正しく知る地球温暖化 誤った地球温暖化論に惑わされないために

  • 誠文堂新光社 (2008年6月1日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784416208182

感想・レビュー・書評

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  • ご近所さんからお借りした本。

    ここ一年、いろいろな本を読んできた。そして、いかに私が狭い視野でものごとを捉えてきたか思い知らされた。
    この本もしかりである。

    狭い視野になってしまう原因として、自ら調べない、ということもあるが、テレビ・新聞が(恐らく故意に)報道していないことが大きい。
    無料のテレビ放送であれば情状酌量の余地はあるものの、有料放送(N)、有料新聞であるなら、それはお金を出した人を欺くものだ。

    温暖化は政治目的に利用されているもの。
    CO2排出を抑える、あるいは炭素税、排出権といったビジネス創出、原発推進が大事なのではない。
    一部の富める国が地球上の資源を独占、大量消費、森林破壊(儲けたいがためにバイオエタノール生産目的でアマゾン森林破壊を行うグローバル資本を指している)を行っていることが極めて問題なのである。
    自らの欲のために破壊している。もう十分儲けたではないか。まだ足りないか。
    自分達の子孫に、大事な環境を残そう、という気持ちが欠片も感じられない。そこが問題だと思う。

    この本では、「将来何らかの形で天罰が下る」とある。

    この流れは、「ヴァンダナ・シヴァのいのちの種を抱きしめて」、「マクドナルド化する世界経済」、につながる。

    本当のことを隠し、一部の富める者がさらに富を独占。
    そしsて、増えた家畜は自ら削減されつつある。

  • 少しでも暑い日があると,「今年の夏は猛暑だ!(温暖化だ)」というような報道がなされる。でも涼しい日には「今年は冷夏だ!」なんて報道はあまり聞かない。気温は揺らぐわけで平年より暑い日なんていつでもあるのに報道は適当なもんです。この本には報道のひどさも述べられていますが,著者の言いたいことは序章に全てまとまっています。そこを読んで理解できれば他は読む必要ないでしょう。本文中でも述べているように著者が言いたいことは単純である。「温暖化は起きているが,それは遅くとも1800年頃から始まっている。だから現在の温暖化を戦後に急増した二酸化炭素(炭酸ガス)で全て説明するのは明らかに間違っている,地球の天候の自然変動の部分が大きい」ということです。それを科学的データに基づいて明らかにしています。シロクマだとか氷河の崩壊だとか温暖化と関係ない報道も指摘されています。IPCCは温暖化問題を政治に絡めて金を得ようとした学者たちの集団である(指導的立場にある学者がこのようにお金を取ってくるのを著者は否定しているわけではない)。もともと原発を推進したい英国のグループが温暖化問題を取り上げたようだとも述べられている(本書は福島原発事故の前です)。しかし,著者自身が述べているが,IPCCが宣言したとおり温暖化問題は「既に政治」ゲームとなっている。温暖化対策=二酸化炭素削減=排出量取引という図式になっている。著者は最終章であるべき状態に関して提案しているが,こうなってしまうと真っ当な科学的議論をしてもなかなか止められないだろうな,と感じた。温暖化政治ゲームが他に害をなさないよう,とくに日本が馬鹿正直に破滅へと向かっていかないように持っていくしかないのではないだろうか。

  • 温暖化は気候変動が主な原因であり,CO2に起因するものは1/6程度しかない.
    スパコンによる演算はシミュレーションの前提が正確ではないため,結果も正確ではない.
    氷河の崩壊,永久凍土の融解,シロクマの減少とCO2には因果関係はない.
    温暖化問題よりもエネルギー問題,食糧問題,環境問題,人口問題に対し積極的に取組むべき.
    温暖化問題がここまで大きくなってしまったのは政治・マスコミに大きな原因がある.

