SAMURAI 佐藤可士和のつくり方

  • 誠文堂新光社 (2013年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784416113400

みんなの感想まとめ

デザインの力を通じて新たな価値を創造することをテーマにした本作は、著者が自身のパートナーである佐藤可士和を支える姿勢を描いています。彼の才能や実績が際立つ一方で、その背後には彼を支えるマネージャーの存...

感想・レビュー・書評

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  • 新しい価値を世の中に提示するような時代のアイコンになりたい
    →それならアートディレクターとして世間に知ってもらう必要があると考え行動

    全面ガラス張りの蔦屋書店をデザインした時、「すごい!アートディレクター佐藤可士和の本当の価値がわかりました」と言ったら、「やっとわかったか笑」と満足そうだった

    たとえコンペでも、目先の勝ち負けではなく、本来の目的や意図を見失わずに「そうあるべきだと思ったこと」を貫くとよい。

    「今回求められてるのはこのビッグプロジェクトを統括する役割。普通だったら無理というスケジュールの中でも、最高の結果を出せる人だと信じてご依頼いただいているのだから、まず今のスケジュールでできる最善の案を出してほしい。その上で「もしこれくらい遅らせれば質を上げてこれだけのことができます」という提案でないと。ここで遅らせること前提で無理ですと話すのは優先順位が違うと思う」

    やりたいと思っていること考えていることは積極的に口に出す。特に誰かが聞いてくださる場で発言したり、機会があればメディアでもアピールしたほうがいい。そしたらチャンスが降ってくる。

    ふじようちえん
    佐藤はクライアントの発言の中に込められた園長先生の幼児教育に対する「想い」を的確に読み取りデザインした。

    この人だ!と思ったら、無謀でも飛び込んでみたりチャレンジしてみること。

    業界No. 1であっても、一般的に飽和と言われていても、チャンスはたくさんあるのだと言うものの見方をする。トップであっても「前提」や「常識」を疑う。

    佐藤可士和を支えるベースとなっている「小さな日々の積み重ね」

    ①「知らないこと」を知る努力
    毎朝出社したら経済紙と一般紙に目を通す。
    ざっと全体を確認して、関係ありそう(デザイン、広告業界のニュースや現在一緒にお仕事しているクライアントや競合他社、その業界全体の動きなど)な記事を見つけ、気になったものは切っていく。平均10-20枚。
    新聞は毎日読んだほうがいいとは言っていたけど、本人は忙しくそれどころじゃない。切り取った記事だけ渡すようになってからは書かずその日のうちに目を通すようになった。
    仮に社運をかけた、あるいは次の10年を考えるプロジェクトがあって、経済新聞を読んでいれば当然知っているようなことすらわかっていなかったとしたら「この人大丈夫だろうか?」と不安に思われてしまう。
    新聞読むのは自分のためにもなる。世の中知れる。

    ②スケジュール調整
    週に一度集中できるデザインデーを設けてる。佐藤の頭の空き具合を見極めて的確にデザインデーを設定する。

    スケジュール管理はデジタルだが手帳も2冊。
    ●1冊は見開き2週間の年間予定表を入れ、年間を通した中長期的な予定を記入。
    例:年間契約しているクライアントとの話し合いのタイミングや、数ヶ月先に設定しているプロジェクトのキックオフミーティングなど
    ●会食や手土産用
    同じ方と同じ店や同じ手土産が続いてしまったということがないように。
    どうでもいいことに見えて、そういった配慮はできて当たり前、できていないと気が利かない印象を与える。どうでもいいことでもちょっとしたことで印象が左右されるから、少しの努力で防げることはやったほうがいい。

    ③30分のリセットタイム
    気持ちを切り替えたり頭を整理したりの時間。

    ④時間の管理
    会議が長引いていたらメモを入れたり。
    自分が遅れても平気と思っていれば周りもそうなる。周りに注意するならまず自分がちゃんとする。
    時間を守るからクライアントに信用されるではなく、それすらできなかったら信用度が落ちる、というレベル。
    お忙しい中時間を調整して集まっている方を15分以上お待たせすることはありえない。相手に対する当然の感謝やその後の予定を狂わせるかもしれないことに対して配慮を持つのは当たり前のこと。そういう常識から外れない姿勢でいることは、自分の仕事の可能性を広げていくことにつながる。

