40代でシフトする働き方の極意 (青春新書インテリジェンス)

著者 :
  • 青春出版社
3.43
  • (15)
  • (54)
  • (66)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 514
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413045292

作品紹介・あらすじ

仕事、お金、家族、そして健康――。いろいろな面で人生の転換点となる40代をいかにすごし、その先の人生後半戦につなげていくべきか。外務省で国事に奔走するも国策捜査に巻き込まれ、その後作家として成功を収めるなど激動の40代をすごしてきた著者が、無理しない、でもあきらめない生き方の極意を伝授する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 組織は人を引っ張ってくれる。自分の仕事が楽になってきたときは、感性が衰える可能性があるので、新しい事を始めるようにする。仕事だけでなく仕事外でも。日常や仕事以外とは全く別の世界を作ることで、感性の衰えを防ぐことができる。

  • 40代で生き方に迷いあぐねつつ踏み出せずにいる身として読んでみた。……何というか、社会のわりと中の上層くらいにいる人たちを想定して書かれているような感じ。著者ご自身がそうだろうし、そういう本は多いからそんなもんだとも思う。
    書いてあることは普通に納得できる。ドキリとしたのは、学ぶべき人やお手本がいないという人は、自分の方向性や目標がはっきりしているか顧みろというところ(p.135)。フワフワと定まらない何かを探して文句タラタラなところが自分にもあるなと自戒したしだい。
    内容自体はわりと生き方全般にわたっていると思うんだけど、書題は「働き方の極意」なんだよね。ビジネス色の強い新書シリーズだから、編集者がこうしたんでしょうね。40代って、働き方と生き方をシンクロさせていく年ごろだと思うんだけど、どうも男性向けは仕事を切り分けたがる感じがする。

  • 仕事以外の「場」を作るためには、仕事とは異なる学びの「場」に身を置くとよい。市民講座や大学の公開講座がお薦め。
    数学は論理性を学ぶ最適な学問であり、最低でも中学数学まで、出来れば数ⅠAまで身に付けたい。
    ボードゲームには頭を柔らかくし、発想力を鍛えるものが多い。
    仕事の完成形をイメージできず、アウトラインを描けない人物は、リーダーとしての資格がない。
    毎日1時間でもいいから、自分と向き合い、自分の内側の声を聴く時間を作ること。
    読書にはビジネス系の古典に加えて、小説も必要。
    生涯学習のカリキュラムを立てる。まずは興味のあるテーマを書き出し、どのように学ぶのか調べてみる。著者の学習領域は「歴史」「経済」「サイエンス」「健康」「ライフ(マネー)プラン」の5つ。
    自分の人生の方向性を定めなければ、メンターを見つけることも出来ない。
    メンターには年上で包容力のある人が向いている。いざというときに精神的な支えになってくれる。
    メンターと巡り合うためには、相手に認めてもらえるレベルになっているひつようがある。そのためには読書や多くの人との付き合いが欠かせない。
    仕事ができる人は、物腰柔らかく接するときと、毅然とした態度を見せるべき場面を使い分けています。
    人間関係であれ仕事であれ、知識や経験であれ、広げていくには、まずは偏見や先入観を持たないこと。そのためには、たくさんの人に会い、そしてたくさん良書を読み、自然や芸術に触れる。感性を柔らかくしておくことが、何より大事です。



    ・管理職になることが成功ではないし、管理職になれないことは失敗でも負けでもありません。現場で営業活動をする能力と、チームをまとめ上げるマネジメント能力はまたっく違うもの。これは単純にその人の能力うんぬんの問題というよりも、適性の問題です。
    幹部候補選抜を早々に受け、管理職のラインに乗った人とそうでない人の違いは、その人の能力ではなく年次などの運や適性の違いにすぎない。能力と適性を混同して、いたずらに自分を責めたり自信を失ったりする必要はないのです。

    ・20代はとにかく目の前の仕事を覚える。30代は会社組織の一員としてひたすら成果を出すことに努める。しかし40代になったら、自分の能力と適性についていま一度振り返るべきでしょう。そして、これから自分が進む道をしっかり絞り込む必要があります。
    ・そこであらためて軌道修正をするなり、そのまま今の働き方を続けるなり、一つの結論を導かなければなりません。その客観的な尺度となるのが、40歳の時点で会社の課長以上の管理職になっているかどうか。30代でクリアしている人は、少なくとも会社から管理職としてのキャリアを期待されていると考えていいでしょう。
    しかし40歳を過ぎてクリアしていない人は、自己評価はどうあれ会社としては管理職の適性を評価していないと考えられます。もちろん業種や職種によって差はありますが、少なくとも45歳で管理職になっていない人の挽回はまずないととらえておくべきです。
    ・大事なのは、たとえ会社がそのように評価したとしても、それは自分の絶対的な能力が低いのではないということ。その会社は、管理職としての適性を評価していないということにすぎません。そのような現実を見極めたうえで、自分でどう動くかという主体的な判断と選択が重要なのです。

    ・一番怖いのは、漫然と40代をすごしてしまうこと。目先の仕事の忙しさに流され、それをこなしているうちに気がつくといつの間にか50歳。管理職の道は閉ざされ、給料は一向に上がらない。50代からは転職も独立起業もさらに難しくなります。
    ・もちろん、毎月の給料のためにどんな仕事も環境も我慢して会社にしがみつくのも、自分のなかで完全に割り切れるなら一つの選択でしょう。ただし、我慢に我慢を重ねて働いたとしても、おそらく会社がまともに面倒を見てくれるのは60歳まで。60歳から65歳の労働環境ほかなり厳しいはすです。

    ・通常のビジネスパーソンの場合、環境や仕事を簡単に変えることはできません。一つの方法として、職場とは別の「場」を持つことが有効です。職場環境を大きく変えるのではなく、職場以外にもう一つ、「自分の場所」を設定する。それによって新たな刺激や情報を獲得し、感性が衰え頭が固くなることを防ぐのです。
    たたし、異業種交流会というのは玉石混交です。参加している人たちは前向きで意識の高い人が多いのかもしれませんが、なかには明らかに営業が目的だったり、宗教の勧誘が目的の人も潜んでいたりします。下手に関係ができると、あとあと面倒なことになるケースもある。
    ・単に交流するという目的の会より、テーマや目的が決まっている勉強会の方がいいと思います。そういう場では、人脈を広げたいとギラギラしている人ではなく、知的好奇心や趣味など、純粋な動機で参加している人が多いでしょう。そういう集まりの方が勉強になるし、趣味や方向性が一致しくいるのでいい関係が築けるはずです。
    ・意外に面白いと思うのが、土日や夜などに行われている市民講座や大学の公開講座です。文化系、自然環境系、ビジネス実用系、語学・資格系、趣味系など多分野にわたって講座が開かれていて、しかも授業料が安いものがほとんどです。

