かたちのみかた

  • 誠文堂新光社 (2013年3月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784416113417

みんなの感想まとめ

本書は、創造のプロセスを通じて自己を再発見する旅を描いています。女子美術大学での授業を舞台に、学生たちが行う多様な実験や表現活動を通じて、形を成すことの本質に迫ります。著者は、彼らの行動に対する驚きや...

感想・レビュー・書評

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  • 一時間ほど前にヤマト運輸が届けてくれるなり、一気呵成に読んだ。
    読み終えたいま、言い知れない怒りを覚えている。嫉妬と言い換えたらより近いか。
    本書に接しておぼえた鈍痛を、なるべく正確を期して描き出そう。

    女子美術大学に赴任した筆者立花のもとに集った学生の行為の軌跡の数々。
    手のひらの線を全て紙に書き写す、縦横に走るひとの辿るルートどおりにペンを走らせる、墨を塗ったじぶんの体で拓本をとる、みかんの皮の変色を追う、海辺に山を築き鳥を待つ…
    わたしはそれを見ては逐一、内心で「なんでそんなことするの」と激昂した。
    息巻いてから、たちまち、情けなくなる。すなわち、あやふやな合理性にもとづいた予想の狭い区域内にとどまったまま判断と評価を下すことが習い性と化して、体を動かして実験し徹底して見ることによってのみ把持できる見解を無碍に扱う自分のあさはかさ、脆さを痛切に悟った。
    情けなさや哀しさといった、旧態を萎えさせる感情だけではなく、確たる合理的な動機なくしてはなにもできない現状を積極的に変革するための怒りをも本書から受け取った。理由などないが、やって「見たかった」ことがいくつも頭をもたげたのだ。

    思えば、この世界は、端的に、気になるかたちに溢れている。
    執念と熱意を籠めて、資料を集めに集めた「私」だからこそ見出せる景色がある。

  • 目の前のものを深く見つめること、とにかく手を動かすこと、作り続けること、考えることはつくること、こんな授業が受けたかったと心から思える。なんて楽しい本!

  • デザインの前の準備作業。点をみる。石をみる。線をみる。「走る」をみる。地点をみる。手をみる。からだをみる。自分をみる。立花氏の授業風景を通して形を成すとはどういうことなのかを考察する。目に見える形はできなくともその過程を通して学ぶことにより、自らの腑に落ちることは沢山ある。学生たちの生の体験と実践から得られるものが臨場感をもって伝わってくる。完成品なのか未完のものなのか定かではないが、生み出された造形はどれもユニークで心惹かれる。

  • デザインが、デザインになる以前の、思考をかたちにするとどうなるか。
    立花文穂さんの、女子美での授業課題の記録本です。

    時間をかけて、自分の身体をつかって、ひとつのテーマに向き合って思考をし続けること。思考をすることが目的であって、最終のアウトプットがきちんとまとまっていなくても構わない。
    仕事をしているとデザインを成果物として納品することが大前提なので、このような授業がある学生生活のことを羨ましく、また懐かしく思いました。

  • 「点と線からはじまるヴィジュアルコミュニケーションの授業」の記録。身の回りにあるもの・ことをじっと見つめるということ。巻末にある、立花文穂さんの文章が、良いです。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784416113417

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著者プロフィール

立花 文穂:アーティスト/グラフィックデザイナー。1968年広島生まれ。文字、紙、本を主な素材やテーマに作品を制作し、国内外で発表。東京TDC賞やブルノ国際グラフィックデザインビエンナーレグランプリを受賞するなど、グラフィックデザインの分野でも評価が高い。2007年より自ら責任編集とデザインを手がける不定期刊行物『球体』を始め、現在6号まで刊行している。個展に「デザイン 立花文穂」展(ギンザ・グラフィック・ギャラリー、2011年)など、グループ展にMOTアニュアル2008「解きほぐすとき」展(東京都現代美術館、2008年)、「風穴」展(国立国際美術館、2011年)などがある。アーティストブックに『クララ洋裁研究所』『木のなかに森がみえる』『風下』などがある。著書に『かたちのみかた』(誠文堂新光社)がある。現在、女子美術大学教授。

「2016年 『Leaves 立花文穂作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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