    ⑤体を鍛える

    ⑥アウトプットとインプットのバランス
    刺激を受けるのは人との会話やクリエイティブな情報の集まる都市だけでなく、インドやケニアなど長い歴史やパワーが溢れる場所も大切なインスピレーションよ源なので、思い切って休みを取り出かけるようにしている。
    時には彼のデザインに対して「他のパターンでも作ってみたら?」と提案することもある。もちろん本人もそう感じてるタイミングで。
    わかっていることを言われ若干不愉快そうな顔をするけど、クライアントの想いをベストな形で昇華できるまであらゆるアプローチでその答えを探していく。

    ⑦周りからの見え方
    洋服など身なりも、微妙と思ったら伝えるようにする。TPOに合わせて、周りの方へ敬意を払えるように、また本人の価値が下がらないように気を配る。
    ただの「分かってない人」と思われてしまったらもったいない。世の中に突出している人ほど、自分のスタイルを貫いているように見えて、その場での見え方をコントロールしているのではないかと思う。自分の好きなスタイルを時と場で自分の立場に応じて柔軟に対応できることは大事。

    全てがサムライのクオリティを表すと考え、それを常に忘れずにいることが、私がマネージャーという立場で最も心掛けていることの1つ。

    もう忙しすぎて無理!という時も、広い視野、多くの視点から時代・世界の動きを読み、その中でクライアントである企業が目指すべき姿を提示していく仕事をするのであれば、フルスピードで走りながらも適切なタイミングで的確なジャッジを下していく能力は不可欠。世の中の動きは加速するばかりで待ってはくれない。

    「限界だ」と思っても、そこを克服して自分自身の限界を超えていく努力として大きかったかなと思うのは、「仕事の初期設定」「自分が手を動かすかどうかということ」「オフィスの作り方」。
    ● 仕事の初期設定
    プロジェクトにおける佐藤の立ち位置。外の人間だと思わず中の人間だと思って信頼してなんでも話してほしいというお願い。クライアントの本当の思いを真摯に伺って、それを実現するにはどうしたらいいか話し合っていける関係を築くこと。
    ● 自分が手を動かすかどうかということ
    時間がないため自分でやりたくてもスタッフに任せるということも必要。
    ●オフィスの作り
    佐藤が今のオフィスを気に入ってなかった時、すぐに引越ししよう!と不動産に電話し物件を決めて引越ししたところ、元気になった。
    マネージャーとして「クリエイターが今どういう状態にあるか」を正確に見極められるかどうかが重要。「これくらいのこと」と見逃してしまっていたら、少しずつ仕事のクオリティに影響が出てきただろう。小さなことの積み重ねが「クオリティ」を作っていく。

    2回の引っ越しは額も相当だったけど、大胆に逃避したからこそのリターンは確実にあり、それは予想を超えるものだった。
    マネージャーであれば当然リスクも考え守りに入ってしまいがちだけど、その想像力にリミットを設けることのほうが最大のリスク。

    遠くしか見ていなかった僕に、彼女は具体的な方法論を示した。彼女は僕に新しい視点を提示してくれる人。

    人間ってやりたいことをやりたいようにできている時は精神的に安定してる。彼女の機嫌がよく、快適な状態でいられることは僕にとっても

  • 10. 職種はどうあれ「新しい価値を世の中に提示するような時代のアイコン」になりたいのだと

    11. ジャンルに問わず、今ある常識や多くの人がとらわれている既成概念の枠組を超えて、時代に新しい価値を提示するような存在になりたい

    15. メジャーな世界を相手にしている場合は、「わかりやすさ」というのは外せませんし、わかりやすいものは格好悪いというのであれば、「わかりやすくて格好いいもの」をつくればいいのだと私たちは考えています

    16. 世の中に名前を認知させるには「〇〇=その人」といった明確なイメージを確立していかなければなりません。

    19. 佐藤可士和のアートディレクター
    企業やブランド、商品といったデザインの対象物が持つ本質を掴み、課題を明確化して、コンセプトメイキングから最終アウトプットまで、プロジェクト全体を統括する。
    クライアントとコミュニケーションを重ね、問題を解決する糸口を見つけ出し、最後に目に見えるかたちにするところまで責任を持って見届けるという取り組み

    22. 今までのように商品が最初から決まっているのではなく、課題を解決するために、商品のコンセプトづくりから最終コミュニケーションのデザインまで一貫してひとりのクリエイターが手がける