    ・数学は論理性を学ぶ最適な学問です。数学的な思考を身につけることで、物事を論理的に把握し、分析し、判断することができるようになる。
    ・論理性というのは仕事をするうえで非常に大切な能力です。状況を正確に判断し、的確な行動や対応をとる。コミュニケーションのなかで相手の言うことを理解し、こちらの意図を明確に伝える。仕事をするうえで最も基本的な能力が、この論理性なのです。
    ・まずは、中学までの数学をしっかりマスターしましょう。余裕があるなら高校数学の最初のレべルである数ⅠAまで範囲を広げる。分数の計算、因数分解や四則演算、正と負の概念、実数と虚数の概念、確率と集合、平均や中央値の概念など、数学の基本概念が頭に入っくいるだけで、物事のとらえ方や考え方が変わってきます。

    ・さらに私が深刻だと思うのが、昨今の中高一貫教育の弊害です。それらの学校のなかには、とにかく目先の大学合格者数を上げたいばかりに極端な指導を行うところがある。たとえば、中学生の初期の段階で理数系が苦手な学生は文系の勉強に特化させ、早稲田や慶応の文化系の学部に狙いを定めさせる。そうすると、早い段階から数学の勉強を捨ててしまうことになるわけです。

    ・そもそも40歳を過ぎると、あらためて何かを学ぶという機会も減ってきます。まして、知らない人たちと一緒に、まったく違う環境で学ぷこともほとんどなくなる。環境を変えて新しい何かを学ぶということは、非常に大きな刺激になります。マンネリから脱し、脳を柔らかく保つために必要なことでもある。
    ・頭を柔らかくし、発想力を鍛えるにはどうすればいいか。一時、ブレーンストーミングやマインドマップなどが流行りましたが、いまの時代はあまり効果がない気がします。というのも、たとえばブレーンストーミングの場に一人だけ能力が高い人がいたりすると、その人に他の人たちの意見や考え方が引っ張られてしまう。すなわち同質化が進んでしまうという弊害があります。これでは意味がない。同じレべルの人同士でやらなければいいブレーンストーミングにはならないのですが、それが実は難しいんですね。
    ・私がおすすめするのはゲーム。たとえば「現代大戦略2003 テロ国家を制圧せよ」というゲームソフト。あるいはボードゲームもいいです。「DOMEMO (ドメモ)」というゲームには28枚の数字が書かれたタイルがあり、見えない自分のタイルの数字を当てていきます。論理力や推理力が鍛えられます。その他にも「アグリコラ」「パンデミック」「カタンの開拓者たち」など、これらのボードゲームを通じて、楽しみながら頭を柔らかくし、ビジネスに役立つ論理カや推理力、交渉力やマネジメントカを鍛えることができます。

    ・もう一つ、発想力を高めるには、その材料となるいい情報をできるだけ早く、たくさん集める必要があります。情報収集の方法としてネットは欠かせません。まずは広く浅くでいいので、関連情報をどれだけ集めることができるかがポイントになります。そのために検索エンジンが重要になっくくる。グーグルやヤフーなどは一般的ですが、私は「専門検索システム」をよく活用しています。


    ・本人の能力とも関係するのですが、仕事の仕方のタイプとして、その仕事の完成形をしっかりイメージしてから仕事を進めるタイプと、アウトプットがある程度出た段階そ、次第に完成形をイメージしていくタイプの二つがあると思います。
    アウトプットが揃わないと完成形がイメージできないタイプの上司だと、下が疲弊していきます。というのも、そういう上司は最初は間口が広いのです。「とりあえずやってみシてくれるかな?」で仕事を振る。
    朝令暮改にならないようにするためには、仕事の方向と完成形をしっかりイメージすること。実は、これこそがリーダーにとって大切な能力であう要件だということもできます。仕事の完成形をイメージできず、アウトラインを描けない人物は、リーダーとしての資格がないということになります。

    ・今の20代、30代は全体の空気を敏感に読み取って、組織や集団に順応するのが得意です。しかも40代に比べると社内の人間関係を求めたり、心のつながりなどを重視したりする傾向があるようです。上司の評価を過敏なまでに気にする若手が多いのも、その傾向の一つと見ることもできるでしょう。
    40代と今の20代、30代は意外に大きなジェネレーションギャップがあるというのが私の見立てです。個人主義的でクールな40代と、場の空気を重んじる20代、30代。そんな人たちが一つのチームでいい関係を築くのは、それほど簡単ではないかもしれません。
    ただでさえ個人主義的志向の強い40代の人は、関係性を重視する20代、30代を面倒な人間たちたととらえ、避けようとする傾向があるように思います。


    ・仕事に必要な人脈というのは状況によって変わってきます。たとえば、自分が異動したりすると、関係性は変わらざるを得ない。そのときそれまでひんぱんに連絡していた相手に対して、急に連絡しなくなったりすると、「あいつは冷たいヤツだ」とか「計算高いヤツだ」と陰口を言われたりする。そんな悪評が広まれば、その後の仕事にも支障が出てきます。
    そうならないようにするには、たとえ利害関係的には意味がなくなったとしても、露骨には切らないようにする。しばらくはつき合って、次第にフエードアウトしていくのです。相手も仕事でつき合っているのですから、露骨なやり方でなければ納得するはずです。

    ・辛酸をなめたり、困難を乗り越えたりという体験を共有した間柄というのは、やはり紳が強まるものなのです。それは、一緒に修羅場をくやって来た「戦友」だからでしょう。


    ・何に時間を使うと一番効率よく収益を上げられるか?常にその視点で考える姿勢が大事です。長期的な視点がないと、目先の利益に追われてしまします。その意味で、休息時間というのも非常に大切です。一見すると何心していないような時間によってエネルギーを補充し、仕事の生産性を高める。これはマルクスがすでに資本論でも触れています。

