〈ふつう〉から遠くはなれて ――「生きにくさ」に悩むすべての人へ 中島義道語録
- 青春出版社 (2016年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784413230155
作品紹介・あらすじ
不器用に生きる人への「生き方」指南の書『カイン 自分の「弱さ」に悩むきみへ』、仕事としっくりいかず、生きがいを見いだせない人に向けた『働くことがイヤな人のための本』、日常的にふりかかる「嫌い」の現実と対処法を説いた『ひとを〈嫌う〉ということ』など、仕事、孤独、人間関係、対話、日本社会論…と、多岐にわたるテーマに思索をめぐらし、これまで65冊の本を書いてきた著者の主要著書20冊より人生に役立つ名文章をまとめた著者初の名文集。「死」に対する恐怖をはじめ、自身の独特の生きにくさを真摯に見つめ探究し尽くした著者の言葉は、すべての人にとって、「よく生きる」ための示唆に富んでいます。往年のファンにはもちろん、著者の本をはじめて手にとる人にも楽しめる、「ためになる毒」に満ちた珠玉の一冊です。
みんなの感想まとめ
生きにくさを抱える人々に向けた本書は、著者の深い思索を通じて「よく生きる」ための示唆を提供します。著者の独特な視点から、日常の中で感じる「普通」とは何かを問い直し、普通を極めるためにはその真逆を理解す...
感想・レビュー・書評
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著者のこれまでの本のまとめです。引用されていた他の本も読んでみたくなりました。
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司書さんに勧められて。
中島氏の著作の言葉の抜書きのアンソロジー。
多分、太宰治の「人間失格」葉蔵も中島氏のように、小さい頃、絶対的不幸(死)を知ってしまい、どうせ死んでしまうこと、生きていううちは理不尽だらけであること、その上あたかもこういうことを気にせず元気であるかのように生きなければならないことを悩み、道化に走ったのかーと思った。
中島氏の哲学に支えられれば、葉蔵も、太宰治も長生きできたかもしれない。
他人にわかってもらおうなどというノーテンキなことを考えてはいけない。人は他人の気持ちなどそう容易くは理解できない。←鷲田清一「他人を理解するということ」と同じことを言っておる。他人を理解など到底できないけれど、理解しようとし続けることが大切なのだと。
他人の君に対する怒りをいつまでも聞き続ける訓練をおろそかにしてはないない。他人の怒りを絶対に切り捨ててはいけない。
他人とはあっさりと嫌いあっていけばいいのです。対立しあっていけばいい。その技術は意外に高度かもしれない。なぜならわれわれは嫌いをゼロに薄めるか、無限大に増幅するかのどちらかになりやすいから。安全な限りでの低空飛行でお互いに嫌いであることを冷静に確認しあえればいい。
この国の人々は、個人と個人が正面から向き合い真実を求めて執念深く互いの差異を確認しながら展開していく対話をひどく嫌い、表出された言葉の内実より言葉を投げ合う全体の雰囲気のなかで、漠然と微妙に互いの人間性を理解し合う会話を大層好む。
この国では、事実を語るより「思いやり」を優先する。こういう教育のもとでは、若者は思いやりを尊重するゆえに真実を語らなくなる。語れなくなる。みな
他人への思いやりややさしさにおしつぶされて「なぜですか?ソクラテス」「ソクラテスよわかりません」という単純な言葉を発することができなくなる。
思いやりと優しさは暴力。
対話のある社会とは相手に勝とうとして言葉を駆使するのではなく、真実を知ろうとして言葉を駆使する社会。思いやりとか、優しさという美名のもとに相手を傷つけぬよう配慮して言葉を飲み込む社会ではなく、言葉を尽くして相手と対立し、最終的には潔く責任をひきうける社会。対立を避けるのではなく、他者を消し去るのではなく、
他者の異質性を尊重する社会。
組織で殺されないための三原則
1仕事ができること
2勤勉であること
3誠実であること
世の中の幸福論が総じて嘘くさい。
幸福論は自分が幸福であると確信している人が書く。そして誰でも自分と同じようにすれば幸福になれると説く。これは幸福教の暴力的な布教である。
幸福教の大合唱の中で、真実に目覚める一握りの人。2001大阪池田小で、死んだ娘がどのような最期であったか両親は知ることを望み、傷跡や様々な状況証拠から、ようやく突き止めたというドキュメンタリー。
7歳の娘が体のどの部分をどのように刺され、‥それを知ることは両親にとっては身も裂けるほど辛いこと。しかし、真実を知りたいという欲求が忽然と湧き上がる。娘のために真実を知ってやりたいという思い。不幸のどん底に落とされても手に入れたいものがある。
ニーチェ 同情を安易に求めるものを足蹴にしているようだが、実は人間としての誇りを大切にしたい。他人に縋り付かないで、自分の足でしっかり立ってもらいたい。
勝手に生まれさせられ、すぐ死ぬ。という大枠がはめられている限り、人生は理不尽に決まっている。
ニーチェ 偉大な哲学者ではなく、桁違いのパワーを持っていた男。柔和で品行方正で臆病で弱気で卑劣で素直である自分との反対物を死に物狂いで求めていった男。その結果精神を崩壊させた男。その生涯は生きる勇気を与えてくれるもの。
善人は畜群[集団から突出することを恐れる人間]
優れた資質を持つものが謙虚であることほど簡単なことはない。すでに多くの人から賞賛されているから、その上傲慢になる必要がない。劣った形質、仕事で失敗した者、幸運から見放された者が卑屈にならず、自殺せず、犯罪に走らずに生き抜くことに比べて無限に容易。
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フツウを、善としているひとには、違和感を覚える本。
ただ、普通を極めるには普通の真逆も、みきわめるには、良書。
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希望を持つようにになるわけがないが
なんだか安心した。
絶望していいんだ
なにもかも捨てて、でもまた悩んで、そして苦しみの繰り返しの中で喘ぎ続ける…
えんえん納得できない納得しない
「それでいいんだ」と言わなく
理不尽を凝視し
繊細な精神を保て…
でも言葉もまた絶望的に無力で無意味なものだ
読んできた言葉や自ら発した言葉も
あんまり意味ないんだ…
なんの形も持たなく 明日でも今日の自分の言葉を誤解して
今日の自分と違う人になる…これは悲しいな…どうしようもないか… -
語録と知らずに購入。
カインという本を読もうかしらと思った。
この人の本は人間をこじれさせる可能性が多分にあるので距離を置いて読むのが良い。 -
人生とは理不尽の極みであり、幸福たり得ない。ということが書かれている。哲学が好きで愚鈍である私は特に見えてもいない。だからこそ、心に残ることが色々分かる本だった。
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著者プロフィール
中島義道の作品
