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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784416519554
作品紹介・あらすじ
ウズベクのスザニ、インドのミラー刺繍、トルコのオヤ…アジア各地に受け継がれる伝統の手仕事は、手芸ファンを魅了してやみません。
モンゴル国の西端に位置するバヤン・ウルギーには、「カザフ」といわれる遊牧民族が今も牧畜を営みつつ暮らしています。
彼らは、遊牧、鷹匠、音楽、装飾など多くの独自文化を守り、発展させてきました。
そんなカザフの人々が愛しい家族のために制作する美しい刺繍。
現地では壁掛け布(トゥス・キーズ)として使用されますが、その大胆なデザインと色鮮やかさは圧巻の美しさです。
本書では、そんなカザフ刺繍の世界初の図案付き技法書として、小ぶりでシンプルなモチーフから、複数のモチーフを組み合わせた大ぶりなデザインまで、全て図案付きで紹介。
基本的な作り方は、写真と説明でわかりやすく解説しながら、手持ちの服や小物にアレンジする方法まで幅広く網羅しています。
その大胆なデザインは、一見難しく見えるかもしれませんが、技法自体は大変シンプルなもの。
刺繍枠は画材用のキャンパス枠、刺繍針はレース編み用のかぎ針と、日本で手に入る手芸材料で作ることができるので、刺繍初心者でも安心して始められます。
現地の美しい写真と文化背景を楽しみながら、実際に作品を作ることができる構成は、世界の手仕事、手芸ファンはもちろん、文化資料としても活用いただける保存版です。
■目次
第1章 カザフ人の装飾文化と刺繍
第2章 カザフの伝統文様
第3章 華麗なるトゥス・キーズの世界
第4章 身近な服や小物に取り入れて
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感想・レビュー・書評
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「乙嫁」最新号出版のしらせがありません。せめてもとカザフ刺繍の写真を眺め、無聊を慰めました。カザフ文化独特の文様が組み合わされ、大作の刺繍壁掛け布「トゥス・キーズ」が出来上がります。それが、天幕型住居「キーズ・ウイ」に飾られると見事に生命が宿ります。圧巻です。次はカザフの民族衣装が見たくなりました。
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刺繍なんか全然しないのに図書館で借りる。
(漫画「乙嫁語り」や中央アジア好き)
文様/模様のモチーフが知れて面白い。腎臓の文様が豊かさの象徴(屠る家畜が沢山いる状態)という発想に、カザフ民族文化の奥深さを感じた。
背景や歴史等も簡潔に書かれていて理解が深まったし、素敵な写真が多く、いい目の保養になった。
いつか本物を手元に置きたい。(自作は無理…) -
『大乙嫁語り展』のとき、ショップで販売されていて気になっていたのがこちら。
「中央アジア」とひとくくりにいっても広く、ここで紹介されているのは、モンゴル国バヤン・ウルギー県で暮らすカザフ人による伝統文様と刺繍技法です。
大きな木枠に布を貼って、かぎ針で刺していく刺繍技法は、自分で真似するにはレベルが高いですが、伝統文様や模様、モチーフの刺し方が掲載されているので、刺繍の心得がある人であればチャレンジできそう。
花、鳥といった文様のほか、羊、ラクダ、麦のモチーフがあるところが遊牧民族らしい。
「腎臓文様は多くの家畜を屠ることができる状態を想起させることから、家族に幸せをもたらすものとされる」というのもおもしろいです。
天幕型住居「キーズ・ウイ」の内部を覆う、壁掛け布「トゥス・キーズ」。
美しい布が何枚も飾られているのは圧巻ですが、家の中を美しく装飾する女性が「理想的なカザフの嫁」で、身の回りを飾ることができない女性は「仕事ができない」とみなされるとか。
カザフ人に生まれなくてよかったと思いつつ、これもひとつの文化ですね。
『乙嫁語り』でも刺繍の苦手なパリヤさんが嫁入り道具を作るのに苦労してましたね。(布仕度がおわらないと嫁に行けない。刺繍の出来で嫁として評価される。)
著者のひとりであるアイナグルさんは、1992年の社会主義体制の崩壊により、生きていくために自分でビジネスを始めるしかなくなり、カザフ刺繍の専門店をオープン。
女性たちの収入と伝統文化の存続のためにカザフ刺繍を伝える活動をしているということで、ここらへんにも刺繍素敵!だけではすまされない社会事情が現れています。
以下、引用。
14
装飾行為は、カザフにおいて女性の大切な仕事のひとつとして認識されています。美しく装飾を施す女性は、「理想的なカザフの嫁」として社会的に讃えられます。一方で自分で身の回りを飾ることができない女性は、仕事ができないと見なされ悪い噂の対象になることもあります。
17
「腎臓」をモチーフにした文様
腎臓がたくさん表に出ている状態とは、それだけたくさんの家畜を屠ることができるということを意味していて、家畜の数が多い豊かな状態を想起させるともいわれています。
国立民族学博物館 -
【静大OPACへのリンクはこちら】
https://opac.lib.shizuoka.ac.jp/opacid/BB28860764 -
図書館で見かけて借り。
中央アジアを舞台にしたマンガ「乙嫁語り」で登場人物のアミルが刺繍をするシーンがあって、どんな感じなんだろうかなーと思っていた。なので、自分が刺繍する参考、というよりも眺めて楽しむために借り。
刺繍枠もいわゆる丸型ではなく四角い木枠、針はかぎ針。いろいろあるんだなあ。 -
刺繍の仕方も、模様の意味も、全部新鮮で面白かった。普通に針でチェーンステッチしてるのかと思ってた。紹介されるトゥス・キーズがどれもとっても素敵で、紙面で見てるだけなのに感動しちゃった。
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モンゴルにいるカザフ族の刺繍第一人者、アイナグルさんの作品集。
単なる図案集なだけでなく、刺繍の変遷、実際にキーズ・ウィ(天幕型住居)で使われている様子など、この地で暮らす人々のことや歴史が紹介されていて文化を知ることができる。
アイナグルさんが刺繍を始めた経緯や文化を継続させようとする取り組みも紹介され、ただの刺繍図案集だけではない読み物ともなっていた。
乙嫁語りの世界を彷彿とさせる美しい作品の数々。
図案のセンスはともかく、作業自体は慣れればそう難しくないのかもしれないが、とんでもなく根気のいるであろう作品に感心するばかり。
日本でも見られる博物館があるようなので、実際に目にしてみたい。
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感想 :

私もこの本を読みたいと思っていたところです。
カザフの民族衣装というと、悲劇的な事故で亡くなったデニス・テン選手...
私もこの本を読みたいと思っていたところです。
カザフの民族衣装というと、悲劇的な事故で亡くなったデニス・テン選手を思い出しますね。
氷上の彼はよく美しい衣装をまとっていました。
それで「殿下」というあだ名がついたらしいですが。
レビューを読んでから画像検索をして、新たな悲しみにひたりました。
デニス・テン選手のことは知りません。
カザフのフィギュア選手とは珍しい。フロンティアですね。
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デニス・テン選手のことは知りません。
カザフのフィギュア選手とは珍しい。フロンティアですね。
本書は民族衣装ではなく、カザフ刺繍による壁掛け布を紹介しています。
場所を得て映えるという言葉がまさにこれです。
命を得たように魅力を放つ天幕型住居「キーズ・ウイ」は必見です。
犬山のリトルワールドに行けばありますかね。