    ・ー日1時間から2時間、必ずインプットの時間、勉強したり知識や教養を身につけたりするための時間を持つことがおすすめです。あまりに予定をつめ込みすぎるのも、時間の使い方としてあまりおすすめしません。余裕のないスケジュールを組むと疲れ切ってしまいます。また、何か不測の事態が起きんときに対応できません。できれば週に1日の「バッファ時間」を設ける。予定通り進まなかった仕事や、こなすことができなかった案件、突然の予定の変更などをこのバッファ時間で調整するのです。

    ・自分の時間を作るために、私は情報をあえて遮断する時間をつくっています。携帯を切り、パソコンのメールも見ない。みなさんも1日1時間でも2時間でもいい、外部の騒音を一切遮断してみてください。
    本当に大事な情報は、自分の内側から出てくるもの。もっと日常的な問題に対して、やるべきことかそうでないか、つき合うべき人なのかそうではないのかなど、誰もが無意識では答えを出しているのかもしれません。内側からのメッセージに耳を傾け、聞き分けられるかどうかにかかってきます。
    そのためにも、外界の騒音をシャットアウトして、自分の内側の声にそっと耳をすませること。そんな時間が、雑音にあふれた今の時代には必要なのです。

    ・会社の仕事を抱えるビジネスパーソンの場合はそこまで時間をとれないにしても、やはリインプットは重要です。情報収集や勉強だけでなく、芸術作品に触れたり自然と戯れたりすることも大切なインプットの一つでしょう。
    ・将来役に立つ勉強はいろいろあります。手軽で効果があるのはなんと言っても読書でしょう。特に中間管理職になったとき、読んでおきたい書籍がいくつかあります。「失敗の本質」「7つの習慣」など、ビジネス関連書でも古典と呼ばれるくらいになっている本には、普遍的な価値が備わっています。西洋の歴史を知るにはまずギリシャであり、それに続くローマの時代を抑えなければならない。「ローマ帝国衰亡史」は格好の古典。


    ・小説を読んでいる人と読んでいない人では、どうしても人間の幅が違ってくるように感じます。というのも、優れた小説には作者の感性や感情がさまざまな形でちりばめられています。深い内面の思索のなかで、私たちの日常の常識を超えた解釈や感性が明らかにされていることもある。
    ・小説にもさまざまなジャンルがありますが、ビジネスパーソンに特におすすめなのは歴史小説です。歴史の流れを知ることができるのと同時に、激動の時代を生き抜いた人たちのストーリーを読むことで、人間関係の機微や人としての生き方、考え方を学ぶことが出来ます。「樅の木は残った(山本周五郎)」「坂の上の雲(司馬遼太郎)」など。

    ・学習を始める前に、自分でこれから学ぶべきことのメニューをつくるといいでしよう。まず興味のあるテーマを書き出してみる。それに合ったコンテンツを探す。どんな方法でどうやって学ぷか。それこそネットを駆使しながら調べてみます。セミナーに参加するのか、大学の社会人講座のようなものに参加するのか、あるいはネットでコンテンツを探すのか。さまざまな方法、手段があるはすです。
    ・私自身も、知識と理解を深めたい領域を明確にしています。それは「歴史」「経済」「サイエンス」「健康」「ライフ(マネー)プラン」の5つ。ビジネスパーソンとして特に意識したいものばかりですが、意外にポイントになるのが「サイエンス」です。科学的な素養は、文系の人こそ身につけておくべきものです。AIについて、あるいは脳の働きについて、これからの世の中の動きを知るには、こうした理系的な知識も必要になります。あとはライフプランやマネープランをしっかり立てること。生涯に必要になるお金、入ってくるお金をしっかり計算し、どういう生活をしていくか計画を立てる。そうでないと不測の事態が起こったときに対処できません。

    ・学びを継続するなかで、自身のライフワークのようなものを見つけたいものです。一生をかけて興味のあるものを探求することは、自己実現や成長のためというより、生きる張り合い、生きがいとして必要です。勉強していくと何が変わるか。情報や知識の量はもちろんですが、興味の対象、楽しいと思える対象が変わわってきます。勉強により興味の対象が広がってくることで、仕事終わりに毎日のように飲みに行ったり、キャバクラや風俗に2万円、3万円と使ってしまったりするようなことがバカバカしくなってくるはずです。本当の人生の達成感や満足感というのは、ドーパミンによってもたらされるものとは異なります。それはコツコツ積み重ねて形にしていく喜びで、学習をする喜びがまさにその満足感や達成感であり、ドーパミン的な快楽地獄の落とし穴にハマることから救ってくれます。仕事に追われる40代以降のビジネスパーソンこそ、自分の時間をつくり出しながら自分で決めたものを学ぶべきです。


    ・社外の勉強会やセミナーで出会った経営コンサルタントなど、外部の人たちにもメンターとして適任の人がいるかもしれません。社内にふさわしいと思える人物が見当たらないのであれぱ、そういう社外人脈を活用する。社内外を問わず、そういう人物に近づき、メンターとして教えを請う。自分の方向性が定かでなければ、そういう人物は見えてきません。仮にあなたのすぐ目の前にいても、気がつかずに通りすぎてしまうでしょう。
    ・意外に参考になるのが、第二の人生を生き生きと楽しく、幸せそうに暮らしている人です。経営者だとか役員になり、キャリアコースに進んでいける人は結局ひと握りにすぎません。大多数はどこかで弾き出される。市井の人で好きなことをやりながら、たとえ金持ちでなくても金銭的に困窮せず、楽しく人生を謡歌している人。そんな人のなかにこそ、人生の師、メンターが眠っている可能性があります。たとえば何かのサークルでもいいし、町内会や趣味のグループでもいい。マイべースで楽しく生きている人は、顔つきを見ただけでなんとなくわります。そんな人の生き方にこそ、実は幸せのヒントがあると思うのです。

    ・メンターだからといって、師匠や先生だと考える必要はありません。一緒にいて気分がいやされたり、楽しかったりする存在も、広い意味でメンターだと考える。いろんなことを相談でき、そばにいるだけで安心する。そういう存在も必要です。特に自分が教える、引っ張っていくという人ではなく、包容力があるタイプ。こういう年上の人は、意外にいざというときに精神的な支えになってくれるものです。

