私説三国志天の華・地の風 1

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  • 光風社出版
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784415087276

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れた江森三国志。美麗な挿絵が見たくて、復刊版ではない方を選択。数年ぶりの再読である。人目を気にしながらちまちま読むのが勿体なくて、でも気になるから続きを読みたくて、そんなことをしていたらなんとも勿体ない読み方をしてしまった。ああ、これは一気読みしたかった。
    本家三国志も有名な横山三国志も読んだことはなく、三国志と名売っているものを読むのは本書が初めて。周愈と孔明の身体の関係から始まり、敵対する立場となり、ああもう、言葉じゃ言い尽くせない!昼は淑女、夜は娼婦をそのままいく孔明は男の理想だよなぁと思う。ままならぬ想い、とくと身に浸れ。初出が昭和の終わりと25年近く前だが、今でも十二分に読むのに耐えられる。これぞジュネ。

  • あの小説Juneに連載されていた、その筋では有名な、耽美、男色をモチーフに書かれた三国志である。近頃ハヤリのBLではなく、あくまで「耽美」な「男色」。高校時代、「風と樹の詩」にどっぷりはまった耽美系漫画家志望の友人が薦めてくれて、「なんか、スゲー…」とか言いながら、毎月小Juneを立ち読みしていた。主人公は諸葛亮であるが、不幸な生い立ちを背負った(あの時代、どんな形であれ不幸を背負ってなかった人はほとんどいないと思うけど…)人間離れした美形として描かれている。その彼が美貌を武器に策を弄したり、美貌ゆえに弄ばれたり…特に、美周郎との絡みでは、こいつら、オフィスラブの合間に仕事してるんじゃ…と呆れた記憶が。いろいろ驚かされたわりに具体的な内容はほとんど覚えていないのだが、ひたすらドロドロと暗いというか、主要人物全てが痛ましかった印象がある。

    当時の三国志の同人では、この本の影響かどうか、諸葛亮は基本、美形で描かれるのが常だった。天邪鬼なワタシは、どうもそれがむずがゆくて、敢えてむさ苦しく汗臭い、豪傑な諸葛亮を描いていたのだが、とあるイベントで美しい諸葛亮のファンから喧嘩を売られそうになったことがある。恐かった。

  • 小説JUNEに連載された歴史小説。
    女性ならではの独自の視点から書かれた世界は眼を覆いたくなるほどの愛憎に溢れている一方で、膨大な歴史的知識がそれを確かなものにしています。現在復刻されていますが、個人的には絶版になった光風社出版から出たほうがオススメです。小林さんの美しい挿絵が必見。

  • 知名度のわりに手に入れにくい三国志小説。一般向けとは言い難いので、三国志好きでも人を選ぶかも。きっと手にする機会もほとんどないでしょうけど、見かけたら話のタネに見てみたらどうでしょう。オークションでは全9巻で1〜2万しますから(笑)

  • 三国志好きだよね。小林智美も好きだよね。の言葉とともに友人が全9巻を置いていきました(笑)BLですが作者の力量は本物です。そういったものが許せる人はぜひ読んで欲しいと思います。BL以外も読んでみたいと本気で思った作品です。(今は王の眼という著書を出しています)

  • 一言で言ってしまえば、類まれなる美貌を持った諸葛孔明総受け長編大河小説ですが、JUNEといってあなどるなかれ。あまり有名でない方だと思いますが、吉川英治の三国志にもにも劣らないと思います。

  • 確かな筆力は見事の一言。耽美と独特の空気感が肌に合えば、のめり込める事請け合いかと。

  • 1巻から9巻までありますが、画像がないのと、現在入手不可能なので1巻だけ登録しておきます。
    三国志なのですが、小林智美さんのイラストとの相乗効果で、超絶美形の諸葛亮孔明様が拝めます。

    最近美形って言わないね。(笑)

    でもこの話は、美丈夫が沢山が出てきます。

    日本語の美しさ、描かれていく中国の景色、ごくごくアクセントで地の文に混ぜられる外来語。ともかく文章が匂いたつような美しさ。
    野心とか、欲望とか、愛憎うずまく三国志です。図書館でならあるはず。ディープワールドに触れてください。

  • 読んでいない人は是非読んで欲しい1冊。

  • 3巻からは一気に読みました。
    JUNEに連載されていた作品なので、内容は偏っていますが
    設定もしっかりしているので読み応えがあります。
    最後になるにつれ、泣けてきます。

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