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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784413230711
作品紹介・あらすじ
2018年春に予定される塔内一般公開を契機にふたたび世間の耳目を集めるであろう《太陽の塔》。岡本太郎の最高傑作にして日本社会への強烈なメッセージを内包する大阪万博テーマ館は、若者たちの気概と情熱の産物だった。前代未聞、誰にも経験のなかったこの巨大プロジェクトに、彼らはなにを考え、どのように立ち向かっていったのか。本書は、岡本太郎のもとで《太陽の塔》と「テーマ館」の建設に携わった男たちのインサイドストーリーを収めた非常に貴重な歴史的「証言集」である。
みんなの感想まとめ
歴史的なプロジェクトである「太陽の塔」の建設に関わった人々の情熱と苦悩が描かれた本書は、1970年の大阪万博における独自の視点を提供します。インタビューを通じて、当時の若者たちがどのように困難を乗り越...
感想・レビュー・書評
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1. 問いかけとタイトル
「調和」という名の事なかれ主義に、窒息しそうなあなたへ。
『 予定調和をぶっ壊せ。── 岡本太郎が「7人の男たち」と企てた、"建設的喧嘩"の記録 』
2. 出会いの文脈(プロローグ)
最近、会議に出るたびにため息をついていた。
「では、この方向で調整ということで」「波風立てないように進めよう」
大人の対応、リスクヘッジ、コンセンサス。聞こえはいいが、そこにあるのは熱狂ではなく、冷めた「処理」だ。誰も傷つかない代わりに、誰の心にも刺さらない企画ばかりが量産されていく。
「俺たちが作りたかったのは、こんな無難なモノだったか?」
そんな乾いた閉塞感を抱えていた時、書店でふと、あの異様な塔の表紙と目が合った。
『太陽の塔 岡本太郎と7人の男たち 48年目の誕生秘話』。
著者は、岡本太郎記念館館長の平野暁臣氏。
なぜ、あの不気味で不可解な塔が、万博という国家プロジェクトのど真ん中に建ったのか?
帯にあった**「ベラボーなものを作れ」**という言葉に引っぱたかれた気がして、私はこの本をレジへと持っていった。
3. 私を変えた「視点」(ハイライト)
読み始めてすぐに、私の予想は裏切られた。
これは単なる「天才・岡本太郎の偉人伝」ではない。**「太郎という『災害』に直面した、プロフェッショナルたちの格闘技の記録」**だったのだ。
私が最も震えたのは、万博のシンボルゾーンを巡る、「大屋根」の攻防だ。
当時の建築界のトップ、丹下健三(たんげ けんぞう)が設計した、近未来的で論理的な「大屋根」。それは万博のテーマ「調和」の象徴だった。
そこに岡本太郎は、「屋根をぶち抜いて、バケモノのような塔を立てる」と言い出したのだ。
建築家からすれば狂気でしかない。雨仕舞いはどうする? 構造強度は? 美的バランスは?
常識なら「却下」だ。しかし、ここで登場する「男たち」──構造家の川口衞(かわぐち まもる)をはじめとする技術者たちは、太郎の狂気を否定しなかった。
> 「太郎さんのデタラメを、どうやって建築として成立させるか」
>
彼らは太郎と喧嘩し、怒鳴り合いながらも、技術の粋を集めてその「不可能な穴」を開けた。
「妥協なき対立こそが、調和を生む」。
この逆説的な事実が、ページをめくるたびに私の脳を揺さぶった。
4. 思考の対話(メインエッセイ)
この本を読みながら、私は自分の仕事を振り返らずにはいられなかった。
今の私たちは、「対立」を恐れすぎているのではないか?
