- Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
- / ISBN・EAN: 9784414304220
作品紹介・あらすじ
社会で騙されたり丸め込まれたりしないために、私たちはどう身を守れば良いのか? ずるい相手が仕掛けてくる“弱味を突く戦略”の神髄をユーモラスに描いた、世界でロングセラーを続ける社会心理学の名著。待望の第三版は新訳でより一層読みやすくなった。楽しく読めるマンガを追加し、参考事例も大幅に増量。ネット時代の密かな広告戦略や学校無差別テロの原因など、社会を動かす力の秘密も体系的に理解できる。
感想・レビュー・書評
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自分の頭で考えて、行動する。
なるべくそうしたいなと、心がけています。
しかしこの本は、「私たちの判断・行動は、他からの働きかけによって大きく影響を受けている」と説いています。
まずその理由として、判断に必要な情報が多すぎること、そのため全部の情報ではなく、一部の情報によって判断・行動を選択する”思考の近道”を、人間は(必要に迫られ)してしまう、と説明しています。
影響を受ける要因として、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性、を挙げています。
それぞれの要因について、”思考の近道”のスイッチが入った人がどのような行動をとるか、具体的な事例を交えて説明されています。
事件や詐欺の話が多いので、これらの心理的反応がマイナスに働いた場合、さらには悪用する人に遭遇した場合に、第三者から見て「なんでそんなことを・・・」と感じるような行動をなぜしてしまうのか?リアル感を持って理解することが出来ました。
自分自身、一貫性や希少性といった要因には影響を受けているなあと、反省させられました。
そしてやっかいなのは、これらの要因によって導かれる”思考の近道”は、通常であれば有効に働くということ。
「他人を見たら泥棒と思え」では、普段の生活もままならない・・。
大きな判断をする際やとっさのトラブルに遭遇した場合に、自分がどのような経緯で判断を下そうとしているのか、その判断はこの本に書かれている失敗パターンになっていないか、いま一度考える癖をつけたいと思います。
事例が多く、また各章ごとに振り返りもつけられているので、読みやすく理解しやすい、実用的な一冊でした。
『「自分」の壁』養老孟司
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4106105764
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メンタリストDaiGoさんがおすすめという事で読みましたが分厚いながらも面白くてスイスイの読みすずめられました。
無意識に誘導されてしまっていた他人からの影響力の武器に気付ける本で、これを知っていたら過去の自分のセールスや人との会話、行動が変わっていたなと考えながら読んでいました。
すぐにでも自分の生活に使える知識を得ることが出来る何回も読み返したいいい本。
おすすめです! -
【本の概要】影響力の武器
その①:返報性
その②:一貫性とコミットメント
その③:社会的証明
その④:好意
その⑤:権威
その⑥:希少性
【この本を読んだ目的】
上記に記される影響力の武器はもちろん、日常生活において自分の本来の意図に反する承諾をしてしまわないようにという意味で読むこともできたであろう。しかし私はもちろん、逆の立場として(影響力の武器を行使する立場として)この本を読み進めた。具体的には約半年後入社し、営業マンとして活躍するために、そして今のバイトに生かすために読んだ。
※バイトでは、業務の一部として「架電」を行っている。これは直接対面しての営業ではないが、通ずるところは多くあると思う。
【要約】
①返報性:
人は誰かから何かを提供されると、それに対してお返しをしないといけないと思ってしまう、知らぬ間に恩義を感じてしまうのである。例えば誕生日プレゼントを人からもらうと今後はその人の誕生日には必ずプレゼントを贈らねばならない、といった具合である。それは、身近な人にだけでなく、見知らぬ人や嫌いな人にも働く力である。なぜそのような心情が起こってしまうのかというと、一つには単純にただ恩義を受けただけになると自分自身が不快な気持ちになるから。そしてもうひとつに、ただ他者の親切を受けるばかりでお返しをしない人は、周りの人々から嫌われてしまうからということ。さらに「拒否したら譲歩」法というものもあり、これは、ある要求を拒否した相手は、次に出される要求に対し責任感と満足感を感じてしまうというものである。相手に取りまとめてもらったという責任感と、自分の交渉がうまくいったという満足感である。要求をのみこませる側は、本当に提供したいモノをわざと2番目にもってくることで、提案をより通しやすくさせる。
②コミットメントと一貫性:
人は、他者から矛盾した人間だと思われたくないため、自分が発言したことには一貫した態度をとろうとするものである。例えば、一度読書が趣味だと公言してしまうと、常になにか語れる本を持たねばならないと思い読書を続け、では月に1回読書レポートを提出しようとなると、さらに定期的に読書を続けてしまう。最初に「読書が趣味だ」と言った時点で、他人から「読書なんて本当は趣味でもないやん」と思われないように一貫して読書を趣味にし続けるのである。そしてこの一貫性の法則は、「努力の後に続くもの」「自分で決めたもの」により強い効果をもたらす。さらに「承諾先取り法」というテクニックがある。これは、一度相手に決定を下させてから、最初に相手を誘った条件を取り除くというものである。多くの場合、一貫性の法則に従って、条件を取り除いても決定を覆すということは起こりがたいのである。例えばこれは本当に最近あったことだが、(前提として私はコーヒーが飲めない)スタバで、何を飲むか決めていないが店員さんの笑顔に引きつられてレジにいき、そのままおすすめのコーヒーを勧めながら「これは苦みも酸味も少なくコーヒーが飲めない人でも飲みやすい」と誘われ、更に「バニラシロップを加えると本当に苦みがしない」と言われた。私はそれにしますと答え、バニラシロップは値段かかるんですかと聞いたら「+50円です」と言われた。高いなと思ったが”自分の一貫性を保つために”引き下がれなかったのである。結局そのコーヒーは苦く、どれだけ牛乳を足しても飲めず家で捨てました。この店員さんは、影響力の武器を知っていたのだろうか。
③社会的証明
一言でいうと、特定の状況である行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断することである。この影響力が強くなる条件は2つある。1つは、「不確かさ」である。人は、自分の置かれている状況が曖昧な時、ほかの人々の行動に注意を向けて、それが正しいものだとして受け入れてしまう。例えば、17時という図書館の閉館時間を知らずに滞在し、周りの大勢が彼らの都合で16時に退出しようとしているところを見ると、あたかも閉館時間が16時だと思い込んで自分も退出してしまう。条件の2つ目は、「類似性」である。人は自分と似た人の行動に従う習性がある。例えば自分の大学の人がこの「影響力の武器」という本を読んでいると、自分も読むべき本だと思って読んでしまうし、自分の会社の人が読んでいると自分もまた読もうとするだろう。
④好意
人は自分が好意を感じている人に対してイエスという傾向がある。好意に影響する要因は全部で5つある。1つ目は「身体的魅力」である。外見が魅力的であると、目には見えない才能や親切さといった部分も優れていると思えるのである。2つ目は「類似性」である。我々は自分と似た人に好意を感じ、そのような人の要求には自動的にイエスという傾向がある。3つ目は「称賛」である。ノーマルなお世辞なら好意を高め、承諾を引き出しやすい。4つ目は「人や関連させたい事物との接触を繰り返し、なじみをもたせる」ことである。これは不快な環境ではなく、快適な環境の中で接触が起こる場合に当てはまる。特に相互の協力によって成功がもたらされる場合。(メモ「本の中の事例」:白人の子供と黒人の子供を仲良くするために共通の目的をもたせる)5つ目は「連合」である。好ましい事象と自分がむずびついていることで効果を発揮すること。逆に自分と好ましくない事象は積極的に他者の目から切り離そうとする。最後の例として、最近みたCMに”東京オリンピックとカップラーメンを結び付けてカップ麺の宣伝をするというものがある。この本を読んだ私は内心、「カップ麺はオリンピックとなんら関係がないのにな」と感じていた。
⑤権威
人は権威者から命令されると、自分の意に反していても逆らうことなく服従してしまう。これは、本当の権威者は優れた知識と力をもっているからだけでなく、社会的に権威者に従うことが正しいという固定観念があるからでもある。(例えば、教師や親のいうことは意味を考えずに服従すべきだという習性)また、権威者そのものではなく、肩書、服装といったシンボルに反応してしまうこともある。
⑥希少性
人は機会を失いかけるとその機会をより価値あるものとみなす。具体的には、デパートやスーパーで「数量限定」や「最終セール」といった文句があるだけで、その商品には価値があり今買わねばならないと感じてしまうことである。希少性の原理が効果を上げる理由は2つある。1つ目は「手に入れにくいものはそれだけ貴重なものであることが多いので、ある品や経験を入手できる可能性が、その質を判定できるてっとり早い手がかりとなる」からである。2つ目は「ある品やサービスが手に入りにくくなっているとき、私たちは自由を失っているから」である。さらに希少性を高める状況として、自分の目の前で、あるものが新たに希少なものとなっていくときや、希少性が高い上に他者と競い合わなければいけなくなったときが挙げられる。
【感じたこと】
この本の最初の七面鳥の母鳥の例を読んだとき、「なんて愚かなんだろう」と少なからず思ったところはあった。しかし読み進めていくうちに、現在の私たちの日常にこの母鳥のような行動はあふれているものだと悟った。もちろん私個人の経験にも当てはまり、長い本だったので読み進めるのは大変であったが、内容的は興味深く、私たちにかなり普遍的なものであったと思う。
