見てすぐわかる犯罪地図 なぜ「あの場所」は犯罪を引き寄せるのか (青春新書インテリジェンス)

著者 :
  • 青春出版社
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本棚登録 : 49
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413044578

作品紹介・あらすじ

「人」はウソをつく。しかし「景色」はウソをつかない! 声をかけられて、道を聞かれて…子どもや女性が犯罪に巻き込まれるきっかけは、だまされることがほとんどだ。「危ない人」を見抜くことは難しい。でも「危ない場所」を見抜くことはできる。「景色解読力」で危険な場所を見抜き、身を守るための最新防犯科学を、図とイラストを使ってわかりやすく解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 最近子供をターゲットにした悲惨な事件が相次いで起こっています。日常生活内で犯罪に巻き込まれる事件は後を絶たず、犯人はたいてい子供や女性という弱い対象に襲い掛かります。

    そうしたリスクを少しでも減らすには、犯罪が起こりやすい場所をあらかじめ知っていることが大切。著者は犯罪学専門の社会学者。

    子供に防犯ブザーを持たせることは、襲われた後の対策で、防犯(予防)ではないとします。確かに、そもそもの犯罪に巻き込まれるのを防ぐことが何より。
    襲われた後の対策は「クライシス管理」で、事前の予防は「リスク管理」と区別して呼ばれるとのことです。

    子供たちは、道徳教育では「人は見かけで判断するな」と教えられているのに、安全教育では「人は見かけで信用するな」と教えられていると、氏は指摘します。
    そのちぐはぐな教育は子供を混乱させ、間違った選択をしてしまう可能性が大きいとのこと。

    「不審者に注意」といっても、人は見かけではなかなか判断できないもの。
    それよりも、犯罪の起こりやすい場所を覚えておく方が確実だとして、本書では「景色解読力」について語られます。

    犯人は犯罪を起こしやすい場所を選ぶもので、「だれでもよかった」と人に無作為に襲い掛かったとしても、「どこでもよかった」わけではないそうです。

    犯罪者が侵入するかどうかの判断基準は、見つかった時に言い訳ができるかどうか。
    学校を侵入しにくい場所にするためには、門を閉めておくことが必要。

    近隣との交流が減った今は、コミュニティでの情報交換が不足し、犯罪者が入り込みやすい環境になっているため、地域の犯罪を防止するには、やはり近所同士のネットワークが一番だとのことです。

    身を守るために、防犯意識を持って、危険そうな場所へのアンテナは、いつでも張っておきたいものです。

  • 2016年読了

  • 防犯という「これから起こり得る犯罪の予測」という危機管理を考えた場合、なぜその犯人は犯罪を犯したのか、その原因を個人の心性からさぐる「犯罪原因論」ばかりを追い求めてみてもなかなか答えに結びつかない。なぜならその観点から考察する犯行に及ぶか思いとどまるかは、どこまでも犯人の個人の事情だからだ。一方で、なぜ「思ったこと」を「具体的な行動に移すにいたったのか」という「犯罪機会論」は有効である。犯人は基本的に犯罪を成功させたいと願うわけだから、犯行がうまくいきそうであれば犯行に及ぶし、失敗しそうなら思いとどまるからで、そこには一般的な法則が存在するからだ。本書は、犯罪には「怪しまれずに近づき速やかに逃げ出せる=出入りが容易」でかつ「ひとから見えにくい、知られにくい」という「起きやすい場所」があり、それを研究する「犯罪機会論」の初歩をわかりやすく図解や写真で紹介し、それこそが防犯にかかせないことを説く。日本の防犯事情が、犯罪原因論に固執し過ぎ、これから犯罪を犯すであろう「不審者」なる存在に基づいた防犯であることに警鐘をうながす。「不審者」とは何者なのか?不審者とふつうの人は区別できるのか?実際に犯行を行う人は、「いかにも不審者」という人物なのか、それとも「ごくふつうの人」と思われていたような人物なのか?と。

  • まずは危険な場所に近づかないこと。
    普段よく歩く道、立ち寄る場所を一度見まわしてみよう。

  • 犯罪原因論に対して犯罪機会論。犯罪の起こる場所という軸てみる、リスク管理を書いた本。
    わかりやすい。



    犯罪は機会がないと発生しない。クライシス管理ではなくリスク管理を。
    入りやすい、見えにくい場所。

    犯罪防止の要素。抵抗性、恒常性、管理意識。領域性、区画性、縄張り意識。監視性、視認性、当事者意識。


    景色読解力。どんなところがあぶないか?

    マップづくりを子供にさせる効果。

    割れ窓理論、汚いトイレ。

  • イラストもあって例が分かりやすい。

    原則的に、「入りやすく、周りから見えにくい」場所が危険だ、ということが何度も強調されていて、筋が通った本でした。

  • 犯罪をそれを犯した人にではなく、それが起こった場所に焦点を置いて考えることの重要性を説いた本。犯罪者は場所を選ぶという事実から、どんな場所が危険なのか、どうすれば犯罪が起きにくい場所に出来るのを写真や絵を使って解りやすく論じている。
    こういう自己防衛も大事だとつくづく思った。

  • うちでもよく子どもに「知らない人についていってはダメ」と言うけれど、そもそも「子どもにとっての『知らない人』って誰?」って思うし、お友達の親に殺されたケースもいくつかあるし・・・。
    これを読んで、「人より場所をみる」ことが大事とあらためて思いました。序章のイラストで比較する「どっちが安全?」はすごくわかりやすく、本文の内容がおさらいできてよかったと思います。
    入りやすさ・入りにくさ、見えやすさ・見えにくさの観点から地域を見直してみると、危なそうな場所には近づかないとか、ここで大人に声をかけられたら気を付ける等、対策を立てられそうです。
    学校の「来校者用案内ライン」は犯罪者にとって入りにくいものという見方はこの本で初めて知りました。なるほど、ラインから外れてうろうろしている人はあやしい、ということなのですね。

  • 落書きやごみが放置されていると、無関心あ場所と思われて犯罪が多くなる。
    入り口が1つしかないと出入りが目立つから犯罪は少ない。

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プロフィール

立正大学文学部社会学科教授(社会学博士)。ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科修了。法務省、国連アジア極東犯罪防止研修所などを経て現職。専攻は犯罪学。地域安全マップの考案者であり、現在、警察庁「持続可能な安全・安心まちづくりの推進方策に係る調査研究会」座長を務めるほか、全国の自治体や教育委員会などに防犯のアドバイスを行っている。

「2015年 『見てすぐわかる犯罪地図 なぜ「あの場所」は犯罪を引き寄せるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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