    22. キリン「チビレモン」
    「今の時代、炭酸飲料が売れなくなっている」という大きな問題を抱えていた。
    佐藤はまず、そもそも炭酸飲料とは止渇機能やリフレッシュ機能だけではなく、飲むと楽しい気分を与えてくれる「オモチャ」のような魅力が本質ではないかと考え、従来の炭酸飲料ユーザーの男子中高生だけでなく、小学生や女子高生、OLまでを新たなターゲットに加え、皆の中で「愛すべき存在」になることをブランドのコンセプトにした

    23. 「状況をデザインする」

    23. 「表面ではなぬ、本質を掴み、その世界観をつくる」

    24. コンビニの棚に商品が置かれた状況自体もメディアのひとつだということに気づき、「すべてがメディアである」ということを確信した最初の仕事がチビレモンだった

    31. 企業、ブランド、商品の本来あるべき姿を掴んでそれを研ぎ澄ます。

    35. クライアントが抱えていた問題点を全く逆の視点から切り取り、なおかつそれがプロジェクトの本質であることを見抜いている。言われてみれば皆が「そうだよね」と納得できる明確なコンセプトを考えて、最終的なビジュアルというアウトプットまで落とし込んでいる。
    単に「話題になりそう」といった一過性のものではなく、まさに問題の本質を掴んでいるので、皆納得できるのだと思います。
    更にプロジェクトが完成して世の中に出ていったとき、彼のプレゼンや思考プロセスを全くご存知ないお客様までも反応して、自然と話題になっている

    43. サムライの仕事は「ちゃんと見る」というスタイル。これは、問題の本質を掴み、解決のために何をすべきかという提案に始まり、それを形として定着させ、結果、クライアントのビジネスとして成功したかといったところにまで気を配るということ。

    49. 何ものにも依存しない、自由でニュートラルな立場

    50. 国立新美術館の佐藤可士和が手がけたシンボルマークは、まさにこの「新しい」というコンセプトを全面的に押し出したもの。
    「新」の字を構成するエレメントである線と線の間は閉じておらず、「開かれた新しい美術の場」であるという、国立新美術館の在り方や今後の活動の広がりをイメージしたもの

    53. たとえコンペでも、目先の勝ち負けではなく、本来の目的や意図を見失わずに「そうあるべきだと思ったこと」を貫いて本当に良かったと感じているプロジェクト

    58. 時間をかけていいものをつくるのは当たり前。限られた時間や厳しい制約の中で、いかにそれを乗り越え、最高のパフォーマンスを発揮するか

    60. ふじようちえんは加藤積一園長が考える理想の幼児教育を実現するため、「園舎自体を巨大な遊具に」というコンセプトを開発し、その理念を体現する園舎の設計を、手塚建築研究所へ依頼した

    61. 街中や駅、学校といった公の場所は、人が普通に生活していく上で、実はもっともデザインの力が活用されるべき部分です。けれども、現実には、そういう場所に限ってデザインの力がうまく使われていないように感じられることも多い

    65. プロジェクトがスタートする前に、まずサムライとして「できること」と「できないこと」のラインをはっきり見極め、先方へ説明する

    71. セブンイレブンは業界ナンバーワンであっても、また一般的には飽和と言われていようとも、決してそうではなく、チャンスはたくさんあるのだというものの見方には非常に勉強になり、「前提」や「常識」を疑うトップブランドのあり方に多くを学ばせてもらった

    75. データは重要な説明材料ではありますが、実際にその商品が消費者に届くときに、当然それらが一緒についてくるわけではありませんので、まずクリエイティブの案だけを見せ、「すごい!」と圧倒させなければダメだというわけです

    77. 全員の方に納得していただくために、市場調査データなどではなく、完成までに佐藤が辿った思考プロセスを理論的に説明し、そのデザインの意味と必然性を理解してもらう、新しいスタイルの企画書がここで生まれました

    81. コラムニストの天野祐吉さん「外見はいちばん外側の中身」

    88. サムライはいわば「枠の外側ギリギリ」の絶妙なバランスで、「ありそうでなかったこと」を実際にカタチとして定着されるのが特徴と自負している

    94. カップヌードルミュージアムは「カップラーメン」のパッケージの側面に配されている「キャタピラ」をみたとき、たくさんの「!」が並んでかあると感じ、そそからカップヌードルミュージアムの「!!!」マークのデザインを思いついた。
    やはり「答えはクライアントの中にあった」

