結局、世界は「石油」で動いている (青春新書インテリジェンス)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413044547

作品紹介・あらすじ

内閣参与・飯島勲氏推薦!! ファストファッション・ファストフードの大流行、世界同時株安、イスラム国の台頭、米ソ冷戦の終結……元をたどればすべて「石油」がきっかけだった! 一見、複雑な世界の情勢やカラクリが、「石油」というフィルターを通すとスッキリ見えてくる。ニュースが教えてくれない「世界の本当」が2時間でわかる超入門。

感想・レビュー・書評

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  • 地政学的な話や宗教学的な話との結びつきが「石油」というテーマで論じられており、見応えがありました。

  • 2015年に書かれた本。この時はクリミア併合で原油価格暴落。
    2022年ウクライナ侵攻では高騰。

  • タイトル通りに、石油が国際政治にどのように影響を及ぼしているかを簡略にまとめている良書。本書を読んでから、中東各国の歴史や領土問題についてより深く知りたいと考えるようになった。
    以下に面白かった点を述べておく。


    ①石油の価格は、WTIが主要な指標となっている


    ②ISの前身
    ISの前身は、アルカイーダの発足までさかのぼる。ソ連のアフガニスタン侵攻を食い止める武装組織としてアメリカの代理戦争を行ったのが、アルカイーダの発端だ。アルカイーダの中でも一層過激な武装組織として進化したのが、ISだ。

    ③原油価格暴落の原因
    アメリカと親米国であるサウジアラビアの共通の敵はロシアである。ロシアは石油と天然ガスに国家財政を依存しているため、資源価格の下落は国力の低下へと直結する。

    ④ロシアと中国の関係
    中国はロシアから石油を地下パイプで供給するプランを構想している。このため、莫大なインフラ投資をロシアにして、その見返りとして石油資源を獲得しようとしている。

    ⑤ナフサから我々の生活用品は生まれている
    石油商品の一種であるナフサは、プラスチックから衣類まで実に様々な商品に応用されている。このため、石油価格の乱高下は我々の生活に関わっていると言える。

    ⑥中国のベネズエラ進出
    原油安で財政難に陥ったベネズエラに手を差し伸べたのは、中国である。財政支援をする代わりに、レアメタルと石油で債務を返済するように求め、ベネズエラはこれを承諾している。

  • 原油に関する重要な情報は幅広くまとまっていたという印象。
    少し雑記的で体系的ではなかったが、中東情勢やアメリカや中国の原油に対する戦略、シェールオイルの現状など知りたいことが多く載っていた。原油に関する基礎知識をつけ、論点を認識するには申し分ないと思う。
    事実とそれに対する妥当な推論が中心であり、読んでいて違和感を感じる部分はほとんど無かった。

    興味深い部分は多くあったが、特に90年代以降の原油価格は需給バランスよりも投機筋の思惑によって大きく左右されるというのが最もためになった。
    リーマンショックで余った金が原油先物市場に流れ込んできたというのは蓋然性がある。原油投資をしているのものとして、投機筋の動き方は把握しておかなければならないと思った。

  • データの客観性に欠ける。151ページのニューミドルイーストマップの紹介は面白く。

  • 石油の価格はどこで生産されるかで3つの指標がある米国テキサス州西部とニューメキシコ州東部で生産され、ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)原油が一般的に「原油価格」と呼ばれている。


    ISの資金源として一番大きいのは石油の密輸である。ISの石油を扱っているのは主にトルコ人の密輸業者である。

    ISはもともとアフガニスタン内覧の際にアメリカの呼びかけに応じてアラブ各地から集められた義勇兵(聖戦の兵士)が母体である。

    産油国の世界一はアメリカであり、ロシア、サウジアラビアがトップ3である。

  • 「石油」を通した、世界情勢の見方に関する本。
    あまりに筋が通っていて、かえって気持ちが悪いぐらい、納得できる内容でした。

    もちろん、この本の内容がすべて真実だとは限りません。
    が、「石油」という見方を手に入れるための入門書として、適切な本だと思います。

  • やっぱり石油が大事ですという結論はよく分かったのだが、なぜそうなのかが掘り下げられているとより良かったかもしれない。エネルギー源としてはともかく、石化製品は石油じゃないと作れないものが多いというのが理由の一つだったと思うのだが、割と最近の本なので、シェールガスからエチレンを作れるようになっていると聞くので、その辺りへの言及があると尚良かったのではないかと。

  • 大国にとっての戦略物資、投機の対象、駆け引きの切り札。世界で起きている各種の紛争やテロ事件の背景も「石油」というフィルターを通して俯瞰すると、疑問点がストンと腑に落ちるのだ。

    結局、エネルギーがなければ、国としても立ちゆかないわけだ。

  • 駅からオフィスまでの道のりで読了w
    特に悪くもないが、ちょっと話が雑で、同じ話の繰り返し。
    LPGを液化天然ガスと呼んでるのと(P.59)リーマン危機が07年というミス(p.108)が気になってしまった。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。拓殖大学商学部卒業後、国立リビア大学神学部、埼玉大学大学院経済科学科修了。アルカバス紙(クウェート)東京特派員、在日リビア大使館渉外担当、拓殖大学教授等を経て、現在は笹川平和財団特別研究員、日本経済団体連合会21世紀政策研究所ビジティング・アナリスト。イスラム諸国に独自の情報網を持つ第一級の中東アナリストとして、マスコミ・講演等で発信を続ける一方、日本の中東政策にも提言をするなど、幅広く活躍中。

「2015年 『結局、世界は「石油」で動いている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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