粘菌生活のススメ: 奇妙で美しい謎の生きものを求めて

著者 :
  • 誠文堂新光社
4.15
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本棚登録 : 135
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784416516386

作品紹介・あらすじ

粘菌(変形菌)という生きものをご存知ですか?
この生きものは、動きまわって微生物などを捕食するアメーバ動物的状態を経て、きのこのように子実体を形成し、胞子で繁殖するなど、
その一生の間に、あるときは動物的性質を、あるときは菌類的性質を持つ、動物でも、植物でも、菌類でもない不思議な生物です。

また粘菌は、知の巨人・南方熊楠が生涯を通じて研究した対象として知られていますが、
他にも宮崎駿の漫画『風の谷のナウシカ』中に、物語の核となる生物としても登場しています。
最近では、北海道大学の中垣俊之教授らのグループによる粘菌研究が、イグノーベル賞を2度も受賞して大きな話題になりました。

そんな粘菌の魅力は、何と言っても、子実体の美しさ、かわいらしさです。赤、白、黄色、金属的光沢すらある金色や銀色など、
色彩は多様、アイスバー型、まち針型、まんじゅう型、プレッツェル型など形もさまざま。一度見たら、強烈な印象が残るに違いありません。

また、アメーバが大きくなったような変形体も本当に興味深い存在。単細胞生物にもかかわらず知性の片鱗を見せるというのですから、
多くの研究者を惹きつけてやまないのも納得です。

本書は、主に初心者に向けて、そんな粘菌の基本的な生態を解説するとともに、北海道や東北各地で撮影された本邦初公開の写真をカラーで多数掲載しました。
粘菌の姿や生態はもちろん、原始の姿を今に残す森の美しさも楽しめます。

いざ、どきどきわくわく間違いなしの、粘菌ワールドへ。

感想・レビュー・書評

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  • 非常にインスピレーションを刺激された。良い出会いだった。

    自治体が自らとかいなかと名乗った土地で幼少期をすごし、そこそこ自然に触れながら育ったのに、粘菌を見かけた覚えがない。住まいのそばにはまあまあ豊かな自然があるので、機会があれば観察を試みたい。

    この図鑑は多くの写真が掲載されているが、粘菌のスケール感がわかりにくいのが小さな傷で、一緒に写ってたキノコから類推してなんとなく把握した。
    楽しい図鑑だが、被写体がアレなので、集合体恐怖症とかカビっぽいものが苦手なら避けるが吉。

  • ☆不気味。粘菌は変形菌とも言われ、アメーバ動物と菌類の中間。一生で大きく姿が変化。

  • ほぼ日刊イトイ新聞で毎週菌曜日に「きのこの話」を連載する新井文彦さんは、阿寒のネイチャーガイドもしている。

    ねんきんは奥が深い。北海道大学にも、イグノーベル賞を受賞している人がいる。風の谷のナウシカにもねんきんはちょっぴり出てくる。

    ねんきんは、粘菌がただしいんだけど、みんな年金とかと間違えちゃう。

    この不思議な生命の美しさに大宇宙を重ねてしまう。粘菌には、人を惹きつけてやまないなにかがある。

    糸井さんのキャッチコピーがいいんだなぁ。

  • 粘菌が変で好き。
    粘菌写真集を持っているけど、大型本なので森には持っていけない。その点、本書は判型やページ数も手頃だし、写真も豊富だし、素人目線の文章も楽しいので、森に粘菌を見に行くにはちょうどいい感じだ。
    タイトルのセンスもなかなか好きだ。

  • 2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1196.html
     
    2018/9/13 読み始め、ほぼ読み終わる。

    内容 :
    主に初心者に向けて、粘菌の基本的な生態を解説するとともに、北海道や東北各地で撮影された写真をカラーで多数掲載。
    粘菌の姿や生態はもちろん、原始の姿を今に残す森の美しさも楽しめる。
    本文左下にパラパラ漫画あり。

    著者 : 新井 文彦
    1965年生まれ。きのこ写真家。
    北海道釧路地方阿寒湖周辺などで、きのこや粘菌など、主に隠花植物をテーマに撮影を続けている。
    著書に「きのこの話」「毒きのこ」「きのこのき」がある。


     

  • レッツ粘菌生活!
    今までも粘菌は見てはきたけど、この本に出会って一層粘菌生活への意欲が増した。

  • キレイだ〜。
    白、ピンク、赤、黄と色もさまざま、形もさまざま。
    実物を見てみたいな。
    しかし、自然の造形って美しすぎる。

  • 東京のどこの公園でこういう菌がとれる!ということものっていて、調べ学習によさそう。
    写真もかわいい。

  • 驚きますよ。
    この不思議な生き物の魅力に。
    ぜ〜んぜん知らなかった世界です。
    粘菌ってきのことも菌類ともちょっと違う。
    ネンキンって発音してみることもなかった。
    動き回って微生物を捕食するアメーバ動物的状態から、
    きのこのように子実体を形成し、
    胞子で繁殖するっていう
    動物でも植物でも菌類でもない不思議な生き物。
    明治時代の知の巨人・南方熊楠がその生涯を通じて研究したのが隠花植物で
    中でも粘菌だったんだそうです。

    何種類か紹介されてるんですが、
    その粘菌の名前が「マメホコリ」「ムラサキホコリ」「クダホコリ」「ツノホコリ」とか
    いうんですよ。なんだよホコリって〜、ってほっこりしちゃう。

    キレイで不思議でちょっと不気味で、
    宝石かと思うような可愛くてキラキラ鮮やかな写真がいっぱい。
    『風の谷のナウシカ』の腐海の世界みたいです。

    キノコの写真も癒されるけど、
    この粘菌もいいですよ。
    こんなヘンテコな生き物が日本中のいたるところにいるらしいので、
    森の中に探しに行きたくなっちゃいます。
    森に限らず、不朽木のあるところにじっくりルーペでも持って探すといるかもしれないんだって。
    案外自宅の庭の片隅にでもいるかもしんない。


    写真がほとんどの本かと思ったら、
    粘菌について何も知らない人にもわかるように説明もしてくれてるし、
    専門家の研究を紹介もしてくれてます。
    粘菌の探し方や、写真の撮り方も!

    そしてそして、
    左ページの下に粘菌の変化していく様子をイラストでパラパラマンガにしてくれてるんですよ!
    可愛い〜〜楽しい〜!

    これはきっとハマる人が増えると思う。

  • こんな不思議な生き物がいただなんて、知らなかった!
    ある粘菌には美を感じるし、あるものには芸術を感じる。

    〈本から〉
     粘菌は、アメーバー動物の一種。動物でもなく、植物でもなく、菌類でもない、進化系等の異端児(もしかしたら王道?)と言いたくなるような存在なんです。

    ひそひそ話をしている異星人の姿を連想させるコムラサキホコリの子実体。

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著者プロフィール

きのこ写真家。主な著書に『もりのほうせき ねんきん』(ポプラ社)、『森のきのこ、きのこの森』(玄光社)、『粘菌生活のススメ』(誠文堂新光社)、『きのこのき』(文一総合出版)、『毒きのこ 世にもかわいい危険な生きもの』(幻冬舎)、『きのこの話』(筑摩書房)など。

「2021年 『きのこ のこのこ ふしぎの こ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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