- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784414304176
作品紹介・あらすじ
わざと相手に不便を感じさせて説得力を高める方法、「頭がよすぎる」と損をする?打撃練習に学ぶ説得のコツとは?多数の実例と実験をもとに、説得の極意とその活用法を解説。成功は、失敗談のなかにこそ隠れている。
感想・レビュー・書評
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実例を挙げているから実践編。
たしかにこの実例はあれを使っているねというのは
ありますが、中味的には新しいものはないですね。
本編かこちらか、どちらかだけで十分と思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実践編というだけあって、具体的な研究結果がたくさん出ていて、とても興味深かった‼︎
以下が覚えておきたいメモ。
返報性(恩恵を受けたら報いなくてはならないと感じること)
権威(専門家に指示を仰ごうとすること)
→自分がグループ内のリーダーになったときは、自分の立場を明らかにする前に他のメンバーの考えを聞く
コミットメントと一貫性(自分のコミットメントや価値観と一貫した行動をとろうとすること)
好意(好意をもつ相手ほど賛同したくなること)
社会的証明(他人の行動を指針とすること)
→相手と似たような立場の人が、トピックに対して肯定的な反応を示したことを伝える
希少性
→トピックが、限られた相手にしか与えられないことを示すと、欲しくなる
・選択肢が多すぎると人は決断することを面倒に感じてやめてしまう
妥協の選択
→最低限必要なものと最大限手に入れたいものの中間を選びがち
相手に何かを与えるときは、それが相手にとって重要なもので、与え方が予想外で親しみが感じられるものでなければならない
ラベリング・テクニック
→相手に対してある一定の、特徴、態度、信念をラベルのように貼りつけ、そのうえで相手にそのラベルのとおりに振る舞うよう求める
トピックの小さな欠点にあえて触れることで、自分は誠実で信頼できるというイメージが生まれる。
その際、その短所に関連した長所を組み合わせて示すとよい
人は自分と関連があるものに特に好意を感じやすい(名前が似ている、出身地が同じなど。また、相手の言ったことを繰り返す、同じ行動をする、なども効果がある)
損失回避
→人は、得られるものの価値よりも、失いそうなものの価値の方を高く感じやすい
相手に何かを頼むときは、頼みごとのすぐ後ろに「なぜなら〜だから」という強力な根拠をつけると受け入れられやすい
相手にある見方を好む理由を挙げてもらうと、その人のその見方に対する信頼感を高められる
その商品を使うことを想像するのが易しいか難しいかが、消費者の判断に影響する -
50の実例と理論に基づく解説で、理論を証明だてた実験などの論考部分は少ないけれど、この一冊で十分に学べるのではないか。分かりやすく、考えさせられる。
・たとえば、あなたが月例会議の欠席者が多いことに頭を悩ませている管理職だとしましょう。欠席者が多いという点に注目を集めるような真似をしてはいけません。あなたがそのことを残念に思っている事を示し、同時に、実際には大多数の人が出席している事を指摘して、欠席者は少数者だという事実を強調してください。
(マイナスの社会的証明はマイナスの行為を助長することがある)
・手書きの付箋付き(「調査票の記入をお願いします」というメッセージ)の調査票の回答率は69%、何も書かれていない付箋は43%、付箋無しは34%だった。付箋ではなく、調査票に直接メッセージを書いた場合、48%。付箋に送り主のイニシャルを入れたり、「ありがとうございます」などもっと親しみをこめると効果が上がった。しかも、短期間により詳しく丁寧な回答をしてくれる率が高かった。
依頼する際に手書きの一言を記した付箋を活用すれば、得をするのはスリーエム社ばかりではないということです。
・宿泊客がタオルを再利用してくれた場合、ホテルは節約されたエネルギーの一定割合を環境保護団体に寄付しますとメッセージを書いても、ただのタオル再利用お願いのメッセージと効果に差はなかった。しかし、ホテルが先に寄付を行い、そのあとで宿泊客に協力をお願いする(つまり順序を入れかえる)と最初のメッセージより45%高い効果があった。二つのメッセージは、ホテルの行動はほとんど同じだが、本質はまったく異なる。最初の物はインセンティブに訴え(こうしてくれたらこうします)、後者は返報性に訴えている(こうしました、ところでこうしてくれませんか?)。
・しかし、ここで彼(ジェームズ・ワトソン)は、成功理由としてもう一つ驚くようなことを付け加えました。とらえにくいDNAのコードを解読できた一番の理由は、この問題を追求していた科学者のなかで彼らがそれほど優秀ではなかったからだ、というのです。
…続くインタビューでワトソンが述べたところでは、当時この問題に取り組んでいた科学者で最も優秀だったのは、パリ在住のイギリス人、ロザリンド・フランクリンでした。「ロザリンドはあまりに優秀だったので、めったに人にアドバイスを求めなかった。いちばん賢いということは、厄介なことなんだ。」
・優れた判断によって悲劇的な結末を避けられた実例を扱ったトレーニングと比べて、ミスが起きた事例に基づくトレーニングは、参加した消防士の判断力がはるかに向上することが分かりました。
・研究結果にしたがうなら、購入費用の増加という短所を挙げてから、それと関係ある長所について述べ、ほかの特徴には触れないでおくのが得策です。「一見、わが社の新製品は20%も割高に見えますが、ずっと長持ちしてメンテナンス費用がかからないことをお考え頂ければ、そのぶんを補って余りあります」と言う方が、「我が社の新製品は割高ですが、速くて場所を取りません」と言うよりも説得力があるのです。
言い換えると、欠点に触れたあとは必ずそれに関係ある長所について述べて中和させるのが大事、ということです。酸っぱいレモンしか手に入らない運命なら、リンゴジュースなど欲しがらず、おいしいレモネードを作りましょう。
・オペレータ:「お気を悪くさせてしまい、申し訳ありません」
女性:(大声になって)「私は気を悪くなんてしていませんよ。怒っているんです。」
オペレータ:「はい、ご不快に思われているのは承知しております」
女性:(金切り声で)「不快?不快ですって?私は不快じゃなくて怒ってるんです!」 -
~1021
1 不便を感じて高める説得力
2 バンドワゴン効果をパワーアップ
3 社会的証明の思わぬ落とし穴
4 「平均値の磁石効果」を防ぐには?