    ・憧れというと自分とはかけ離れた上の人間、はるかに実カが高い人物に抱く感情です。私の実感として、自分の能力を2割くらい上げてくれるような人物がメンターとして適任だと思います。あまりに実力がかけ離れている人物は実際的なメンターとしては難しいし、むしろ負荷がかかりすぎてマイナスになることもあります。

    ・よきメンターに巡り合い、よい関係を築くうえで必要なことは何か?それは、ある種の「素直さ」だと思います。相手を尊敬し、相手から真剣に学びたいという姿勢、ひたむきな気持ちがあるかどうか?それは敏感に相手に伝わります。教えたことを素直に学び、自分に取り込もうと頑張る姿、そして成長していく姿に、相手もその気になって真剣に向き合ってくれます。また、自分をさらけ出せる潔さも必要でしょう。知らないということを認められるかどうかということでもあります。
    ・相手から見て「こいつは面白そうだ」とか、「いい質問をするな」と期待を抱かせるくらいのものがなければいけません。私も人からよく質問されることがありますが、最近はあまりに基本的で幼稚な質問が多いようです。しっかり勉強しているなと捻らせるような質問を投げかけてくれると、こちらもついつい話をしてしまう結局のところ、相手から引き出すには、自分自身が相応のレべルになっていなければいけません。そのためには、繰り返しになりますが、たくさん本を読むこと、たくさんの人とつき合い、引き出しを多く持つことが大事なのです。

    ・40代の人間関係では、上手に人と交渉したり駆け引きしたりする技術も必要です。もっと言うなら、上手に相手とぶつかることができるかどうか。仕事ができる人は、物腰柔らかく接するときと、毅然とした態度を見せるべき場面を使い分けています。ケンカというのは落としどころ、ゴールが見えていなければダメ。感情で怒るのではなく、役割や立場でぶつかる。お互いわかっているからエスカレートしません。一見声を荒げても、それはパフオーマンス、演技です。だからいい外交官はいい役者でもある。


    ・昼間仕事をしていると強い眠気に襲われたりしませんか?あるいは最近疲れやすくなったりして、仕事に集中することができなくなったりしていませんか?身に覚えのある人は睡眠障害を疑った方がいい。睡眠時無呼吸症候群は肥満体型の人がなるというイメージが強いですが、実は鼻と喉の構造的な問題から起こることも多く、意外にやせ型の人が擢患しているケースも少なくありません。自分は肥満体型ではないから大丈夫だと考えるのは早計です。少しでもあやしいと感じたら、専門病院で相談するのが賢明です。

    ・人間関係であれ仕事であれ、知識や経験であれ、広げていくにはどうすればいいか?まずは偏見や先入観を持たないことでしょう。40代になると、ある意味さまざまな知恵がつきます。それは同時に、先入観に毒されてしまう危険もある。色眼鏡で周囲を見てしまうわけです。そうならないためには本当の意味での教養、品性と知性が必要です。そのうえで、いろいろな物事や人たちと真正面から向き合う。

  • 本書は、佐藤優氏が、バブル崩壊後に成人し就職氷河期を経験した運の悪い世代である40代に焦点を当て、生き残りのために実践的な指針を示した本です

    大きく
    1 働き方
    2 発想力
    3 リーダーシップ
    4 人脈と友人関係
    5 時間の使い方と学び方
    6 人づき合い
    7 豊かな50代に向けたすごし方
    の7分野について書かれています
    個人的に賛同できない内容も若干ありますが、佐藤優氏の意見が明確でわかりやすいのは非常に良かった

    個人的には第5章の時間の使い方と学び方のところは特に参考になるので、要再読か

  • 言葉のチョイスがとても良い
    学びの満足感と達成感が人生をより深くする。
    まさしくその通りだと思えました。

    そして小説を読むことの大切さを学ばさせてもらえました。

    これからも良書に出会える事が楽しみになります。

  • 読了後に公文式に連絡するだけのモチベーションは上がる。

  • 人的には苦手なのだが、本の内容は心に響く内容が多く、ついつい本を手に取りたくなる著者のひとり。50になる前、40代でしておくことチェックの一環として読む。

    ■学
    ・よきメンターに巡り合うために「素直さ」が大切
    相手を尊敬し、真剣に学びたいという姿勢、ひたむきな気持ちがあるか?
    かわいがられるのは自分が知っていることでも、知らなかったように反応できる人「そうなのですね!勉強になります」
    ・上手に喧嘩ができることも必要(私には足りない部分)
    上手に相手にぶつかることができるか?
    大人のケンカができない人が増えている
    ケンカに強い人は攻めより守りを固める

  • 39歳です。途中にある書籍紹介に興味惹かれました。内容は薄いです。

  • タイトルには40代で〜とありますが、20代、30代から読んでおく方が備えができる分、オススメできる一冊。キャリアの話だけではなく、お金や友人関係など幅広いテーマで語られています。著者の弁舌鋭い「佐藤節」は抑えめながらも、やはりそこは理知的な方なので、観念的な話にならぬよう、シビアな将来予想なども交えた形で書かれており参考になります。

  • 21
    管理職のラインに乗った人とそうでない人の違いはその人の能力ではなく年次などの運や適性の違いに過ぎない
    能力と適性を混同して、いたずらに自分を責めたり自信を失ったりする必要はない

    33
    シングルを貫く人は不自由なった場合、自分を助けてくれるのは親、金、友人の3つだけ
    この3つが現在どうなっているか、そして将来どうなるか、しっかり確認しておく必要がある

    42
    前向きな姿勢が仇になってしまうこともある
    大事なのはバランス感覚。組織の慣習や風土、会社の人事や上司部下との人間関係などそれぞれの状況を見極めた上で最適解を見つけ出さなければならない

    96
    初動が大事
    最初の3ヶ月が勝負で、そこでどれだけ相手の印象に残り、食い込むことができるか。
    関係を深めたい時に私がよく使ったのは、本でも何でもその人物から物を借りること。借りたら返さなければいけないのでまた会うきっかけを作りやすい

    今何をすることが、一番効率よく収益を上げられるか常にその視点で考える姿勢が大事
    長期的な視点がないと目先の利益に追われてしまう
    休息時間も大切である。一見すると何もしていないような時間によってエネルギーを補充し、仕事の生産性を高める

