂げても仕事の能力は向上しない。仕事の能力を向上させるには、実力の2割増しくらいの負荷をかける必要がある。
    ・上司に突っかかってくるような部下には、理詰めで議論し納得させる。部下の主張が正しい場合も、その場で自分が間違えたことを認めず、部下の主張に理解を示してその場を一旦おさめ、後日部下の意見を踏まえた内容を自分の意見として支持すること。あくまで部下の意見は参考であり、その判断は上司である自分が行うという態度を貫くことが重要。その場で部下の意見を認めてしまうと、部下は上司を軽く見るようになる。

  • 【生き方】自分を動かす名言/佐藤優/20161201/(154/580) <222/62866><R>
    ◆きっかけ
    ・日経広告

    ◆感想
    ・何かに行き詰ったり、悩んだり、心に迷いがあると、開きたくなる本。これは心の処方箋。
    ・その時心に響く言葉というのは、その時の憂いを現しているものと痛感、それによって、自分を少しでも客観視して、その痛みを和らげたり、そこから立ち上がるエネルギーを生み出したりするのだろう。その意味では予防薬?
    ・名言を残した先人達も同じように苦労があってこそ、こうした名言が出てきたのだろうなと思うと、うなずけるものばかりだし、一つ一つ読んで考えさせられたりもした(分量はさほど多くはないはずだが、読了までの時間は結構費やした。その分、自分とよく対話したということか)
    ・各テーマ(労働、人生、死、読書、老い、お金等々)に関する古今東西の名言が多くもなく少なくもなく適度な量で紹介されている。加えて、各テーマについて著者が彼自身の実体験に基づいて解釈してくれている内容も説得力があって良い。これだけの名言を抽出した著者の半端ない読書量には感嘆。読者にとってはこれほどオイシイ本はないと思う。

    ◆引用
    ・すべての出来事、すべての行為には定められたときがある。 旧約聖書コレヘトの言葉
    ・神と悪魔が闘っている。そして、その戦場こそは人間なのだ。 ドストエフスキー
    ・大事をなしうるものは、小事もなしうる。 アリストテレス
    ・いい食事をすると、皆が仲良くなるのは不思議なことである。 サミュエル・ピープス
    ・誰の友にもなろうとする人間は、誰の友だちでもない。 ヴィルヘルム・ペッファー
    (独植物学者)
    ・恋というのはひとつの芝居なだから、筋を考えなきゃダメだよ。谷崎純一郎 引例礼さん
    ・20代の恋は幻想である。30代の恋は浮気である。人は40代に達して、初めて真のプラトニックな恋愛を知る。ゲーテ
    ・人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、人に釣りを教えれば一生食べていける。
    ・仕事が楽しみなら人生は楽園だ。仕事が義務ならば人生は地獄だ。 マクシム・ゴーリキー
    ・金銭は肥料のようなものであって、ばらまかなければ役には立たない。 フランシス・ベーコン
    ・難問は分解せよ。 ルネ・デカルト
    ・40歳より前は勝つように、40歳からは負けぬように。 デール・カーネギー
    ・疑似命題:前提に難があるので、そもそも意味がない命題(ウサギの角の先はとがっているか、それとも丸いか?)
    ・もっとも良い説得方法の一つは、相手に気に入られることである。 フランソワ・ド・カリエール
    ・あまり多くの果実をつくる枝は折る。 徳冨 花「自然と人生」
    ・リーダー:部下を言いたい放題にさせてはいけない。上司が尋ねた質問についてだけ、尋ねられた範囲で部下に意見を言わせるようにする。部下の意見はあくまで参考として聴収するだけで、その判断は自分が行うという態度を貫く。事実上の判断を委ねるのはまずい。
    ・組織は基本的に「上」の味方。部下を最大限働かせて、その成果を「上」に提供させることが中間管理職に求められる機能。
    ・プロの作家とは、書くことをやめなかったアマチュアのこと。 リチャード・バック(米作家、飛行家)
    ・99%の努力と1%の才能。ここで重要なのは1%の方。いくら努力を積み重ねても、その人に1%の才能が備わってなければムダになる。その意味で、自分に才能がない事柄にエネルギーを投入しないようにしなければならない。
    ・最高の才能は事物の価値をよく知るところにある。 ラ・ロシェフコー
    ・アメリカがなしうる最善の行為は自国を理解すること、最悪の行為は他国を勝手に理解すること。カルロス・フエンテス
    ・全ての国家が認める単一の歴史というのは成立しない。歴史は本質的に物語性を帯びているのだ。自国中心史観に陥らないためにひあ、各国の教科書に書かれていた歴史を勉強し、日本の教科書にある内容との違いを知ることが重要。
    ・運命に逆らえば運命に支配され、運命に適応すれば運命を支配できる。 ユダヤのことわざ
    ・IS・国際社会の秩序を混乱させている原因という見方は間違い。1916年、英仏露の間でサイクスピコ秘密協定が結ばれ、これに基づいて中東の宗教、歴史、地理、部族の分布などと無関係に国境線が引かれた。このような欧米の都合によって検察された国家が機能不全を起こし、ISが生まれた。ISは原因でなく結果。
    ・悩み=天井のある悩み(資格取得、受験)+天井のない悩み(人はなぜ死ぬ)
    ・天井のない悩みを考えるのは、人間の能力に限界があることを皮膚感覚で知るだめには、解決されることのない悩みを抱えておくことが重要。理性や合理性を重視した近代人は、その閣下、将来人間は悩みをすべて解決できるという誤った楽観主義を抱くようになったからだ。
    ・どうにもならないことは、忘れることが幸福だ。 ドイツのことわざ
    ・我々の人生とは、われわれの思考が作り上げるものにほかならない。 マルクス・アウレリウス。
    ・自民党が、都合の良い発言をした人を専門家と持ち上げ、都合の悪いときには素人として、こき下ろす。
    ・反論し論破するために読むな。信じて丸のみするためにも読むな。話題や議題をみつけるためにも読むな。しかし、熟考し熟慮するために、読みがいい。 フランシス・ベーコン
    ・人生は短い。読書術の要諦は、どのような本を読んではいけないかという、捨てる技術になる。
    ・両は断然見劣りしても、いくども考え抜いた知識であれば、その価値ははるかに高い。 アルトゥル・ショーペン・ハウアー
    ・知識への投資は常に最高の利息がついている。ベンジャミン・フランクリン
    ・いちど本音を吐いてしまえば、人間案外肝が据わる。山本周五郎
    ・人間には、必ず人生の転機を直感し、的確に判断できるかどうかを試される時が何度かある。 アントニオ猪木
    ・人間の偉大さは、不運に対してどのように耐えるかによって決まる。 プルタルコス
    ・子供は苦労を和らげる。しかし不幸を一段とつらいものにする。子供は人生の煩いを増やす。しかし、死の思いを和らげる。 フランシス・ベーコン
    ・今日という日は、残りの人生の最後の一日。 アメリカン・ビューティー
    ・人生とは自転車のようなものだ。倒れないようにするには走らなければならない。 アルバート・アインシュタイン
    ・危険が身に迫った時、逃げ出すようではだめだ。かえって危険が二倍になる。決然として立ち向かえば、危険は半分に減る。何事にであっても、決して逃げるな。ウィンストン・チャーチル
    ・賢き者とは、セックスより愉しいことを見つけた者のことである。
    ・人間は、自分で考えるほど不幸でもないし、それほど幸福でもない。 ラ・ロシェフコー
    ・我々の人生とは、われわれの思考が作り上げるものに他ならない。 マルクス・アウレリウス
    ・やった後の後悔のほうが、やらないことで後悔するよりもずっとましだ。 ジョヴァンニ・ポッカッチョ(伊作家)
    ・やったことは、たとえ失敗しても20年後には笑い話にできる。しかし、やらなかったことは、20年後には後悔するだけだ。 マーク・トウェイン
    ・人生にとって健康は目的ではない。しかし最初の条件である。 武者小路実篤
    ・人生は生涯の最初の40年間で本文を著述し、続く30年でこれに対する注釈を加えていく。 アルトゥル・ショーペンハウアー
    ・40歳は若者の老年期、50歳は老人の青春期。 ヴィクトル・ユーゴー
    ・若い時に旅をせねば、老いての物語がない。ことわざ

