大人の発達障害の真実 診断、治療、そして認知機能リハビリテーションへ

  • 誠信書房 (2021年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784414416749

作品紹介・あらすじ

「自分は発達障害ではないか?」と疑って一般の精神科病院や精神科クリニックを受診する大人が増加している。発達障害の知識が広く一般にも認識されるようになり、自分にも当てはまるのではないかと気づく人が増えてきたのだと考えられる。
しかし本来、発達障害は生来性のものであるため、その特徴的な症状は幼児期から小児期に最も現れやすいはずである。なぜ、大人になるまで見過ごされてきたのだろうか。なぜ、大人になって初めて不適応をきたすようになったのだろうか。そして、小児期と大人の発達障害の病態は、どう異なるのだろうか。
本書では、大規模なコホート研究の結果を紐解くことでこうした疑問に答える。さらに、児童精神科医として長年子どもを診てきた著者がはじめた「大人の発達障害外来」のなかで見えてきた、その特徴、実態を明らかにし、クリニックで行われている診断方法、心理教育・薬物療法・精神療法などの治療、そして今後極めて有望な方法である認知機能リハビリテーションについて、具体的に紹介する。
大人の発達障害は決して特別な疾患ではなく、積極的な治療や支援が可能なのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 著者 傳田健三 でんだけんぞう

    ☆第7章 初診時面接 主訴を詳しく聞く
    ほとんどの患者は、広義の適応障害といえる。
    何かに困った(適応に失敗)末に受診にいたっている。
    そして「なぜ 〜 〜 解決できないのか?」
    ①患者の特性が周囲との軋轢を生み、悪循環を起こしている場合
    ②不適応の要因はむしろ環境側の無理解や理不尽さにある場合
    ③客観的には上手く適応できているようにみえるが、本人の完璧さが自らを苦しめている場合など

    その障害に対してどのような対策をし、どんな関わりをすると生きやすくなるのか、不適応が解消されるのかについて話し合う。


    ☆体験を5つの領域で捉える
    状況、思考、気分、行動、身体反応


    ★8章 発達障害に対する認知機能リハビリテーションの可能性 p167

    例えば, アスペルガー障害や高機能自閉症では, 細部の認識を優先し全体の把握を困難とする視空間認知の障害があるとされている。また、言語性記憶の体制化において意味の利用が低下していることや 一連の行動を有効に行うために必要な計画・実行・監視能力など複雑な機能である実行機能の障害も報告されている。 他にも顔表情認知の障害なども報告されています。

    このようなASD患者への治療や支援は,基本特性のコミュニケーションや行動特性への社会的スキルや社会認知の向上に関するものが多かった。さらに学童期までの支援が中心であり, 青年期を過ぎてASDと診断された者への支援は少なく、社会生活に重要な影響を及ぼしているのが現状である。


    一方,認知機能障害に対する介入として,近年認知機能改善療法 (CRT)に注目が集まっている。 CRTは認知過程 (注意, 記憶,実行機能, 社会的認知ないしメタ認知) を改善するために開発された行動学的介入方法であり、持続般化を目的とした介入と定義されている。

    CRT の効果研究は2000年以降増加しており,メタ分析では統合失調症に対するCRTが患者の認知能力の緩やかな改善をもたらし、これらの神経認知的改善が心理社会的機能の向上につながることが明らかとなっている

    統合失調症治療として行われている認知機能改善療法(CRT)が、自閉症スペクトラム障害にも有効か。先駆的なロンドン大学の研究グループが行っているCRTで代表的なものが前頭葉実行機能プログラム「FEP」です。
    FEPは、課題内容及び課題方略を的確に言語化することが求められる。対象者の思考と言語を一致させ、自己統制感覚が高まった可能性や、能動的かつ主体的なトレーニングによる内発的動機づけの向上、さらには密な関わりによる自己効力感や達成感の向上などが、社会機能の改善に影響を及ぼしたと考えられた。

    FEPの課題解決方法の的確な言語化や思考過程の書き出し、さらに方略学習の内在化などが音韻的情報の保持や操作に効果的であったと考えられる

    ロンドン塔課題はプランニング、ワーキングメモリ、問題解決機能を反映する課題である。 そもそもFEPは認知的柔軟性, ワーキングメモリ, 計画という3つのモジュールで構成されており、治療者は効率的な情報処理過程の教授や課題解決方法の言語化を促進し, 有効な方略を探索させる方法を用いる。加えて、ワーキングメモリモジュールで情報の保持と処理の強化を促進し、さらに計画モジュールは目的を達成するための一連の行動を計画する課題で構成さている。これらのFEPの標的課題とロンドン塔課題が類似していることが成績の改善に結びついたと考えられる。
    以上より、 FEPがASD患者のワーキングメモリ、言語流暢性およびロンドン塔課題などの前頭葉機能の改善に有効であることが示唆された。


    ★ASDと統合失調症は遺伝子レベルから認知機能障害さらには臨床的特徴についてと類似した点が多い。

    ☆一般に、精神医学における治療や支援には、
    現在の抱えている環境の調整と、今後新たな負荷や変化によって再発しないように本人の変化成長を促すアプローチしかない。

  • 【学内】
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000103967

    【学外】スマートフォン・タブレット
    MyLOFTアプリ > おすすめ電子ブックから利用
    【学外】パソコン
    eリソースコネクト(MyLOFT)へログインし、上記URLにアクセス
    ◆ログイン
    https://app.myloft.xyz/user/login?institute=cmcbjubjq0a62ldhkbp7cxuvy

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755743

  • 6月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003558091

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著者プロフィール

特定医療法人社団慈藻会 平松記念病院副院長、北海道大学名誉教授

「2021年 『大人の発達障害の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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