人間の完成 マスロー心理学研究

  • 誠信書房 (1988年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (324ページ) / ISBN・EAN: 9784414301274

感想・レビュー・書評

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  • http://b.hatena.ne.jp/entry/bukupe.com/summary/1613

    はじめに

    20代後半から30代前半にかけて、心理学者のマスローとそのマスローの翻訳者でもある教育学者の上田吉一さんの本を何度も読みました。

    読む度に、心が洗われるのと同時に、将来への自信めいたものが湧いてくるのを感じたように思います。

    マスローと上田吉一さんの数ある書籍の中で、この本は、「生理的欲求」「安全欲求」「所属と愛情の欲求」「尊重の欲求」がほぼ満たされ、第5の水準の「自己実現の欲求」に達しつつある方におすすめです。

    少し難解な本ですが、じっくり読めば、心に響く文言がいっぱい詰まっています。上手にまとめられず、読み苦しい点が多々あるかと思いますが、ポイントを紹介させていただきます。

    ポイント

    ・安全欲求は、整然とした秩序や明確な対象と動かないものへの依存や信奉にみられる。これは、自らの不安定な状態を、少しでも対象の安定性によって補おうとする心理から生ずる

    ・安全欲求が満たされた場合、他人の庇護も、集団の規律も、絶対的な教条も必要としない

    ・尊重欲求を他人の評価に依存する場合、人は世俗的な名声、地位、栄誉、権威、権力の虜となる。つまり、自己の劣等感、無力感を社会評価によって補おうとする心理である

    ・欲求満足の達成せられた人は、複雑なもの、新奇なもの、未知なるものを好み、これを探索することに喜びを感じる

    ・成長動機の人格は、世間体を気にしたり、うわべを飾ったりする必要がなく、自由な行動がとれる

    ・よい選択ができる人は、自由な立場で自主的な判断のできる人であり、現実を広い視野から見透すことができる

    ・まやかしを見抜き、真に優れた人物を選べるか否かは、自己の利害、不安や恐れなどの感情を超越して見る眼によるもの

    ・自己実現を遂げた人は、堅苦しい人間ではなく、状況次第では、無秩序でだらしなく、あいまいで大雑把になることができる人

    ・自己実現する人は、自己中心ではなく、問題中心の生き方をする

    ・自己実現する人は、孤独でいたいという強い欲求をもつ

    ・自己実現者は、自己の見解を多数の意見に合わせようとせず、孤立したとしても、自己の内面の声にしたがう

    ・自己実現しつつある人は、建設的な社会批判の態度をもっている

    ・自己実現を高度に達成している人は、至高経験を体験している。至高体験には、宗教的体験(悟り、回心、献身、帰依)、神秘的体験(畏敬、驚異、敬服)、審美的体験(共鳴、共感、賛美、礼讃、感動)、創造的体験(閃き、洞察、直観、発見)、愛情体験(信頼、受容、尊重、合一)が含まれる

    ・自己実現する人は、交際範囲が狭く、ごく少数の人と深い結びつきをもつ

    ・自己実現しつつある人は、階級、教育、政治的信条、民族、出身地、皮膚の色等によって人を差別することなく、誰とでも友好的になれる。そして、権威によって人を評価したり、態度を変えることはなく、地位、名声などのレッテルの底にある人間性を問う

    ・自己実現する人は、多くの人が重要と思っている、身近な人間関係、特定の組織に対する義務、金銭的利害、日常の生活習慣、服装儀礼などに無頓着で、周囲の期待や信頼を裏切ることが多い

    ・真に創造的な人間は、他人の意見に謙虚に耳を傾けても、それはあくまで自己の見解を形成するためである

    ・至高経験においては、人格は利害を超越するので、無欲、無我、無心の心境に立つ。対象に没頭、集中するため、自己は意識からかき消されてしまう

    ・超越的人間は、金銭、政治、世俗的愛情、地位、権力の問題をあまり語らない。語るのは、人生、価値、意味、苦悩と救済、神や理念、芸術の問題など、高次の哲学的宗教的課題である

    感想

    一般的に、すでに高次欲求の域にある方は、周囲の人との距離感、違和感を何となく感じているように思います。

    そういう人にとって、この本は、自分が進むべき方向に確固たる自信を与えるのではないでしょうか。

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