  • 名言とともに書かれた筆者のエッセイに励まされる。

  • 著者大学恩師とのやり取りに感銘しました。おそらく、独房に入るときに信頼の言葉をかけられるということは味方がまだいることに気がつかされ、力になることは間違いないと思います。

  • 行き詰ったり、悩んだり、心に迷いがあると、こういう本を開きたくなります。そして、その時心に響く言葉というのは、その時の憂いを現しているのだなぁと思います。だから、読む度に心に残る名言は違ったりします。
    ですが、名言を残した先人達も同じように悩んで、苦しんで、その境地の達したのだろうと思うと、元気をもらえる気がします。
    頑張ろう!!

  • コヘレトの言葉 何事にも時があり 天の下の出来事にはすべて定められた時がある 生まれる時 死ぬ時 ---

    レールの向こう 大城立裕

    難問は分割せよ ルネ・デカルト

    どこに行こうととしているか分かっていなければ、どの道を通ってもどこにも行けない キッシンジャー

    やってみせて、行って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ。
    話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
    やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず 山本五十六

    追いつめられた時の多数決は、大変危険です。気弱になった集団の多数意見は往々にして誤る。 村山雅美

    組織の貢献するものは「優秀な者」よりも「能力は並だが、忠実な者」のほうだ。織田信長


    努力を継続していれば、いつか運が味方してくれることがある。このように信じることでしか、将来の展望は開けないのだ



    事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである ニーチェ

    恐怖は常に無知から生じる エマーソン

    人生は短い。読書術の要諦は、どのような本を読んではいけないかという「捨てる技術」にある

    理由も分からずに押し付けられたものを大人しく受け取って、理由も分からず生きていくのが、我々生きものの定めだ 山月記 中島敦

    恋愛感情は必ず冷める。結婚を続けるには、厚い恋愛とは異なる、もっと落ち着いた愛情が必要だ。裏返していうと、お互い相手の気持ちになって考えることをすれば、幸せな家庭を気づくことはそれほど難しくない。

    今日という日は、残りの人生の最初の日 アメリカンビューティー

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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