    118
    仕事ができる人ほど簡潔に必要最小限のことだけをメールに書いてくる
    自分も忙しいから時間を取られることがいかに苦痛かを分かっている
    SNSやメールなどを使う時は自分が相手の時間を奪っているという感覚を持つことが大事

    多くのサービスがあなたの時間をいかに占有するかにしのぎを削っており、自分の時間を確保することが難しい

    119
    忙しいからこそ最初に自分時間を確保するというのはスケジュール管理の鉄則
    時間の天引きをしないと自分の時間は作れない

    144
    人から何かを教わるといかにも知っていたかのように振る舞う人がいます
    自分を大きく見せたいということでしょうが効果はありません
    可愛がられるのは自分が知っていることでも知らなかったように反応できる人です
    「そうなんですか。勉強になります」と教えてくれた人を持ち上げるのはずるいのではなく、優しさや礼儀の一つです

    148
    組織に属している限り、絶対に上司と喧嘩してはいけません

    157
    同じ内容でも言葉一つで相手の受け取り方が違ってくる
    自分の考えや意思を通したいのであればやり方がいくらでもある

    私なども失礼な原稿依頼に腹立つ時がある
    でもそこで怒ったりしたら、余計な反感を買う
    そんな時は納期や内容などで相手が飲めない条件をやんわり提示する
    条件が合わないということであれば、今度条件があった時に是非ということで、お互い遺恨を残さずその場をクリアすることができる
    賢者は争わないという言葉があるが、正面からぶつからず、自分の考えと目的をどう達するか時には演技やパフォーマンスを織り込みながら冷静で戦略的な駆け引きができるかどうかが大切である
    怒った瞬間、あなたの負け

  • 相変わらず佐藤優さんの書籍は読みやすく、内容がすんなり頭に入る。
    表現が簡潔で、言葉のチョイスもよい。
    印象に残った部分としては、
    ・管理職の選別は早く終わっている。
    ・数学などの学習を通じての論理力を高める。
    ・40代からの学習は、単なる趣味でなく、「仕事」に役立つものをする。
    ・付き合いをことわる、SNSを断つなどの時間管理の重要性
    ・会社関係の人脈は「砂上の楼閣」だが、悪いわけではない。
    ・50歳を過ぎたら人間関係などを絞り込む
    ・豊かな50代を生きるために、予防医学、健康管理に投資する。
    ・ストレス耐性を見極める
    など。
    また、小説を読むことの重要さを感じた。
    もっともっと読書、映画芸術鑑賞などをインプットをしたいと思った。

  • さらっと読めちゃう一冊。特に目新しいことは書いてないけど、ふむふむと納得、再認識ができる。この本の中で紹介されてる本も気になったので読んでみようと思った。

  • 40代と50代の違いもうっすらわかり、40代で人脈を広げ、50代で絞り込んでいくなど印象に残った。嘘をつかない大切さも。対象世代が落ち着いているからか読後にやる気がぐんと上がらないのが、残念。

  • 佐藤優氏による著作。
    2017年12月15日第1刷。
    青春新書のこのシリーズは著者の得意技(?)である
    引用が殆ど無く、著者自身の考えが述べられており
    好感が持てる。
    所謂、団塊ジュニア世代、ロストジェネレーションに
    向けた本となる。
    本書は、月刊BIGtomorrow誌の連載「佐藤優のサバイバル!40代」を基に加筆・再編成したものです。

    今回特に印象的だったのは
    以下に自分の所属するチームに危険人物を
    入れないか、いかに危険人物を見抜くかだ。
    今の時代の仕事は掛け算の仕事が増え、
    ×0をしてしまう人がいると全てが台無しになる危険性を語っていた。
    全くその通りである。
    ただ足し算の仕事であっても不要なストレス、
    トラブルを周囲で引き起こす可能性もあり、
    結局どの仕事であってもトータルで見るとプラスにならないと思う。

    あと著者は私大文系で大学受験した事にコンプレックスがあるのか数学の学び直しを勧めている。
    ただ論理性を鍛える意味では必ずしも数学が良いとは思えない。
    だいたい数学は数学ⅢC、数学ⅡBまでやっているから偉いとかすごいとか全く関係ない。
    数学の難しさはたとえ数学IA分野でも十二分に難しい難問をいくらでもつくることが出来る所だろうに。
    単に白チャートレベルの基本形問題を幅広く解けるようになってもそれは簡単なレベル問題をただ解けるだけに過ぎない。
    数学こそ適性が重要になってくる所もあり扱いが難しいと思う。
    人生は短い。独学できる時間も限りがある。
    ここはあまり参考にしない方がいいと思う。

    参考になった部分を列挙してみたい。

    工場労働者にしてもそうです。
    1990年頃までは安定しているように見えました。
    いまの70歳前後の親たちは、学歴が低くても正社員となって家も買えたのです。
    親の世代にも、もちろん格差はあったのだけれども、その格差が小さかった。
    しかし、親の代の小さな格差が子の代で「レバレッジ」がかかって大きくなってしまった。
    親の時代の見えなかった小さな格差、気にならなかった程度だったものが、子の代に見える大きな格差となって表面に現れてしまうということです。
    こうした状況は「階層の固定化」といえるものですが、
    この問題は20年ほど前からいわれています。

    (山田昌弘「底辺への競争――格差放置社会ニッポンの末路」朝日新書、2017年、84~86頁)
    私も山田氏と認識を共有している。
    底辺に転落し、社会の下層に入ってしまうリスクを
    大多数の人々が抱えているというのが日本社会の現状だ。
    われわれには、自分が下層に転落するリスクがある
    という現実をあえて見ない傾向がある。
    今までは、親に寄生する、借金するなどで、
    そのような現実を誤魔化すことができたかもしれない。
    しかし、そのツケが回り始めている。
    この状況を冷静に認識して、現実的な対策を立てなくてはならない。

    多くの人々が下層に転落しつつあることは、当事者の自己責任ではない。
    この点についても山田氏の以下の指摘が重要だ。
    「下降移動については「自己責任だ」ということがいわれがちです。
    けれども、100人いて1人や2人の問題なら自己責任ともいえるでしょうが、
    現在の100人いて何十人という社会になると自己責任論はナンセンスとしかいえません。
    個人の努力では解決不可能なほど、下降移動する人たちの数が増えているのです。