5 選択肢が多すぎると買う気が失せる
6 特典の有り難みが薄れるとき
7 上位商品の発売によって従来品が売れ出す不思議
8 恐怖を呼び起こす説得の微妙な効果
9 チェスに学ぶ、うまい一手
10 影響力をしっかり貼り付けるオフィス用品
11 ミントキャンディーの置場所再考
12 与えることが人を動かす
13 感謝の気持ちを蘇らせる一言
14 千里の道も一歩から
15 ラベリング・テクニックの上手な使い方
16 簡単な質問が相手の協力を引き出す
17 人を目標に結び付ける積極的コミットメント
18 一貫性をもって一貫性に制す
19 フランクリンか学ぶ説得のコツ
20 小さなお願いが引き出す大きな成果
21 安くする?高くする?オークションの売り出し価格
22 さりげなく能力を際立たせる
23 優れたリーダーの力を最大限発揮させるには
24 機長症候群の教訓
25 集団思考の落とし穴
26 悪魔の代弁者の効用
27 最良の教材は過去の失敗例
28 短所を長所に変える最善策
29 弱点も見せ方次第
30 過ちを認めて。防止に全力投球
31 システム障害発生、でも責任者は救われる
32 類似点が導く大きな力
33 名前の響きの意外な効果
34 ウェイターから学ぶ説得術
35 人の気持ちを変える本物の笑顔
36 日付違いのマグカップが完売した理由
37 損失回避と希少性の原理から得られる教訓
38 説得を後押しするための決めの一言
39 想像しやすさが成否を分ける
40 読みやすく簡潔に、が鉄則
41 韻を踏むことで増す影響力
42 バットリングと知覚コントラストの関係
43 一足早いスタートでロイヤルティを勝ち取る
44 クレヨン箱の中にある説得のヒント
45どこまでも、どこまでも、伝わるメッセージ
46 鏡の中の「望ましい自分」が人を導く
47 交渉ごとに悲しみはご法度
48 注意を鈍らせる感情の高まり
49 明晰な意思決定は睡眠から
50 「トリメチル・ラボ」で手に入れる影響力増強薬 -
名著「影響力の武器」の続編であり、応用編であるこの本には、
ビジネスからプライベートまで、あらゆるシチュエーションで使える
人のココロを動かすための実践的ヒントが詰まっている。
購入してからずっと積読状態だったが、
重い腰をあげて、ついに読み始めると、
これがやめられない、止まらない。
読書中に、ココロの中で、
何度「へえ」ボタンを押したかわからないほど、
発見と気づきに満ちた本であった。
1作目の社会的証明や返報の法則は
あまりにも有名になったが、
それらを自分のものとし、
使いこなすためにも、
この本にまで触手を伸ばすのは
決して時間の無駄遣いにはならないだろう。
営業や組織論、コミュニケーション論、行動原理などの本は
時流にのって次から次にタイトルを変えては出版されて、
色あせるものも多いけど、人間の真理をつく「影響力の武器」と
この実践編は、何年後も価値が変わることはない。
毎日を生きるにおいて背骨となる知識のひとつだ。
「影響力の武器」に続いて、
文句なしで「殿堂入り」の1冊。 -
本編の内容を多数の事例とリンクさせた本。基本的には本編のみで良いと思うが、より理解力を求めたい人に向け。本書後半の21世紀におけるコミニュケーション原則は、グローバルで仕事をしている人には是非読んで欲しいと思う。
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影響力の武器の続編ともいえる本だが、1冊目の青い本のほうが内容が濃い。
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13.8.17 プレジデント 2013.8.12号