タヌキ学入門: かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔

著者 :
  • 誠文堂新光社
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416115473

作品紹介・あらすじ

なぜ「化かす」と思われていた?
ポンポコはどこからきている?
津波後の海岸にヒトより早く戻ってきたって本当?

野生動物とうまく共存していくために知っておきたい
長い間人のそばで生きてきたタヌキの真実

昔話でもおなじみ、古くから人とともに行きてきたタヌキは、現代人にとっても最も身近な野生の哺乳類である。
東京23区すべてに生息が確認されているほど、都会でもたくましく生きる野生動物だが、その生態はほとんど知られていない。
そのわりに、昔から化かす動物と思われていたり、タヌキおやじなど抜け目ない生き物の代表として使われたりと、さまざまなイメージがついてまわるふしぎな動物でもある。

そこで、生態等の基礎知識を紹介しながら、そんなタヌキのイメージをじっくりひもといていくのが本書である。
どこに住んでなにを食べているのか、どうして化かすと思われたのか、本当に腹鼓を打つのかなどを、野生動物の専門家がひとつひとつわかりやすく解説する。

タヌキのたくまくしさは都会ばかりではなく、東日本大震災の被災地でも確認された。
街も植物も流された仙台海岸に人間よりも早くタヌキが戻ってきていたのである。
本書ではそんな最新事情まで知ることが出来る。

感想・レビュー・書評

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  • 我が家の猫がタヌキに似ている···という、わりとしょうもない理由で読み始めたのですが、おもしろかったです。

    タヌキの糞の組成からタヌキが植物の種を運ぶ役割を考察したり、東日本大震災の被災地に戻ってきたタヌキに回復の兆しを見たり、と生態に関する話題も興味深かったですが、人間がタヌキに対して抱いているイメージについて書かれているのもおもしろかったです。
    タヌキというと、おっとりとしたイメージもある反面、「タヌキおやじ」なんて言葉もありますが、なぜそんなイメージが生まれたのかをタヌキの見た目や行動から考察しています。
    ちょっと無理矢理かも···と思う部分も少しだけあるけれど、生物学者がタヌキ像を掘り下げていくのは新鮮でした。

  • 2018.4.12読了。

  • おなかが大きいタヌキかわいい。

  • かわいくて、したたかで、しなやかで、強くて、賢い。たぬき。なんて魅力的なのでしょう。

  • おもしろい一般書ないかなぁ、と図書館をぶらぶらしていたら目に留まった。
    近所でたぬきの目撃情報があったこと、自分がどことなくたぬきっぽいこと、などから借りて帰った。

    タヌキの基礎知識、タヌキのイメージを考える、タヌキの生態学、タヌキのQ&A、東日本大震災とタヌキ、タヌキと私たち。

    おもしろかった。
    文化的なところが特に。
    そして、タヌキを通して、ふだんあまり物事を深く考えるということをしてないなぁ、と反省した。
    果実は種を存続させるために果肉を甘くしているわけで、「種なし」なんてほんとは恐ろしいことだよね、でも人間は人工的に育てることができる存在だから特別(にしていること)なのか?……とか。
    あと、生き延びていくには高い順応性が大切だ、とか、タヌキとはあまり関係がないことまで考えた。
    「おいなりさん」と米俵と稲穂のことだって初めて知った。
    自然には逆らえないということを、自然災害の後に私もよく考えている。
    「その土地に暮らしてきたんだし」、「千年に一度あるかないかだし」、という正反対の割り切りが凶と出なければいいな、としか、言えない。

  • タヌキって身近なのに、以外と知らない。
    タヌキとキツネの輪郭変えずに模様変えると横顔だけだと、タヌキがキツネに見えてくる、などイラストも楽しい。短足で秋になると丸々と太り、腹が地面につきそうに。糞の分析でタヌキの1年の生活がしのばれる。身近にあるもの割と好き嫌いなしに食べて、タヌキが特殊化せずに、都市化にも柔軟にたくましく生きている姿が頼もしかった。
    改めて、愛すべきタヌキ。タヌキがのこのこ歩きまわれる日本でありたいと願う。

  • 予想と少し異なっていた、震災後海岸近くに戻ってきてくれた仙台のタヌキたちは、人間の都合でまた住む場所を奪われた

  • 残念なことにタヌキの死亡要因の80%は交通事故というデータがある。これをみても私たちとって身近な野生動物ということがわかる。本著ではタヌキに対するイメージや俗説も真面目に解説されており、わかりやすく"タヌキ"という生き物を知ることが出来る。絵本などで知っているひょうきん者でどこかぬけているイメージとは違う本当の姿がわかる。

  • 研究者のきちんとしたデータと引用に基づいた知見が読みやすく書かれていて好印象だった。装丁やイラストもかわいい。タヌキのいる街は、人間にとってもよい街だと思う。

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プロフィール

たかつき・せいき
1949年鳥取県生まれ。
東北大学大学院理学研究科修了、理学博士。
東京大学、麻布大学教授を歴任。
現在は麻布大学いのちの博物館上席学芸員。
専攻は野生動物保全生態学。
ニホンジカの生態学研究を長く続け、
シカと植物群落の関係を解明してきた。
最近では里山の動物、都市緑地の動物なども調べている。
主著『野生動物と共存できるか』『動物を守りたい君へ』
(岩波ジュニア新書)、
『タヌキ学入門:かちかち山から3.11まで』(誠文堂新光社)、
『となりの野生動物』(ベレ出版)、
『唱歌「ふるさと」の生態学~ウサギはなぜいなくなったのか?』
(山と渓谷社)、『シカの生態誌』(東京大学出版会)他多数。

「2017年 『都会の自然の話を聴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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