TEMではじめる質的研究

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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784414301700

感想・レビュー・書評

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  • はじめに
    「個人の経験の多様性を描くには、時間を捨象せずに描くことが大事だと私たちは考えた。時間を描くためには、月齢や年齢を一度カッコに入れてしまい、ある出来事をどのように経験したのか、そこにだけ焦点を当ててみることが大事だと考えた(pp.?)」

    第1章 TEMの発祥とT・E・Mの意味
    第1節 TEM発祥の時間的経緯
    3 文化心理学における記号
    「文化心理学におけるヴァルシナーの特徴は何だろうか。
    それは記号の重視ということにある。ヴァルシナー(1999)のエピローグ章のタイトルは「記号的要請設定における発達のなかの文化」である。英語表現は「Culture in development within semiotic demand setting」であり、記号的な要請設定が人間の発達を形づくり、そのなかにこそ文化を見て取ることができるということを示している。これは、俗に言う、文化の容器モデル(文化という入れ物があって、そのなかで人間が文化の影響を受けながら発達を行う)という考え方とは正反対の考え方である(pp.6)」

    第2章 HSSの発祥とTEMとの融合
    第1節 HSSの発祥とTEMとの融合
    1 EFPとHSS
    「前章でも紹介したが、ベルタランフィによれば、同じ最終状態が、異なる道を経ても実現するのが開放システムの特徴であり、その最終状態を等至点と呼ぶ。これは、彼の対象が物質の世界だからであり、人間を対称にする研究では「同じ」という語を簡単に使っていいのか、ということは問題になりうる。だが、「同じ」最終状態ということを仮に設定することは決して意味のないことではない。なぜなら、研究対象の焦点化の作用があるからである。(pp.34-35)」
    「しかし、HSSにおいては、結果としてはそのようには考えない。サンプリング手順としては、研究対象となるある経験を(便宜的に)同じ経験として考え、一つのカテゴリーを生成し、その経験をした人を対象にして研究を行うが、その経験に至る経路は誰もが同じだと考えるのではなく、さまざまな経路を仮定する。そして何よりも、最初同じものとして考えた一つの経験がどのような幅を持ちうるかも考えるのである。「同じ」ではなく「同じような」経験として考えるのである。このような方法で普遍性に近づくのがHSSなのである。(pp36)」


    第3章 TEM動乱期(2006-2007)
    第4章 概念の豊富化と等至点からの前向型研究
    第5章 方法論に関する問いかけ
    第6章 TEMがもたらす未来

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著者プロフィール

立命館大学総合心理学部総合心理学科教授

「2019年 『質的研究法マッピング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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