    ちなみに、「移民が悪い」「自由貿易が悪い」と主張する大統領を誕生させたアメリカの
    「トランプ現象」は、アメリカでも自己責任論がきかなくなってきたことを意味しています。
    狭量な時代になったともいえますが、アメリカはそもそも格差が大きく、文化的にも自己貴任だといって放置してきた問題について、それが通用しなくなっているのです。

    (掲書86頁)
    たしかに現在の社会構造には大きな問題がある。構造を変化させる努力は必要だ。
    しかし、世界的規模で起きているグローバリゼーションがこのような問題をもたらしているのだ。
    アメリカやヨーロッパと比べれば、日本の状況の方がまだましかもしれない。

    ご存じの通り、役員になれるのはほんのひと握り。
    仮に部長まで進んだとしても、57、58歳くらいのところで役職定年がある場合が多い。
    多くは子会社に出向することになるはずです。
    そう考えると、企業で最後まで勤め上げることができる人はごく少数で、多くは競争に敗れて会社を離れることになる。
    いま多くの大企業は、30代ですでに幹部候補を絞り込んでいるとか。
    そのほかの社員のモチベーションを下げさせない狙いがあるためか、基本的に会社はそのことを公にしません。
    表向きは40代なかばまで管理職ポストの競争が続いているように見せかけるのです。
    もはやレースは終わっているのに、昇進、出世の叶わぬ夢を描きながら、40歳を過ぎても競争に勝ち残ろうと必死で仕事を続ける――。
    そんな切ない現実があるわけです。
    そう考えると、このイスとりゲームに参加して、
    時間と労力を費やすリスクについても考えなければいけません。
    まずはそうした現実があることを直視したうえで、40代以降の仕事の方向性や取り組み方を考える必要があります。
    大企業などでは、50歳を過ぎたあたりでキャリアデザイン研修があるそうです。その研修は40代以降のベテランも参加するのですが、その研修の意味合いは、「40歳以降のキャリアには、会社に残る以外の選択肢もある」と意識させることにあるといいます。

    当たり前ですが、管理職になることが成功ではないし、管理職になれないことは失敗でも負けでもありません。
    たとえば、トップの成績を上げた営業マンが管理職になった途端に精彩を失ってしまうことはよくあります。現場で営業活動をする能力と、チームをまと
    め上げるマネジメント能力はまったく違うもの。

    幹部候補選抜を早々に受け、管理職のラインに乗った人とそうでない人の違いは、
    その人の能力ではなく年次などの運や適性の違いにすぎない。
    能力と適性を混同して、いたずらに自分を責めたり自信を失ったりする必要はないのです。
    - いま政府が掲げている「働き方改革」は、一億総活躍社会を目指して時間外労働の削減や労働生産性の向上、女性や高齢者の活用などを目標にしています。
    聞こえのいい言葉が並んでいますが、その本音には直面する少子高齢化と労働人口の減少に対応して、より合理的に労働力を確保、活用したいと言う意図があります。

    30代は会社組薇の一員としてひたすら成果を出すことに努める。しかし40代になったら、自分の能力と適性についていま一度振り返るべきでしょう。
    そして、これから自分が進む道をしっかり絞り込む必要があります。
    「そこであらためて軌道修正をするなり、そのまま今の働き方を続けるなり、一つの結論を導かなければなりません。その客観的な尺度となるのが、40歳の時点で会社の課長以上の管理職になっているかどうか。30代でクリアしている人は、少なくとも会社から管理職としてのキャリアを期待されていると考えていいでしょう。
    しかし40歳を過ぎてクリアしていない人は、自己評価はどうあれ会社としては管理職の適性を評価していないと考えられます。
    もちろん業種や職種によって差はありますが、
    少なくとも45歳で管理職になっていない人の挽回はまずないととらえておくべきです。
    基準が厳しいと感じるかもしれませんが、評価というのは他人がするものであり、自分の思いとは関係ありません。会社の評価が厳然としてある以上、それに対応して働き方を変えていく必要があるのです。「会社はわかってくれない」とか、「自分の力を評価しよう
    としない」と愚痴を言ったところで何も始まりません。

    住居と子どもの教育費の二者択一

    特に40歳以降、真剣に考えなければならないのはお金のことです。まず、自分の現在の仕事で、将来的にどれだけ収入が上げられるかを計算してみてください。現在の年収をもとにして、5年後、10年後にどれくらい稼いでいるか?それと併せて、自分や自分の家族にかかるお金がいくらなのか、必要になるお金をあらかじめ計算しておきます。
    ちなみに、労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2016」の試算によると、

    男性の生涯資金(退職金を含む)は大学・大学院卒が2億8510万円、高校卒が2億
    2900万円、中学卒が2億60万円となっています。
    「またリクナビNEXTが2016年に発表したデータによると、40歳ビジネスパーソンの平均年収は471.6万円。
    正規雇用と非正規雇用で分けると、
    正規雇用は535・2万円、
    非正規雇用はその約半分の246.7万円でした。
    さらに、平均年収の推移を別の統計で見ると、1997年の467万円をピークに減り続け、ここ数年は多少持ち直しているものの、2015年度は420万円と全体に右肩下がりが続いています。
    「年収が右肩上がりだった2000年以前までは、家を買って子どもを私立に行かせても何とかなりましたが、これからは難しい。特に都市部の場合、住宅を買って子どもの教育費を減らし、私立をあきらめて公立にするか、あるいは住宅をあきらめて子どもの教育費にまわすか、二者択一が迫られているような状況です。

    シングルを貫く人は相応の覚悟が必要

    「自分は独身だから気楽でいいよ」と考えている人も多いかもしれません。
    しかし私から言わせると、実は一番危険にさらされているのがシングルの方です。
    貴族などという言葉は以前の話。特に都心部に多いですが、一見自由をしているように見えても思ったほどお金に余裕がない。それどころか、実はほとんどがないというシングルも多いのです。
    先ほども触れたように、年収が昔のように伸びないということもあります。それから男性の場合はとかく支出が多くなりがち。飲み代だけでもバカになりません。誰もいないマンションやアパートに帰っても仕方がないと、行きつけの飲み屋やバーに寄る。

