症例でわかる精神病理学

著者 :
  • 誠信書房
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784414416442

作品紹介・あらすじ

「ドイツ、フランス、そして日本で花開いた精神病理学の遺産を、著者は現代に引き継ごうとしている。入門書でありながら精神病理学の未来を見据えた意欲的な本である。」 ── 木村 敏(京都大学名誉教授)

精神病理学は、ときに難解とか抽象的といったイメージをもたれることがある。けれども本当は、統合失調症、うつ病、認知症、自閉症などの精神障害を「わかりたい」と思う全ての人にとって、大きな助けとなる実践的な営みである。もっとたくさんの人たちに、精神病理学が積み上げてきた叡智を知り、役立ててほしい。本書は、そんな強い思いのもと生まれた入門書である。だれでも読み通すことができるように、次のような工夫が施されている。

・各章を精神障害ごとに分け、冒頭で『DSM-5』対応の最新の基礎知識を概説し、全体の見取り図として学説史などを紹介。
・精神病理学の代表的な考え方――記述精神病理学・現象学的精神病理学・力動精神医学ごとに節を設け、それぞれの主要な学説を網羅。
・かならず症例を提示し、具体的・実践的に解説。
・わからない言葉があれば索引ですぐに確認可能。索引は文中の重要語をひろくカバーし、事典のようにも使える。

このように、精神障害のことをよく知らない読者でも、「自分がいまどこにいるのか」を見失うことなく読み進めていける構成をとり、そして、実践に役立てられるかたちで精神病理学のことが「わかる」記述を徹底した。自信をもって「入門書の決定版」として薦められる、著者渾身の書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 難解な精神病理学の理論を記述精神病理学、現象学的精神病理学、力動的精神病理学と、どの学派に偏ることなく平易に説明。また症例は古典的な症例を含めて提示され、その内容を説明。これだけの膨大な内容を網羅的に説明できるのに圧倒され、また若い著者の能力にも驚嘆した。

  • 脳でも心でもない「精神」と呼ぶよりほかない領域の理解。そのために精神障害の症例を精神病理学で理解する。

    それは、患者さんの症例が発する言葉を丁寧に聞き取り、現象の特異性を取り出す営み。「脳」の異常や「こころ」の問題としてわかろうとする態度とはことなる。
    患者の心的体験をわかることは、どこまでをわかってよいのかをわかるようになること。
    精神病理学には3つの立場がある。
    ①記述精神病理学(心的体験の記述、了解という方法)
    ②現象学的精神病理学(あいだ、患者の世界への棲まい方の検討)
    ③力動精神医学、精神分析(無意識領域における欲動同士のぶつかり合い、それによる変化)

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著者プロフィール

精神医学者・現代思想研究者・京都大学大学院准教授

「2019年 『心の病気ってなんだろう?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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