ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ: ポップカルチャーで読み解く世界の名画
- 誠文堂新光社 (2017年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784416516409
感想・レビュー・書評
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西洋美術史の時代に沿って、質問に対して回答し、その時代の代表画家、表現方法を、現代のポップカルチャーを引用しながらガイドのように解説していくというスタイルの一冊。
なかなかわかりやすく、面白かった。
芸人さんならではのツッコミも随所に入れつつ。(作者は本来は芸人さんとのこと。)
読書メモ
・14世紀 ルネサンス・・・イタリアのボッティチェリ、ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ。
・16世紀 マリエリスム・・・ギリシャのエルグレゴ。
・バロック・・・ドラマチックな構図と演出が流行に。イタリアのカラヴァッジョ、スペインのベラスケス、オランダのレンブラント、フェルメール、ドイツのルーベンス。
・ロココ・・・フランス。繊細で装飾的な様式が流行に。「ぶらんこ」を描いたフラゴナールくらいで、あまり有名な画家はいない。
・ロマン主義・・・「裸のマハ」で有名なスペインのゴヤ、(エルグレコ、ベラスケス、ゴヤ、ダリ、ピカソ、など、100年に一度くらい天才が現れる、と作者は述べている。面白い着眼点)フランス革命をテーマに描いたドラクロワ、産業革命初の風景画家と言われたイギリスのターナー。
・18世紀末 新古典主義・・・「泉」を描いたフランスのアングル。
・1850年頃 フランス写実主義・・・初めて個展を開いた画家クールベ。テクニックだけでなく、産業革命後、支配階級と労働者の格差が明確に。現実の貧しさや悲惨さをありのままに描いた。
・バルビゾン派・・・風景画で有名。100名ほどいた。ミレー、コロー、ルソーなど。冬になると寒いため、みんなパリへ帰った。
・印象派、後期印象派、新印象派・・・初めてグループ展を開いたのが印象派。(ここで、サロンは今で言うM-1グランプリ、と作者はたとえている。なるほど!)
印象派女性画家モリゾ(朝ドラっぽい人物と述べている。これも納得。モリゾヒロインの朝ドラ、普通に見たい。)を始め、女性画家は少ないが存在はした。17世紀、カラヴァッジョのフォロワーと言われたジェンティレスキ、ロココのルブランなど。
・ラファエル前派・・・「オフィーリア」を描いたイギリスのミレイ。
・ナビ派の後の19世紀 アール・ヌーヴォー・・・フランス、ベルギーで流行。ルネラリック、エミールガレなど。チェコのミュシャなど。
ロココとの違いは、曲線を使いつつ、怪しいもの、退廃的なモノ(虫やキノコなど、グロテスクなモノ)が受け入れられるようになったこと。
・20世紀前半 アールデコ・・・デコラティブで直線的、幾何学的なもの。NYのエンパイアステートビルが有名。
自動車、飛行機が市民の生活に入り込み、照明がガスから電気になるなど、庶民の生活の変化が現れ始めた頃。
・世紀末芸術・・・オーストリアのクリムト。
・素朴派・・・フランスのルソー。50歳で画家に転向したという。(ヘタウマと言われている。原田マハさんは好きと言っているが、私は個人的にはまだ魅力を掴み切れていない。)
・フォービズム・・・野獣派。フランスのマティス。
・キュビズム・・・ピカソ、ブラック。この頃から絵が難解になっていく。
・20世紀初頭 抽象主義・・・オランダのモンドリアン、ロシアのカンディンスキー。
・20世紀前半 エコール・ド・パリ・・・世界各国から夢見る若者がやって来てボヘミアン的な生活をした一派。
藤田嗣治、ロシアのシャガール(毒舌。6歳年上のピカソとも仲悪かったらしい)、ポーランドのキスリング、ピカソやダリ。
(作者はエコールドパリをトキワ荘に例えている。うん。これも分かりやすい)
・ロートレック・・・世紀末芸術、エコール・ド・パリどちらとも言える人物。
私の中で、初めてアートをデザインに発展させた人物だという認識。彼が美術史の上で特別視される意味が少しずつ分かってきた。
・ダダイズム・・・フランスのデュシャン。(彼の芸術も高度だ。私はまだ理解出来ない)
・シュルレアリスム・・・超現実主義。「無意識下」を描いた派閥。スペインのミロ、ドイツのエルンスト、ベルギーのマグリット、スペインのダリ。
不思議で、つい、何かドラマが潜まれているのでは無いかとじっくり見てしまう絵が特徴ですね。
・表現主義・・・ノルウェーのムンク。
・アクションペインティング・・・アメリカのジャクソンポロック。
・アメリカンポップアート・・・ウォーホル、リキテンシュタイン。
時代背景や、文明の発展などによって、その時の美術の流行も変遷していくということが理解できた。
西洋美術。まだまだ奥が深いな❗️詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先日行った富山県立美術館で購入した「西洋美術の流れがラクラク頭に入る美術館へ」読了。
とに〜さんの美術館でのキュレーションが面白くて買ってみたけど、本もめちゃくちゃ面白くて大満足!
美術史の大きな流れと、アーティストにまつわる小ネタがバランスよく盛り込まれていて、読み応えのある一冊でした。 -
芸術って、ほんとに何でも思ったままでいいんだー、って思わせてくれる。
そして、色々な絵を見たくなる。そういう意味で素晴らしい。
あと、解説されている絵の一部しか載ってないから、スマホでいちいち調べて見たくなるのね。面倒くさいんだけど、そこまでして見たい、と思わせるところがまたいいのかな?とも思う。 -
美術史の流れって複雑ですが、とても分かりやすく解説されてます! 歴史の流れを理解できたら、もっと絵を見るのが楽しくなりそう。