    99. 初心者が釣り具屋さんに行って「釣り竿ください」と言うと、必ず「どこで何を釣るのですか?」と尋ねられるほど、釣りの世界は専門的で細分化されています。
    でも初めてだと、どこで何を釣りたいのかさえわからないというのが現実。
    初心者の心理的なハードルを下げ、もっと気軽に釣りを楽しめるよう「DV1」というオールインワンタックルの開発をディレクションしました

    103. 今治タオルはまずこの素晴らしい品質を日本中に広く認知してもらわなければなりません。
    そこで品質保証マークの意味を持たせたブランドのロゴマークを開発しました

    104. 品質認定に関しては、吸水性を証明する「5秒ルール」を設けました。タオルの断片を水に浮かべた後、5秒以内に沈み始めるものだけに、今治タオルのロゴマークをつけることができるというルールで、実験映像よ公開しました。
    ビジュアルを伴う非常にわかりやすい訴求は話題を呼び、メディアでも随分紹介していただきました

    141. 「知らないことを「知らない」と正直に言える強さを持ちたい」

    141. 「その中(企業や業界)」にいないからこそ、引いた視点で思い切った提案ができる、業界の慣習や競合の状況にとらわれず、あるべき姿を冷静に見極めて、相手の中から答えを見つけ出す

    145. サムライでは、ミーティングおミーティングの間に必ず30分は時間を空けるようにしています。
    この時間は、彼の頭のリセットに必要なとても重要なものだと思っています

    158. 特にデザインは、その表現を支える哲学に心を動かされるものだとも思います。

    164. 佐藤可士和はよく、小高い丘の上から大きな河の流れを俯瞰して見ているような感じだと話していますが、「大きな河の流れ」とは時代の空気感であったり、社会のニーズと言えるでしょうか。
    時代、あるいは社会の空気を読んで、クライアントである企業やブランドがどうあるべきかというストーリーを設計し、ゴールまでの道筋を描いて、それを実行に移しています

    176. 「カタチで完結するのではなく、理念で完結する。その考え方を手に入れられたのは、ものすごく大きい」

    200. 「テキスト」という新しい絵の具を手に入れたことは、とても新鮮で、表現の幅がぐっと広がった

    209. 相手によって発信の仕方を変えていかないと、かえって自分たちが考えていることが伝わらないということがわかります

    209. 「自分のことって、見えにくいんですよね」

    212. パートナーのしての魅力について
    センスを共有した上で、自分に新しい視点を提示してくれる人

  • 奥さんの著書
    デザインで終わるのではなく、デザインの力で新しい価値を世の中に発信していきたいという想い

    スマップ、ユニクロ、幼稚園、

  • 佐藤可士和は素晴らしいのだが、力を発揮するためにサポートしているのが、マネージャーである著者のなのですね。素晴らしい。

  • 奥様であり秘書である佐藤悦子さんから見た佐藤可士和氏の仕事スタイルとその弱点(ネック)をどうサポートするかの観察眼、佐藤可士和氏の成果に対するコメント等。他の可士和氏の本を読んでいると尚楽しいと思う。
    優秀な女性なんだなぁ、キレイだし、羨ましい!!!!

  • ブログ紹介済み。
    http://ameblo.jp/yokohiro1216/entry-11806086816.html

    目的:アートディレクターとはどんなポジションか?
    実践:デザイナーとの違いを自分の言葉で表現する
    →ブランドを作るのが一番大きな違いだと思う。デザイナーはそこまで踏み込めるのだろうか。。

    目的:クリエイターをマネジメントするとは?
    実践:自社の自分の職務領域を明確化して、具体的な業務をひとつ決める
    →ホームページの作り変え。

    アートディレクターという仕事を世の中に認知させることが、マネージャーとしての仕事

    担当領域の明確化

    クリエイターだから、は許されない
    指摘する

  • この二人すごいなぁ。
    夫婦なのにパートナー。

    すごい。

  • ○アートディレクター佐藤可士和氏の妻でマネージャーの佐藤悦子氏の著作。
    ○佐藤可士和氏の仕事の内容、方法論から、スタジオ「SAMURAI」の仕事、マネージャーとしての仕事などについて、自身の考え方を交えた作品。
    ○自分は、デザインやクリエイティブ関係の仕事をしている訳ではないが、可士和氏や悦子氏の考え方は大変興味深く感じた。
    ○「Beyond must be beautiful」という言葉・意味合いに深く共感した。

  • 改訂新版

  • 内助の功というだけでは言い表せない関係

  • 主旨は何でしょう?

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