そして本の最後にもあったが、著者の言葉を借りれば「カチッ・サー」行動は、無数の情報を誰でも簡単に手に入れることができるゆえに、情報過多に陥ってしまう現在の問題を一言で表していると感じた。人間はその他動物と比べると、本能だけではなく思考をして行動できる動物ではあるが、この「情報過多」で目まぐるしく変化する時代ゆえに、もはや人間以外の本能的な動物に逆行してしまっているところがある。
しかし私は、この事実をマイナスにとらえているのではない。言い換えれば、これらの影響力の武器さえしっかりマスターすれば、より多くの人々に自身のサービスを使ってもらえるのである。
もちろん、悪質で、サービスを承諾した人が後々どう考えても不必要で悪だと思うモノを提供するのはよくない。しかし、サービスの需要者が、彼らにとっては必要だけれでもただ気づいていないだけ、というケースもある。私は、自分が春から入社する会社のサービスを(まだ深く理解しているわけではないだろうが)確実に世の中の企業にとって良いものだと思っているから、そして今働いている企業のサービスが必ず役に立つものだと確信しているから、喜んでこれらの影響力の武器をマスターしたいと思う。
逆にいうと、心から営業したいと思える対象に出会えている自分はかなり幸せだなと思います。(自分は対象に対してよく思っていないのに、利益のために影響力の武器を使わざるを得ないのは悲しすぎる。)
【これから実践していくこと】
今回は、内容は理解しやすいが実践は難しそうなテクニックが多く、またインプット量もかなり多かった。これを読んだだけですぐに何かに実践に移すことは難しいように思える。できることは、まず業務においてこれら影響力の武器1つ1つをどう生かすことができて、具体的にどのような言い回しを使用していけばいいかについてシミュレーションすることであると感じている。 -
いろんな人が進めていたがやはり名著はすごい。この本を読んでいるのといないのとでは人生において大きな違いを生むと感じた。特に人間も動物と同じように自動的な思考や行動をしてしまうこと、すなわち「カチッ、サー」というテープレコーダーのような働きが起きてしまうというのは自分も経験したことがあるのでよく理解できた。さらに返報性やコミットメント、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性と数多くの要因が我々を特定の方向に導いてることが理解できた。また読み返す。
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今まで読んだ本の中で一番夢中になって読んだ本。
6つの影響力の武器
返報性、
一貫性、
社会的証明(お墨付き、出典、有名な〇〇さんも使っている、累計100万部のベストセラー、など)
好意、
権威(肩書き、制服、装飾品)、
希少性 -
人はまるで動物のように、自動的に反応する。これを影響力の武器として活用する方法、悪用から守る方法を紹介。
具体的に、返報性・コミットメントと一貫性・社会的証明・権威・希少性。人間の自動反応は面白いなと思った反面少し恐ろしさも覚えた。だけど広告を作る側としてはコミットメントや希少性、権威など応用できそうなアイディアも頂けた。思考の近道、、心に残った言葉。生活者目線で言えば、近道に頼らずしっかり考えて判断しように尽きる! -
原書のアメリカでの初版は1985年と、30年以上読み継がれている名著。社会心理学者が、人間が日々の中で知らず知らずに受けてしまう「影響力」をまとめたもの。少々長めの本なのですが、その分具体的な事例が豊富です。
別の本で読んだなぁという事例もあったりして、どうやらこの本が出自かな。
この本の内容を元に、自分の昨日の行動だけを振り返ってみても影響を受けてるなぁということが。。
・極端な選択肢を出すと、それよりマシな選択肢が(たとえ絶対的にはそんなに優れていなくても)良いものに思える
・キャンペーン期間限定値下げ!的なものに惹かれる
・一度言ってしまったことを撤回するのは一貫性が無いように思われるからなかなかできない
・テレビの笑い声の効果音につられる
影響力の数々や、最後にはそれへの対処法も載っているので、これを読んでおくことで、巧みなセールスマンやなんちゃら詐欺に引っ掛かるようなことが少なくなるのかもしれません。あるいは、上手くそれを活用する側か…。
なお、本著では知らず知らずに人間が影響力の配下で機械的・盲目的に行動を変えてしまう「固定的動作パターン」のことを「カチッ・サー」と呼んでいるのですが、これはカセットテープを再生する時のスイッチと再生ノイズの話。さすが1985年初版という感じですが、いつまで通じるかな。。 -
本書は450ページ近くあるボリューム大の作品。
読み終えて思ったのは、この本に書いてあることを
完全に理解して、活用すると本当に人間を
操作できてしまうのでは、と思いました。
タイトル通り人間へ影響力を与える術が書かれています。
これを悪用ではなく、適切に使えれば有効な手段ともいえると思いました。
筆者の綿密な研究成果や経験からまとめられており、
特に権威や希少性のあたりの内容は、そんな状態あるよね、
と感じる事多数です。
ロバート・B・チャルディーニの作品






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