  • 図書館に無し

  • ふむ

  • 今や猫も杓子も脱炭素。数十年後に歴史を振り返った時、ある種戦前のような盲信状態だったと評されることになるのではないか。

  • 温暖化は二酸化炭素の増加が支配的な要因ではない、とする本は何冊か読んだが、この本はデータソースも豊富で説得力がある。
    特に近年の温暖化がいつから始まったのかというのを色々な角度から調べて、1800年ごろから、つまり自然変動で温暖化している、と述べているのは注目に値する。



    以下内容メモ

    ◯温暖化は起きている
    ・気候は変動するもの、異常気象は温暖化によるかはわからない
    ・温暖化は近年の傾向だが、100年で0.6℃と体感できるほどではない。異常気象と温暖化を混同してはならない。

    ◯温室効果
    ・温室効果は水蒸気によるのが95%。
    ・雲の太陽エネルギーを跳ね返す効果と、温室効果のどちらが大きいかもわからない
    ・北極検査CO2の年の変動が大きい。
    ・気温が先か?CO2が先か?文献あり、p59

    ◯コンピューターによる予測の限界
    ・自然変動の物理過程がまだ分かっていない、その段階でコンピューターでモデリングできない

    ◯古気候学から温暖化ぎいつから始まったか読み解く
    ・古気候学: 過去の地球の気候変動を研究し、地球が誕生以来どのような気候変動を経験してきたか
    ・1880年から温暖化傾向、1946年以降の化石燃料増加以降だけではない。
    ・地球上の多くの地点で寒暖計で温度が測られるようになったのは1800年代に入ってから
    ・Fritzsche, 2006: 北極海の氷河の解析から温度を推定、温暖化傾向は1775年あたりから始まっている。
    ・凍結、融解のタイミングから気温の変化をトラッキングしても1800年代からの温暖化がわかる。
    ・近年の急激な温暖化を示すホッケースティック図は2001年の報告の目玉になっているが、2007年の報告からは姿を消した。中世の温暖化と小氷河期が抜けている
    ・大氷河期の合間の間氷河期は数万年筆続き、今その真っ只中。気温のピークは1万年前。文明はその温暖な期間に発展した。
    ・氷河の後退も1800年ごろから

    ◯温暖化と関連して語られる事象
    ・メタンガスの増加は原因がわからない、2000年頃増加が止まった
    ・海面上昇は100年で17cm、100年前から起きている。
    ・台風の強さは海水温による、汎地球的な海水温で現在上昇傾向はない。

    ◯準周期的変動
    ・北極圏大陸部で顕著な温暖化は1950〜2000年でその後消えた。
    ・これは準周期変動と言われる自然変動の可能性が高いが、原因が不明でシミュレーションもできない。

    ◯地球温暖化が騒がれるようになった背景
    ・1988年米国グループが温室効果ガスによる100年後の温暖化コンピューターにより予測。
    ・イギリスでは原子力推進のため温暖化を持ち出すと都合がよかった。

  • 論旨は単純明快、温暖化は炭酸ガス濃度が上昇する以前の1800年ごろから直線的に生じている、よって自然変動である。気候変動のメカニズムが解明されていないのにコンピューターシミュレーションの結果に頼る危険性も指摘している。ただ温暖化対策に代わる対案の部分は鋭さを欠く。クルーグマンの言うリスクの経済学という観点を思い出す。

  • 「地球温暖化の原因二酸化炭素のような温室効果ガスの排出量増加であり人間はその排出量を抑えなければならない。」地球温暖化を知る者であれば常識になりつつある命題であるがそれに待ったをかけた本。自分自身、温暖化問題については学校で習った、積極的環境NGOが言っていたことをうのみにしていただけかもしれない。しかもその声は一方的なものであったのではないかと感じてしまった。地球温暖化について、正しい知識を身に着けていきたい、知っていきたいと思った一冊である。

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著者プロフィール

赤祖父 俊一:地球物理学者。アラスカ大学フェアバンクス校名誉教授。1953年、東北大学理学部卒。アラスカ大学大学院修了。1964年、アラスカ大学地球物理研究所教授。同・国際北極圏研究センター所長を歴任。

「2018年 『オーロラの話をしましょう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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