    シングルの自由さは同時にストッパー的な存在がいないということでもある注意したり
    アドバイスしたりしてくれるパートナーがいないのは大きなリスクだとも言えます
    怖いのはお酒にしてもギャンブルにしても風俗にしてもシングルの場合は依存症にまで行きついてしまうリスクが高いことです
    依存症的になると当然支出が増え毎月の収入だけでは足りなくなり借金に手を出してしまう借金が100万円を超えたら黄色信号です。そこからは200万円300万円
    あっという間に増えてしまう。収入の多くを返済にもっていかれてしまうようになると、もはや転落への一本道です

    今すぐ結婚に向けた具体的な行動を起こすべきです
    つき合っているパートナーがいないという人は相談所へ行く
    1年から2年以内に結婚すると決意し、
    真面目に結婚を考えている人たちと真剣にお見合いをするのです
    バツイチで、しかも子どもがいる女性を選ぶという手もあります
    躊躇する男性がいるかもしれませんが、
    そのような女性は人生の苦労も子どもを育てる大変さもよく知っていることが多いもの。
    それだけに自分たちの新しいパートナーを非常に大切にします
    30代後半の女性であれば、あなたとの間に子どもをつくることもまだ十分可能です
    「経済的に豊かでもないのに結婚なんてと考える人もいますが私から言わせればそれ
    自分の生活基盤、家庭を築くことは一番のリスク回避策なのです。
    一人だと何かと無駄な支出が多く収入も限られますが
    パートナーと頑張ることで新たな活路が開けます

    大きいのはパートナーの収入だけではなくその家族や人間関係も大きな力になってくれる可能性があること。
    配偶者の実家や兄弟の協力支援を何らの形で得られるかもしれません。
    今までの自分にはない新しい人間関係が広がることで、人生のさまざまな可能性と選択肢が増える。
    これは大きなことです。

    いずれにしても、そのような人格障害とはどういうものか、専門書や解説書などを読み、
    危険な人物を見極める目を持つことが大切です。
    「そういう人物は、最終的にはどうしても各部署から敬遠されてしまいます。
    下手に義侠心を出して、そういう人物を預かってしまうと大変なことになります。
    無責任で自己中心的な彼らの言動や仕事ぶりに振り回され、大変な労力を強いられたあげく、組織が崩壊し
    プロジェクトやミッションは不成功に終わってしまう。あなたがその責任をとらされてしまうことにもなりかねません。
    厳しいようですが、自己愛性パーソナリティ障害やサイコパスが疑われる人物はできる限り自分のチームから遠ざけることが鉄則です。

    「その東郷さんに対して、世間の毀誉褒貶はあると思いますが、直属の部下として思うのは、そのリーダーシップは非常に立派なものだったということです。
    当時は外務省の欧亜局長であり、在オランダ全権大使という立場でしたが、
    どんな若手の部下に対しても「さん」づけで呼んでいました。
    まして声を荒げたり怒鳴ったりすることなどありませんでした。
    仕事の仕方も命令口調ではなく、「佐藤さん、~のようにしたいのだけど、どう思いますか?」
    「どうするのがいいと考えますか?」と、あくまでも相談の形で投げかけるのです。
    東郷さんのような人に相談されたら、やはり部下としてもそれに応じたい、
    何とかしたいと思うでしょう。
    部下であろうと相手の人格を尊重し、ていねいに対応する。
    組織のヒエラルキーはあっても、それに甘えることなく自他の関係を構築する。
    そのような自律的な姿勢は、自分のなかに確固とした自信と自我がないとなかなかできることではありません。
    やはり尊敬できるし信頼できる上司であり人物であったと、今でも考えています。

    最も嫌われるのは「朝令暮改上司」

    もう一つ、避けるべきは朝令暮改です。コピーを大量にとらせてあとから不要だと処分させるなどはもってのほかですが、コロコロと言うことが変わる上司というのは、いつの時代も、どんな職場にもいます。そして、例外なく部下からはイヤがられる存在です。

    性格的、能力的に自分の考えや方針が定まらず、とりあえず部下に命令し、あとから修正していく人も少なくありません。
    そういう上司は早晩信頼を失っていきます。
    「本人の能力とも関係するのですが、仕事の仕方のタイプとして、
    その仕事の完成形をしっかりイメージしてから仕事を進めるタイプと、
    アウトプットがある程度出た段階で、
    次第に完成形をイメージしていくタイプの二つがあると思います。
    「アウトプットが揃わないと完成形がイメージできないタイプの上司だと、下が疲弊していきます。というのも、そういう上司は最初は間口が広いのです。
    「とりあえずやってみてくれるかな?」で仕事を振る。
    たとえば企画書をつくるという仕事があったとして、
    「とにかく思いついた企画なら、どんどん形にしてくれ」という頼み方をします。
    ある程度企画を出させておいて、やっぱりこれがいいとか、こんな企画書にしてくれとか、注文が出始める。
    部下は最初は注文も少なく、自由にやっていいというので喜ぶのですが、ところがどっこい、そのアウトプットを参考にして、ああでもない、こうでもないと細かい注文や修正が出始める。
    その修正を出すと、「うーん、やっぱりイメージが違うかな」などと、
    今度は別の企画案にシフトする。
    「そんなことなら、最初からその路線で、しかも必須要件や禁止事項などを示しながら
    できるだけ最短距離で仕事ができるよう指示してほしい。
    そう部下が考えるのは当然でしょう。
    でもこのタイプは意外に多いのです。
    あなたの周りにも何人かいるはずです
    朝令暮改にならないようにするためには、仕事の方向と完成形をしっかりイメージすること
    実は、これこそがリーダーにとって大切な能力であり要件だということもできます
    仕事の完成形をイメージできずアウトラインを描けない人物はリーダーとしての資格がないと言うことになります

    これから重要な予防医学の意識

    意外に大切になるのがの健康です。
    50歳をすぎると急速に歯が悪くなる。
    60歳になってから治療すると大変です。
    インプラントを入れると1本約100万円。 
    5本入れたら500万円。
    この金で高級車が1台買えます。
    40代、50代でしっかりケアしておけば6代でそれほどひどくはなりません。
    おすすめするのは、3カ月に一度くらいの間隔で医者に行って歯石をとってもらうこと。
    トータルな健康管理においても余計な治療費をとられないという意味でも歯を健康に保つということは非常に大切です
    これからは予防医学的な考え方が重要になってきます。
    病気になってから治療するのではなく
    病気になりにくい健康な体をつくるという考え方です。
    健康診断や人間ドック、歯石除去も予防医学の一つだと言えます

