はじめての短歌

制作 : 穂村 弘 
  • 成美堂出版
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本棚登録 : 188
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784415312934

感想・レビュー・書評

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  • 富士山を見て
    「完璧すぎて、なんかつまんねぇ景色だな。」

    と、言った太宰治の言葉に(はっ!)とした記憶がある。

    完璧だからこそ、人に認められるのに。
    完璧じゃなければ、『美』じゃなくなるのに。

    読者から投稿され、例としてあげられたいくつかの句は、
    どれも軸がずれていて面白かった。

    >あっ、今日は老人ホームに行く日なり
     支度して待つ迎えの車

    >たい焼きの縁のばりなど面白き
     もののある世を父は去りけり

    >ひも状のものが裂けたりするでしょう
     バナナのあれも食べている母

    くすくす。
    どの句も日常が色濃く出てるなぁ~

    この句らを、穂村さんは改悪例として<富士山>に変えて行く。

    すると、その正しくまともに整えられた句は
    たちまち生気を失ってしまうのだが、
    穂村さんはこれを
    「生きる」(投稿者の句)と「生きのびる」(改悪例の句)と例えてくれた事で、ぼんやり富士の謎が解けた様な気がした。

    読み進めてゆくと、
    大好きなせきしろさん、又吉さんの句も出てきたが、
    彼らの句は俳句であった。

    短歌のハウツー本のなかに俳句をとりあげる所も、型にはまってなくて(いいなー)と思った。
     

  • 一度読んだだけでは難しくて理解できない。ゆっくりと噛みしめるように読んだので一回延長してしまいました。今まで穂村さんのエッセイを笑って読んでいたけれど歌人って、普通にものごとを考えていたら短歌作れないんだなぁ…とハッとした。歌人も作家も生きづらいだろうなぁ…。

    これを読んだからすぐに短歌に目覚めるということはないだろう。けどスイッチが入るというか、短歌の世界の目線にチューニングできそうな気がした。

    “いい短歌はいつも社会の網の目の外にあって、お金では買えないものを与えてくれるんです。”155ページ

    この一文に感動した。じわじわとしみる。

  • 2018年読了
    言語表現の面白さ

  • 改悪例をあえて作って、原作の短歌の良いところをほめつつ短歌のハウツーをレクチャーしていく穂村さんの手法。
    以前読んだ「短歌ください(https://booklog.jp/item/1/4041026040)」で見て「スゲー!」となったこの手法、本書でもふんだんに使われていて大満足。

    ポイントは、
    ・社会的な価値で短歌を作らない
    ・生きのびる、ではなく生きる

  • 「リアル」であるということ

  • 最近短歌に挑戦している。
    なかなか難しいものだと思うこの頃、ちょっと納得の添削に興味津々でした。

  • 穂村さんの解説と、一般の人々(たまに又吉さんみたいな著名人もいる)短歌とを読んでいると、これまで敷居が高かった短歌が身近に感じて来る。
    あ、わたしも詠めそう!と錯覚出来る。
    日本語って奥深いな。誰もが持っている、新聞記者の世界での言葉と、詩人としての言葉を両方楽しめたら、人生はもっと味わい深くなるんだろうな。
    よし、短歌、始めてみるか。

  • いろいろな人の短歌(中には俳句)を歌人の穂村弘さんが
    解説していくという本です。
    いろいろな短歌があって、わくわくしながら読みました。
    特に目薬の短歌のコーナーが気に入りました。
    穂村さんがやさしく解説してくれるのがいいですね。

  • 911.17

  •  ダヴィンチの「短歌ください」の連載で穂村さんと素人短歌のおもしろさを知った。この本は、「いい短歌」とはどういうものかを実例を基に分かりやすく解説している。
     
     例えば、「0.5秒のコミュニケーション」。短歌では、
    誰にでも誤解なく伝わる明確な表現はよくない。あえて分かりにくい、あいまいな表現を使って一瞬考えさせることで、鑑賞者の意識や感情を動かすことができる。
     
     この本を読んでいると、なんだか自分にも短歌が作れそうな気がしてくるけど、いざ作ろうとすると、穂村さんの言う「チューニングをずらす」ことの難しさを感じる。普段社会的に使っている言葉とは反対の言葉で一瞬の感覚を切り取らなければならない。「Vロートクール」ではなくて「赤い目薬」。「散らかっている部屋」ではなくて「そういう状態」。
     
     歌人だけあって、筆者の説明は独特だけど、伝えることが難しそうな「短歌の良さ」を理論的にひもといていて、とても面白かった。

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