意見がぶつかることを「トラブル」と呼び、すぐに折衷案を探す。A案とB案の間をとって、角を削って丸くする。そうして出来上がったものは、確かに整っているけれど、誰の「熱」も宿っていない。
しかし、太陽の塔の現場は違った。
岡本太郎は**「絶対に対立しろ」**と言った。
丹下健三という「論理(ロゴス)」の巨人と、岡本太郎という「感性(パトス)」の怪獣。
そして、その間に挟まれた男たち。
彼らが凄かったのは、太郎の無茶振りを「イエスマン」として聞いたわけではないことだ。
「それは無理だ」「構造的にありえない」と徹底的に反論し、戦わせた。
「なあなあの関係」ではなく、「プロとして互いの領分を侵さないための、本気の殺し合い」。
私がハッとしたのは、**「本当のチームワークとは、仲良く手を繋ぐことではなく、互いが違う方向を向いて引っ張り合うことだ」**という気づきだ。
その強烈なテンション(張力)が、あの塔を半世紀以上も立たせているエネルギーの正体だったのだ。
途中、工事の遅れや予算の壁にぶつかる描写がある。私なら「もう諦めよう」と思う場面でも、彼らはニヤリと笑っているように見えた。
「難題が来たぞ。どうねじ伏せてやろうか」
そんな男たちの、脂ぎった熱気が文字から立ち昇ってくる。私は、自分の仕事における「面倒くさいこと」が、実は「面白くなるチャンス」だったことを見落としていたのかもしれない。
5. 未来への栞(エピローグ)
本を閉じると、胸の奥にあったモヤモヤが、「種火」に変わっているのを感じた。
明日、会社に行ったら、あの気になっていた企画に「異論」を唱えてみようと思う。
もちろん、ただの文句ではない。
「もっと面白くするために、あえてぶつかる」のだ。
上司や同僚と衝突するかもしれない。空気が悪くなるかもしれない。
でも、**「ぶつかり合い(対決)のないところに、本当の調和(芸術)は生まれない」**のだから。
もし誰かに「なんでそんな面倒なことを言うんだ」と言われたら、心の中でこう呟こう。
「太陽の塔だって、屋根をぶち抜いたからこそ、伝説になったんだ」と。
この本は、私に**「戦う勇気」と「プロとしての矜持」**を植え付けてくれた。
6. 記憶のアンカー(要約一文)
「調和とは、妥協することではない。猛烈にぶつかり合い、その火花の中で互いを認め合うことだ。」
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2011年からのインタビュー集。2025年現在では亡くなられた方もおられ、当時の空気を感じることのできる貴重な文献だと思う。
私からみると2世代前の話。「戦後の日本」という言葉はよく聞くけれど、具体的にイメージはできていなかった。1970万博に主に関わっていた人が20〜30代が中心だったというのも初めて知り驚いたが、その理由もまた「戦後」の中に含まれているとはこのインタビューを読むまで想像に及ばなかった。
また、新井真一さんの章でヴェルプ万博論が紹介されていたが、今回の万博含め「万博とは何か」の本質を改めて胸に手を当てて考えた方が良いと感じた。
当時の特殊な空気感、一人一人の矜持と熱い想い。このインタビューを読むと1965〜70年にタイムリープしているようで、夜に一章ずつ読み進めていく時間がとても楽しかった。 -
1970年、大阪万博の「太陽の塔」を実際に作った人たちのインタビュー。
当時、いったいどういう経緯で岡本太郎がプロデューサーになったのか、太陽の塔という“ベラボー”なものを建てられたのか、その実際的な建築の手法などを、携わった専門家の思い出から紐解いていく。それは、困難と、困難をどう乗り越えていくか、スリリングな物語だ。
確かに、今、考えても、突拍子もないデザインと展示屋根を突き破る破天荒な企画だ。単なるデザインと発想はともかく、それを実現するのは、安全性や骨組み、素材も含めた現実的な建築手法に落とし込む技術が必要になる。それを「実現」させた人たちの物語だ。
今一度、太陽の塔の前に立ちたい、と思わされた。 -
これは、「太陽の塔」と大阪万博のテーマ館を手がけた岡本太郎と7人の男たちのインサイドストーリーである。前代未聞の巨大プロジェクトに立ち向かった彼らの情熱に迫る。
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(図書館員のつぶやき)
2018春よみがえる!それは岡本太郎さんの太陽の塔でした。何度見てもどこからこんな形が創造できるのだろうと不思議ちゃんな太郎さんです。とにかくデカい!どうやって作る?誰が?今なら作れる?ケンカしなかったの?ふむっ7人のサムライは懐がひろかったんです。未来に残りました、よくぞ作ってくれましたね。 よかぎん読んでみらね(良かったら読んでみませんか) -
【新着図書ピックアップ!】「太陽の塔」岡本太郎と7人の男たち
岡本太郎のもとで「太陽の塔」の建設に携わった男たちの物語。2018年春に塔内は一般公開されている。この機会に「太陽の塔」について注目してみたい。
A story of the men who were involved in the construction of "Tower of the Sun" under Taro Okamoto. In the spring of 2018 the inside of the tower is open to the public. Let's take a closer look at "Tower of the Sun" at this opportunity.
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