  • 残りの人生について迷っているときに出会った本、10年遅いが身に覚えのある示唆が多数あり勉強になった。

  • 割と普通の内容、サクッと読める

  • 40代って明示しているから読んでみたけど、働き方の提案としては、イマイチ。自己満足感がある。

  • 特別なことが書かれているわけでなく、佐藤さんご自身の人生観が書かれています。
    佐藤さんは好きな作家さんであり、結構読んでいますが、本作は非常に読みやすい一方、あまり残らない内容かもしれません。

  • そうだなと実感しながら読了。ここ1,2年の生き方シフトを続けることだなと。

  • 読了。単なるマニュアル本かなと思いながら読み進めていたが、なんとなく前向きに努力しようという気分になった。

  • 氏の本はこれまでも読んでいるので、この本は既視感あり。

  • 初めて著者の作品を手にしました。

    結論から申し上げると、少なくとも私にとっては今年初のハズレ本でした。著者の主張ひとつひとつは至って正しく、もっともです。テストだったら100点の内容でしょう。でも教科書を読んでいるかのように退屈で、全く心に響きませんでした。そのため途中から中身云々ではなく、納得できない理由が何かを考えながら読了しました。

    その理由は圧倒的に説得力が欠けていることです。特にそう感じた箇所には、「だそうです。」「だとか。」「とのことです。」などの伝聞形の言い回しが散見されました。

    例えば40歳の時点で管理職になれなければ、会社はその人の適性を評価しておらず、出世競争からは脱落している。地方にも優秀な経営者がいるので、これからは中小企業が面白い。などの主張には具体的な根拠が示されていません。著者に民間企業の就業経験は無いため現実性に欠けるし、外務省という独特で閉鎖的な環境での出世競争と、民間とでは同じ組織でも意味合いは随分異なるのではないでしょうか(ある知人によると、官僚は特に気味が悪い程に“序列“に拘るとのことです)。自身の体験からは語れないのなら、少なくとも民間の大手人材会社が発表しているこんなデータがあるとか、〇〇大学で行ったこんな研究結果があるとか、それなりの根拠(because)を示さなければダメだと思います。

    個人的には、著者は頭脳明晰な方(であるが故に官僚時代に一連の事件に巻き込まれた不遇な方)だと思っていますので、何故このような作品が出来上がったのか一層理解に苦しみます。頁数を減らして読み易くするなど、出版側の余計な横槍が入ったのでしょうか?

    当たり障りの無い内容なので、受け止め方も評価も読者次第でしょう。現役またはこれから外務省や国家公務員を目指す学生には、参考になるかもしれません。少なくとも私は本書からは自分が求めていた答えを見つけられず、漠然とした不安だけが募りました。

    【追記】Amazonのレビューを見て、商品状態が「非常に良い」だったため、マーケットプレイスで古本で購入したのですが、到着後開けてみると表紙はボコボコで傷だらけ、横から見ると歪んでいるし、カビ臭くて最悪な保存状態でした。Amazonにレビューを投稿したところ、『お寄せいただきました送信内容を慎重に確認した結果、お客様のレビューをウェブサイトで公開することはできませんでした』との返信が来ました。

    店舗は【買取王子 清洲店】です。本書の感想ではありませんが、少しでも参考になれば幸いです。

  • 2019/2/9
    エロース 男女の愛
    アガペー 無償の愛
    フィリア 尊重の愛

  • 習慣化による効率化とルーティーンのマンネリズムの打破をバランスすること、部下に過度に期待しないこと、叱るより相談に乗ることなど。40代は個人主義、サイコパスではないが孤立することは普段感じる。エロース、アガペー、フィリアの3つの愛(ストルゲーの愛もあるらしい)。研究室のメンバーをどうリードして、世界と闘う成果を上げるかを悩む時期に読めて良かった。

  • 『40代でシフトする働き方の極意』(佐藤優著/青春出版社)vol.445
    http://shirayu.com/blog/topstory/enlightenment/6733.html

  • 話がバラバラだなぁと思ったら雑誌連載をひとまとめにしたものらしい。
    こういう「小ネタの寄せ集め」に「極意」ってタイトルをつけて売るのはなんだかなって思ってしまう。
    一冊をつらぬく原理がないのに「極意」とは言えないと思う。

    p. 78 その東郷さんに対して、直属の部下として思うのは、そのリーダーシップは非常に立派なものだったということです。当時は外務省の欧亜局長であり、在オランダ全権大使という立場でしたが、どんな若手の部下に対しても「さん」づけで呼んでいました。
    まして声を荒げたり怒鳴ったりすることなどありまさんでした。仕事の仕方も命令口調ではなく、「佐藤さん、〜のようにしたいのだけど、どう思いますか?」「どうするのがいいと考えますか?」と、あくまで相談の形で投げかけるのです。東郷さんのような人に相談されたら、やはり部下としてもそれに応じたい、何とかしたいと思うでしょう。部下であろうと相手の人格を尊重して、ていねいに対応する。そしきのひえらるはあっても、それに甘えることなく自他の関係を構築する。そのような自律的な姿勢は、自分のなかに確固として自信と自我がないとなかなかできることではありません。やはり尊敬できるし信頼できる上司であり人物であったと、今でも考えています。

  • 新書

  • 仕事人生の後半に向けて、自分の立ち位置を見極め、方向性を定め、捨てたり絞ったり変えることも考えよう。豊かな50代は40代の過ごし方で決まる。

    最近流行りのAIやテクノロジーや百寿とは別世界、堅実な現実という感じがしました。

  • この2018年の時点での40歳である人向けに書かれた本です。就職氷河期という時代を通った自分はどんなことを考えがちで、部下はどんな人間で、それらとどう向き合うのか、どのように考えるべきなのか、色々と考えながら読ませていただきました。
    40歳になったのでと、一度自分のこれまでと、これからを振り返るということも必要と思います。本書でそのきっかけを得ることができると思います。またその考えを得るためにおすすめの本も紹介されていて、考えるためのヒントをいただくことができたと思います。

  • 具体的な内容で参考になった。組織で働く人なら読んでも損はない。

全59件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤優の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×